カラスといちごとクロッカスと

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女心と、バラの色

2022年09月11日 08時24分43秒 | バラ科
2021.06.04撮影

このツボミは、Rosa × odorata のうちでも、園芸種の 'Mutabilis' のものです。わたしは、このバラを以下のような画像の状態でお初にお目にかかり、こんなバラがあるのか? と三度見しましたよ。根本をしっかり調べました。どう見ても、一株。

そして、原種が好きなわたしは、ラベルに Rosa mutabilis と書かれていた(偽情報)のと、植物屋さんの店員さんが、これは原種です〜〜(ウソつけ)、なんて言うものだから、また、ふらっとなって買ってしまいました。うちの庭はあまり陽が当たらないので、バラは育てたくないんです。でも、この鉢をそこに置いて家に帰ることは、できなかった。
Rosa × odorata - Wikipedia

Rosa × odorata - Wikipedia

 
園芸種でない Rosa × odorata「芳香のバラ」は、中国・雲南省原産で、Rosa gigantea「大きいバラ」と Rosa chinensis「中国バラ」の交配したものだとされています。Rosa × odorata ではなく Rosa odorata と、「×」(交配種であることを示す印)なしで表記することがあるのは、交配が大昔に起こったからでしょうか。

この、Rosa × odorata「芳香のバラ」の親のひとつであるとされる Rosa chinensis「中国バラ」は、のち、多くの「ティーローズ」(お茶の香りのバラ)を生み出す親株となります。

'Mutabilis'(ムタビリス)というのは、英語の mutate と同語源の語で、「変異する」という意味です。花びらの色が変わっていくんです。バラの多くは、花の色が咲き始めと終わりでは変わっていくものですから、それが何か? ともなるんですが、ムタビリスの花の色の変わり方は「え? こんなに?」と思うぐらい。うちのムタビリスを見て、これ、どうかしたの? と聞く人さえいます。

一般的には、黄色からピンクへ、そして、真紅へと変わっていきます。

うちの「変化する気まぐれ」さんの色をお楽しみください。(お見せする花は、同じ個体ではありません。)

まず、薄黄色〜薄ピンクのものから。まだ花が若い証拠に、オシベがしっかりしています。

2019.06.03撮影

そして、黄色地の上に、ピンクの色が増して、オレンジ色がかります。

2021.06.04撮影

次に、赤みがかってきます。ここまでくると、オシベが形を変えています。

2021.06.04撮影

そして、このように赤くなってきます。

2021.06.04撮影

赤さ加減の異なる花の「ツーショット」をどうぞ。

2021.06.04撮影

うちの「気まぐれ」さんは、もっと白っぽい花も咲かせてくれます。

これがかなり白い花。(冒頭のツボミの画像の奥、上の方に、白さが勝った花が見えます。)

2021.06.04撮影

白地に、ピンクが増してきた花。

2019.06.03撮影

うちのムタビリスは、周りの木々が成長して、陽がますます当たりにくくなり、生き延びる策として、それらの木々の上に頭を見せる、ということをしました。足元はかわいそうな状態になっています。わたくし、剪定係としては、今後も上へ伸びるよう仕向けるしかないようです。

以下は、周りの木々から頭を見せて咲いているところ。右手前に白く咲いているのは、コデマリ(小手毬 Spiraea cantoniensis)、左上の葉はレンギョウ(連翹 Forsythia)、右側奥は、上がモミジバフウ(紅葉葉楓 Liquidambar styraciflua)、下がオーク(Quercus)。

2022.06.19撮影

ロサ・ムタビリスは、英語で Butterfly rose「チョウチョウのバラ」と呼ばれることがあります。それは、花びらが一重で大きめでひらひらしているところを、チョウがとまっているのに、たとえたものです。

次の画像(ここでも、背景の葉はレンギョウ)には、ムタビリスの枯れ枝も見えます。陽が比較的当たるところなんですが。剪定係の怠慢です、でも、踏み台に登らないと手が届かないんです。

この画像には、ムタビリスのローズヒップも見えます。まだ緑のが、3つほど。野生種のローズヒップのようには、たわわに実らない。多くの花が受粉するのではないのかもしれません。

2022.09.09撮影


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