カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

アリアムは、お好き?

2022年09月16日 11時37分29秒 | ヒガンバナ科
2022.05.11撮影

これは、チャイブ(Allium schoenoprasum)の、まだ固いツボミです。花茎がすくっと立っています。ツボミのついていないのは、葉です。先細りしたのがそうです。手でさわれば、葉と花茎は全く違います。

チャイブはお食べになったことがありますか。アサツキと同じように食べることができます。アサツキはチャイブの変種です。

・チャイブ(Allium schoenoprasum
・アサツキ(浅葱 Allium schoenoprasum var. foliosum

風味は少々違うのかもしれませんが、わたしは両者を比較できるほどアサツキを食べた経験がないので、わかりません。

その理由のひとつに、日本で食用に売られている「あさつき」がアサツキではなく、ネギ(葱 Allium fistulosum)を若採りしたもの、というのが挙げられます。つまり、ニセモノ。

次の画像は、向こう側にピンクに色づいてきたツボミ、手前の方に既にかなりほころんでいるツボミ、が見えます。チャイブの左手後ろにちょっと見える青い花は、ワスレナグサ(勿忘草 Myosotis scorpioides)です。

2022.05.25撮影

チャイブもアサツキもネギ属(Allium)です。ネギですから、花が咲けば、それはネギ坊主です。そのネギ坊主の「鑑賞に値する」のが、園芸用にアリアムとして流通しています。学名をカタカナにしただけ。

そんなお美しいアリアムの例が、これ。‘Persian Blue’「ペルシャの青」という園芸種です。(わたしには、いくら見ても、ネギ坊主にしか見えない。)

2022.05.25撮影

ネギ属(Allium)は、ヒガンバナ科(Amaryllidaceae「アマリリス科」)なんですが、ヒガンバナと聞けば、食べて大丈夫なのか(特にタマネギ)? 「アマリリス科」と聞けば、あんなに大きい花といっしょ? と感じるかな、とも思います。異なる文化圏で歴史的に採用してきた名前が、ずれているんですね。

次の画像は、昨日ご紹介したシューベルト・アリアム(Allium Schubertii)です。園芸種ではなく、原種。

2022.06.18撮影

日本では、ネギ(Allium fistulosum)は主に食用として育てますが、バンクーバーなんかでは観賞用に育てている人もいます。食用と兼ねているのかもしれません。きれいですよ、花。でも、日本でも、庭に作ったネギが食べ切れなくて、結局きれいな花になっしまった、ということもあると思います。


ネギ(Allium fistulosum)の花
撮影者:Ping an Chang
撮影日:2019.04.06
オリジナルからの改変、なし

チャイブは、葉も花も食べられます。わたしが好きなのは、花です。

わたしが初めてカナダに来た時、カナダ人のお家に1週間ほど居候していたのですが、その時、サラダを作る、というので、ほい、これ、切って、とチャイブを渡され、へえ、こんな細いネギみたいなものがあるんだ、と思いながら、包丁が要るので「ナイフがいるよ」と言ったら怪訝な顔をされ、「まな板も」と言うとますます怪訝な顔をされ、一応「道具」がそろったところで、切れないペティナイフで小口切りをしていたら、え? 何しているの? チャイブは切るならこうやって切るのよ、と2センチの長さでばっさばっさと切って見せてくれました。あっという間にできあがり。それと、ナイフなんか使わずに、手でねじってちぎるんですって。わたしは、現在では、チャイブの葉はキッチンナイフでちょきんちょきんとやります。

その点、花は便利です。ばらせばいいだけ。サラダにも、スープにも、パスタ、チャーハンにもいけます。花の風味の方が、わたしは好きです。

2022.05.25撮影

上の画像のチャイブの花は、まだ全開していません。薄い皮のような総苞(そうほう)がまだきれいに見えます。次のリンク先に、チャイブの花の変化を示した画像がありますが、その右から2番目ぐらいです。その画像の左上には、花がばらされた様子が見えます。

All About Chive Blossoms(英文+画像)

チャイブは、一度根づくとまずはなくなりません。うちでは増えすぎて困っていて、人様にもらっていただくのですが、もう大抵のところへは差し上げてしまったので、もうもらってくれないんです。せっせと食べるしかないんでしょうか。花を生花にするのは、ネギの匂いがして、ちょっと苦手な人がいるかもしれません。


コメント