
2022.06.24撮影
この黄色い5弁の、真ん中がちょっと紅色っぽい花(Lysimachia punctata)は、昨日の記事で話題にしました、オカトラノオ(Lysimachia clethroides)の兄弟分です。黄色いので、勝手に「姉妹」としておきました。
Lysimachia punctata には和名はないもようです。英名は、Large yellow loosestrife「大きい黄色のミソハギ」。でも、これはミソハギ属(禊萩 Lythrum)の植物ではありません。見かけなどからの、科学的ではない命名は、ごく普通にあるものです。
「大きい黄色のミソハギ」は、すっと1.2メートルほどに伸びます。茎は、しっかりとしていますが、季節が進むと個体によっては倒れることもあります。葉が茎に対して輪生するのが特徴です。その葉の上に、短い花茎を出して花が咲きます。
地下茎で伸びていきます。オカトラノオ(Lysimachia clethroides)のようには引っ越しはしない代わりに、生えている土地をぎしぎしにします。「管理者」のわたしとしては、いかに個体数を減らすか、ということに苦慮します。
花期は長く、花が多く開くと、次のようになります。でも、一度に咲くのではなく、花が1個1個咲いていた形のままで落ちては、次々とツボミが開きます。

2021.06.21撮影
花が終わった後の8月終わりから9月始めの様子が、以下になります。花がなくても美しい姿の植物です。切花としてよく持つので、わたしは、花が終わっていても、この茎と葉を利用します。実は、花のない方が花材としては扱いやすいんです。花が咲いている時には、個々の花が終わるに従ってパラパラと落ちてくるので。

2022.8.22撮影
次の「黄色い姉妹」(Lysimachia ciliata)も茎がすっと伸びる植物です。茎が細く、花が咲くと全草が倒れかけになることもあります。そのため、以下の画像では、花は、ほとんど裏側しか見えません。

2021.07.10撮影
こちらの花も、「大きい黄色のミソハギ」とそっくりですが、花弁の先の方がちょっと丸めです、と言うか、「大きい」の方が、先が細まっています。次のふたつの画像でお見比べください。
Lysimachia ciliata にも、和名はないもようです。英名は、Fringed yellow loosestrife「ふさ毛のついた黄色のミソハギ」。「ふさ毛(フリンジ)」って、何??? と思い調べてみると、葉茎に毛がついている(そんなとこまで、普通、見てないよね)・・・というので、実際に庭に出て、下の方から葉を1枚取ってきて、撮影しました。それが、次の画像。

2022.09.03撮影
デジカメ、フラッシュなしの撮影ですが、毛が見えました。
「ふさ毛のついた黄色のミソハギ」は、「大きい黄色のミソハギ」ほど生命力が高くなく、いつも消え込まないかヒヤヒヤしているぐらいです。今年はちゃんと咲いてくれました。花期は長くありません。
本日の「オカトラノオ家の、黄色い姉妹たち」の最後にお見せするのは、和名のある花です。花の形は、直立型の「大きい」姉妹や「ふさ毛の」姉妹のようなやや平たい花ではなく、ややカップ型。

2021.06.21撮影
コバンコナスビ(小判小茄子 Lysimachia nummularia)なんですが、これは、土地を、はいます。英名は、Creeping Jenny「(土地を)はうジェニー(女性の名前)」。そして、オカトラノオ一家(Lysimachia)の例に漏れず、しっかりと繁殖してくれます。「グランドカバー」として大変有用です。常緑というのも、魅力的です。ただし、他の植物にかぶさっていくことがあるので、庭づくりには注意が必要です。
動植物の「二名法」は、種名を「属名(氏に当たる)+種小名(名に当たる)」で表す、ということですが、和名の場合、属名と、その属の「代表的な」植物が同名であることがかなりあります。
・オカトラノオ属(Lysimachia)のオカトラノオ(Lysimachia clethroides)
・スミレ属(Viola)のスミレ(Viola mandshurica)
・ヤグルマソウ属(Rodgersia)のヤグルマソウ(Rodgersia podophylla)
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学名を使えば問題はないのですが、学名を使うのに慣れている人ばかりではありません。そんなときに「オカトラノオ」と言えば、それは、属のことを言っているのか、種(しゅ)のことを言っているのか、分かりにくい時があるのではないかと思います。どうすればいいでしょう。