カラスといちごとクロッカスと

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ヒメムラサキ(プルモナリア)1

2023年04月24日 08時00分00秒 | ムラサキ科
2022.03.24撮影

キジカクシ科(Asparagaceae)シラー属(Scilla)の花がひとしきり咲くと、まだそれらが咲き終わらないうちに、今度は、ムラサキ科(Boraginaceae)の花が咲き出します。青い花に続いて、また青い花が咲くわけです。

今日から、ムラサキ科の3属を取り上げたいと思います。
・ヒメムラサキ属(Pulmonaria)
・ルリジサ属(Borago)
・ワスレナグサ属(Myosotis)

2021.05.02撮影

今日と明日は、ヒメムラサキ属(Pulmonaria)から1種。

画像の植物は、ヒメムラサキ属のうちでも、Pulmonaria longifolia「長い葉のヒメムラサキ」です。花の青さと、葉の斑点模様が美しいヒメムラサキです。

和名 プルモナリア・ロンギフォリア(学名から)
ムラサキ科(Boraginaceae)ヒメムラサキ属(Pulmonaria
学名 Pulmonaria longifolia「長い葉のヒメムラサキ」
英名 Narrow-leaved lungwort「狭い葉の肺草」
別名 Longleaf lungwort「長い葉の肺草」

いつも思うんですけどね、和名。なんで、この場合なら、「ナガバヒメムラサキ(長葉姫紫)」ってつけられないのかしら。学名からカタカナにすることない。と言っても、言語のひとつでしかない英語からカタカナにするより、マシだけど。

そういう風潮、あるいは、安易さに抵抗して、以下では、この Pulmonaria longifolia を呼ぶのに、「ナガバヒメムラサキ」という名称を、勝手ながら、採用させていただきます。

2021.04.03撮影

「ナガバヒメムラサキ」は、「長い葉」とは言っても、そんなに長いわけではありません。英語の名称の「狭い葉」というのは、別種の葉に比べて狭い、ということです。では、なぜ、「長い葉」なんでしょう。

上の画像から見ても、葉が特に長いわけではありません。でも、「ナガバヒメムラサキ」は、その名に恥じず、葉が長くなるのです。ただし、それは、花後です。ぐんと伸びてきます。すみません、花後の葉の画像はありません。花にばかり気を取られて、反省。

次の画像は、ツボミが出てき出したころ。ほぼ真上から撮影しています。

2021.03.20撮影

「ナガバヒメムラサキ」は、葉を出した後、まずこのように花茎を伸ばして、その花茎の先にツボミをかためてつけます。この画像では、ツボミの塊が3つ見えます。

ツボミの外側は赤っぽく、葉っぱも赤い色で縁取られています。葉は厚めで、葉には最初から白い斑点模様がありまる。葉と花茎とツボミには、細かい毛がついています。

画像中、手前に向かって出ている葉で、白い模様のついていないものは、ヒメムラサキの葉ではなく、ヒメツルニチニチソウ(Vinca minor)の葉です。

ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)1
ヒメツルニチニチソウ(グランドカバー)2

ヒメムラサキは半日陰を好み、ツルニチニチソウは日当たりを好みますが、ツルニチニチソウは半日陰でも生育できるので、このような混植が可能なのです。

2022.03.24撮影

ツボミのついた花茎は、伸び続けます。そして、最初のツボミを開くのですが、それは、「ピンク、桃色、赤紫」というような色調です。

ピンクではなく、オレンジ色っぽい赤のヒメムラサキもありますが、それは、この「ナガバヒメムラサキ」系の園芸種で、’Raspberry Splash’「ラズベリー・スプラッシュ」というものです。

白いヒメムラサキは、それは、今日取り上げている葉の長い(あるいは、狭い)Pulmonaria longifolia ではなく、葉が幅広である Pulmonaria officinalis「薬用・食用のヒメムラサキ」の 'Sissinghurst White' という園芸種です。

なお、Pulmonaria の pulmo というのは、臓器の「肺」のことです。Pulmonaria の斑点のついた葉が肺のように見える(とされた)ことと、薬用に、特に、肺の病気に用いられたことによります。


2023.04.11撮影

上は、白花のヒメムラサキです。よそのうちの庭にあったのを撮影したので確証はありませんが、Pulmonaria officinalis 'Sissinghurst White' だと思われます。よそのうちの植物を撮影する時には、太陽の当たり具合に贅沢が言っていられないので、光の当たり過ぎた画像となりました。花の様子が判然としなかったので、フォトショップみたいなもので明るさを調節し、トリミングもしました。(わたしは、トリミングはたまにしますが、画像の調節をすることはまずはありません。)これでガクについた毛も見えますか。

明日につづく。


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