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ローマン・ヒアシンス

2023年04月14日 08時00分00秒 | キジカクシ科
ヒアシンス
撮影者:Bubbah63
撮影日:2014.03.03
オリジナルからの改変、なし

昨日の記事で、ヒアシンスについて、次のことをまとめました。

・原産地は、トルコ、パレスチナ、シリア、レバノン、イラク、である
・ヨーロッパへは、主に、オランダとフランスに入った
・オランダで作り出された園芸種を「ダッチ・ヒアシンス」と呼ぶ
・「ダッチ・ヒアシンス」は多種多様である
・現代において栽培されるヒアシンスは、主に「ダッチ・ヒアシンス」
・フランスに入って伝わってきたものは、「ローマン・ヒアシンス」と呼ぶ


ケンブリッジ大学植物園で栽培されている「野生タイプのヒアシンス」
(Wild-type Hyacinthus orientalis in cultivation)
撮影者:Magnus Manske
撮影日:2009.05.02
オリジナルからの改変、なし

オランダでは、他の球根植物と同様、ヒアシンスも交配がくりかえされ、園芸的に開発されてきました。オランダと言えば、球根の大生産地です。

一方、フランスに入ったヒアシンスは、大きく開発されないままで、今日に至り、フランスの家庭の庭に植わっていたり、野山に野生化したり、しています

ケンブリッジ大学植物園で栽培されている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Magnus Manske
撮影日:2010.03.21
オリジナルからの改変、なし

では、「ローマン・ヒアシンス」には、どんな特徴があるのか。

・花数が少ない(花茎にばらばらに咲く)
・繊細でほっそりした感じの花
・最も多い色は濃い青紫、次に磁器のような薄青、次に真っ白、そして、ピンク
・「のど」にあたるところが細めで長め
・花茎が花の重みで倒れることはまずない
・ひとつの球根から複数の花茎が出得る
・球根は、長く生き、増え続ける(野生化する)

これに対し、「ダッチ・ヒアシンス」は、

・花数が多い(花茎にびっしりとつく)
・艶やかな花
・多種の色(昨日のチャートをご覧ください)
・「のど」にあたるところは、「ローマン・ヒアシンス」ほど細くない
・花茎が花の重みで倒れることが、かなりある
・ひとつの球根から1本の花茎
・長く植わっている球根は、花の勢いが弱まってくることがある

以上は、多くのサイトを参照し、見比べた結果です。

トルコのある村に生えている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Zeynel Cebeci
撮影日:2020.03.07
オリジナルからの改変、なし

「ローマン・ヒアシンス」も「ダッチ・ヒアシンス」も、「東洋のヒアシンス」Hyacinthus orientalis であることには変わりはありません。違いは、原種からどれほど変形されているか、です。そして、「ダッチ・ヒアシンス」は園芸化が進み、「ローマン・ヒアシンス」はそうではなく、原形に近いまま残った。

この2種のヒアシンスに関して、学名の情報があまりにも交錯しているんです。特定するのが難しかったのですが、以下のあたりで妥当なようです。

ローマン・ヒアシンス
Hyacinthus orientalis var. provincialis「田舎のヒアシンス」

ダッチ・ヒアシンス
Hyacinthus orientalis var. orientalis「東洋のヒアシンス」
別名、Hyacinthus orientalis var. albulus「白いヒアシンス」(なぜ、「白い」?)

トルコのある村に生えている「普通のヒアシンス」
Hyacinthus orientalis 'Common hyacinth')
撮影者:Zeynel Cebeci
撮影日:2020.03.07
オリジナルからの改変、なし

上の画像では花茎が同じ根本から2本出てきているようです。それなら、「ローマン・ヒアシンス」でしょう。

今日の画像は、みんな、「ローマン・ヒアシンス」だと思われるものを掲載しています。でも、わたし個人の判断ですので、間違っているかもしれません。

明日は、各種のヒアシンスをお見せして、ヒアシンスの話しは、それで一旦置きます。

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