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ジェットファイア

2023年04月05日 08時00分00秒 | ヒガンバナ科
2006.03.27撮影

今日のスイセン(Narcissus)は、園芸種 'Jetfire'「ジェットファイア」です。園芸名の意味は、「ジェットエンジンのような火」。花びらがそり返っているために、長いカップが「吹き出した」ように見えるのが、命名の趣旨と思われます。

「ジェットファイア」は、元となった原種の特徴で分類されるディビジョン5〜10のうちの、ディビジョン6です。

以下のイラストで、その元のスイセンの特徴をご覧ください。原種名は、Narcissus cyclamineus「シクラメン咲きのスイセン」です。

学名 Narcissus 'Jetfire'「ジェットファイア」
開発者 Grant E. Mitsch
登録年 1966年
産出国 アメリカ
ディビジョン6
耐寒区域 4a-9b

Narcissus cyclamineus
Curtis' Botanical Magazine (1887)
パブリックドメイン

原種の Narcissus cyclamineus「シクラメン咲きのスイセン」は、わたしは実際に見たことがないんですけど、写真などを見ると、本当に花びらが花茎に向かって反って、カップが細く飛び出しています。

園芸種の「ジェットファイア」では、すべての花がそのようになるわけではありません。花びらは、しっかりとそり返るのではなく、やや水平ぐらいにしか開かないものもあります。カップは、でも、はっきりと飛び出しています。

2014.03.24撮影

花びらとカップの長さの関係は、どうでしょう。

次の画像は、ツボミが色をつけて開きかけたところです。この段階では、カップの方が花びらよりやや短いぐらいでしょうか。

でも、花のパーツは花の開く過程で割合が変わってくることが多いです。花がもっと開けば、どうなるのでしょう。

2021.03.09撮影

もう少し開くと・・・

2022.03.04撮影

開き切ると・・・

2022.03.24撮影

どうでしょうか、カップの方が長いですか、花びらの方が長いですか。

「ジェットファイア」は、原種の「シクラメン咲きのスイセン」の特徴により、ディビジョン6なわけですが、花びらとカップの相対的な長さで分けられるディビジョン1〜3に分類しないのは、原種としての特徴が優先されるからでしょう。

比較のために記しておきますれば、

ディビジョン1「ラッパスイセン」
カップの長さが花びらの長さより長い

ディビジョン2「大杯スイセン」
カップの長さが花びらの長さの3分の1以上で、花びらの長さより短い

ディビジョン3「小杯スイセン」
カップの長さが花びらの長さの3分の1以下


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