工工四は、音を書いているのではなく、押さえる位置関係を書いている。と書きましたが、補足です。
中位の曲というのがあり、これは通常の曲は「合」がドレミで言うところの「ド」であるのに対して、「四」が「ド」に該当します。この場合「尺」は半音下げて押さえますが、「四」は「ド」であろうが「ファ」であろうが、あくまでも「四」なのです。
また更に「二上げ」や「三下げ」なども、音階の位置関係は変わりますが、「合、乙、老、四、上、中、尺、工、五、六、七、八」という押さえる位置関係の呼び名は不動です。
これが、「工工四」の特徴で、「楽譜」とは違うところです。
それなのに、三線の棹の約半分のところを押さえて高い音程を出すときに、「人偏」を付けて「尺」の1オクターブ上の音です。と言われても「尺」は本来「中弦」で、実際にその音を出す弦は「女弦」の「五」の半分の位置なので困惑するのです。
そこで登場したのが、押さえる位置関係をそのまま棹の真ん中あたりで再現した方法が、例のメモなのです。
これにて一件落着。