絹糸のしらべ

一絃の琴、きもの、文学etc…日本人のDNAが目を覚ます・・・

ブラックホールってどんな暗さ?

2009年02月25日 12時29分57秒 | Weblog
最近のわたしは暗い。
暗すぎて自分の足元もよく見えない。
日本語で「元気がない」ともいう。

ついこの前まで、自分という人間の輪郭ははっきりしていたように思うが
いまではうすらぼんやりして周囲との見分けもつかなくなってきた。
<混沌とした気体>のようだ。

何が違うって、自分の意見というものが薄れてきた。
「元気なとき」は人がいろいろ言ったことに
いちいち突っ込みをいれていたが(反論含む)
いまでは「ああ~~、そうかもね~~~」みたいに
反論する気も起こらない。
「どうでもいいや、そんなこと」みたく
全く持って意欲がない、やる気が無い。。。
やる気のないときは人間どうすればいいのだろう?

朝8時からの番組で著名人の心に残る1冊を紹介するのがある。
昨日ゴンチチの「チチ松村」氏が書いた「私はクラゲになりたい」
が紹介されていた。
クラゲというとお盆過ぎから出現する毒クラゲしか思い浮かばなかったが
ゆらゆらゆれる画像を見て、今の自分と共鳴するかも・・・
と思ってしまった。。。

語りと舞

2009年02月25日 11時57分18秒 | Weblog
先日千種小劇場で、「源氏物語」を語り(現代語)と地唄舞で表現したものを
観ました。
もとアナウンサーの女性でとても素晴らしい語りでした。
また素人でよくわかりませんが、地唄舞もとても素敵でした。
昼の部でしたが子どもが帰ってくるので仕方なく一部の「夕顔」しか
観ることができず残念でした。

ひとことで言うと、源氏物語のひとり芝居、というもののようです。
あと、語りの合い間や最後に地唄舞が入ります。
音楽、効果音ありで、舞はもちろん唄つきです。

「夕顔」はよく知られている段ですね。
源氏物語をひとり語りしている役者さんもおられますが
まだ見たことがありません。どんなのなんでしょう?
もちろん現代語訳でしょうから、当然脚色されているのでしょうね。
現代語訳といっても、やはり「語りやすい」ように
手を加えられているのでしょう。

今回の語りと舞も、演者以外の脚色家の手によって
ことばが選ばれていました。
そうなると、この語りはもうその作家さんのもの以外の
何ものでもなくなっていて・・・、あたりまえのことですが。
もちろんいろいろ相談をされてこのようなお話になっているの
しょう。

語りも舞いもとてもすばらしかったけれど
どうしても自分の思い描く「夕顔の君」と
演じられた「リアルな夕顔」とが相容れず
「こんな言い回しの場面あったっけ?」みたく
昔読んだ記憶を辿ろうとしていました。
(それはちょっと興ざめなことで)
やはり全く別のお話と思ってみるほうがいいのかもしれません。
(映画の原作との違いとも似ているかな・・・)

なんだか、古文が現代文になった瞬間に、
「源氏物語」が渡辺淳一著か!?と思えてきて
ちょっとだけ気分が滅入りました。


紙一重

2009年02月25日 11時55分33秒 | 
心の扉を開く
河合 隼雄
岩波書店

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もう20年以上この先生の本を読んでいる。
はじまりは子どもの本だった。
心理学者だが子どもの本についてたくさん書いている。
大人の文学にしろ児童むけにしろ、文学を心理学の観点で語ると
とたんに色あせてしまうのが一般的。
でもこの先生の視点は少し違う。

人間の心理を深く追求?していくと
文学とオーバーラップしてくるところがある、
というようなことを自著によく書いている。
夢、もそうであるという。

ここに出てくる「トムは真夜中の庭で」(ピアス著)は
大好きな児童書のひとつだ。不思議な作品だけど
長く生きていると、世の中なにもかも明らかで不明な点は無い、
とは言えないことがよくわかるようになる。
逆に子どもにとっては、生まれてからの時間が短いので
世の中不明なことがあるのが当たり前、の世界で生きている。
そんな子どもと大人が、現在ではないときをいっしょに過ごすのだ。
真夜中の庭で。。。

表題の本の中で、河合先生は「あまり、自己を深く追求しては危険」と
いう趣旨のことをやんわりと述べている。
「自分探し」「本当の自分とは?」「自己を見つめなおそう」
そんな見出しの本も数多く出版されているが
あまり深く自己を追求してはいけないような気がする。
自分はどんな人間なのか、よし、とことん考えてみよう、
なんてしないほうがいいと思う。
うっすらと靄がかかっているほうがいいのだ。
靄を掻き分け、突き進んでいって、たどり着いた湖に映った自分の姿は
鬼か蛇か・・・
正気と狂気の境は紙一重・・・あちらの世界とこちらとを
行き来するのは作品のなかで、虚構のなかで味わうだけの方が
よろしいかと・・・。





今年度最後の読み聞かせ

2009年02月24日 14時18分17秒 | ボランティア
まほうつかいのでし
大石 真,柳原 良平
学習研究社

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今回もロング休み時間に図書室で読むパターン。
このときは本読みを聞きたい子だけが来ます。
だいだい1年から3年くらいまでの子ども達です。
始める前に、先生にお願いして「いまから図書室で本読み始まりますよ」
というアナウンスをしてもらいます。
図書室の廊下側におかあさん達の手作りの「おはなしのへや」という
黄色いキルトをかけます。
とてもよく目立つので、本読みがあるかどうか、どの部屋であるのか
よくわかるようになっています。
そんなにあわてなくてもいいのに、みんなどういうわけか走ってきます。
だいたい20人くらいは来てくれます。
子ども達はとてもはっきりしていて、面白くないとつっと立って
本棚に読む本を探しに行ってしまいます。
本が面白いと、目が本に吸い寄せられるようになって
だんだんと本のほうににじり寄ってきます。
次にどうなるのかはやく知りたいのでしょう。

しょちゅう「かんで」しまって、へたくそな私ですが
スリル満点のお話の後に子どもたちが漏らす「ふぅ~っ」というため息が
とても好きです。
大人にはもう味わうことの出来ない時間を彼らは過ごしているのです。

なんてひさびさなんでしょ

2009年02月24日 14時09分36秒 | Weblog
おおーーー!
しばらくぶりで見る自分のブログ
何してたんでしょ、いままで。。。

更新も滞るなか、このページをのぞいて下さった方に感謝です

うちの地方は今日もじとじと雨です
気がつけばもう2月も終わりに近づき、
なんという月日の経つのがはやいこと
浦島太郎の歌にもありますね、「月日の経つのも夢のうち」って。
説話の時代も現代も人の営みの根本はかわらないってことですかね~。

フェミニズムの老後・・・「おひとりさまの老後」を読んで

2009年02月02日 15時45分21秒 | 


大阪にいた頃(もう20年くらい前になる)上野さんは知人の間で爆発的な人気を得ていた。
自分もまた「上野千鶴子」ってすごい!・・・などと分かりもしないのに同調して、
その著書を読み漁っていた。

嵐が過ぎたあとに(私がそう思っているだけだけど)
フェミニスト達の生育歴はどんなだったのだろう?と
ふと思う。
彼らの働きによって?この国の女性解放運動はすすんだのかもしれないが
女性が大学にいけなかった頃と違い
今の女性運動ってどういう意味があるのかと思う。
また、フェミニスト自身の家庭はどうだったのだろう?とか思う。
特にその母親の有りよう、存在は家庭においてどういうものだったのだろう?
もし、その母親が幸せだったなら、、、
もし、その家庭が愛情にあふれたものだったなら、、、
違う方向に進んだのかもしれないなー、なんて。。。
(ア~~、くだらない発想だ)

この本で著者が「ずーっとシングルも、夫をなくしてからのシングルも
何だ、最後は同じじゃないか」と書いている。
ほんとにそうかしらん?ぜんぜん違うと思う。
生活の形態が同じになっただけで、心境は天と地ほど違うでしょうが。
「シングルは寂しくない、シングルは素晴らしい!」と
言えば言うほど、薄っぺらな感じがしていやだ。
同居の害というのもあるから一概には言えないけれど。



天使の梯子ってなんですか?

2009年02月02日 15時40分48秒 | 
天使の梯子 Angel's Ladder (集英社文庫)
村山 由佳
集英社

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ボーっとしている毎日、語彙もますます消滅していく今日この頃。
ひさびさにミステリー以外の本!?を読んだ。
同じ著者の「天使の卵」の続編のようだったが
さきにこっちを読んでしまった。
なかなか面白かった。女流だけど途中からそれを忘れた。
自然の描写がとてもいい。
ラスト、映画の一場面のように美しい。
この本を読んでいる自分の肩にも、桜の花びらが舞い散ってくるような
そんな気がした。

「天使の梯子」・・・ふと空を見上げた瞬間、それに気づくこともある。。。