FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

東京カップ~6月10日~

2007-06-12 23:25:05 | クライミングレッスン報告
今年の東京カップは、FCCに来てくれたことのある子どもたちが5人も出た。もう3年間もFCCに来てくれているあゆみちゃん、ユイちゃん、ビッグロックで登りまくり、アウトドアの時に来てくれているS君、いつもはパンプ1でトレーニングし、先月からアウトドアに来てくれているみぽりん。そして受験生ながらクライミングと両立させている中3のR君。今日は応援に大忙しだ。

アイソレーションではみぽりんが珍しく緊張している。ユイちゃんもまた昨日から緊張のしどうしらしい。2人のプレッシャーはそれぞれの理由がありそうだ。

みぽりんは全部完登、という自分への挑戦状を携えての参加だった。この目標に向けて手順を踏んで頑張ってきた。アイソレーションでも、「この前はルート10本登った。充分に練習したんだからきっと大丈夫。」と言いながらも、そのプレッシャーはさぞ重たかったことだろう。一方ユイちゃんは、まだ自分の実力に不安がある。クライミングが出来る時間はだいぶ取れるようになっては来たけれど、まわりのみんなに比べて少ないことが彼女なりに分かっているのだ。

S君とあゆみちゃんはリラックスムード。楽しく遊びながら出番を待つ。

小学生の予選。トップバッターはユイちゃん。緊張の割には一見落ち着いて見えた。が、悪いホールドが出てきたところで動けなくなり、フォール。ちょっと心が萎縮していたかな?あゆみちゃんは高度をだいぶ上げた。が、みんなが落ちるポイントでだんご集団に飲み込まれてしまった。みぽりんはあれだけ緊張してたのに、登り出したら集中したようだ。迷うことなくムーヴを起こして完登。S君は落ち着いた動きで安定した完登を見せた。

さて、次はR君の予選。彼は今回、エキスパートのカテゴリーでエントリーした。アイソレーションでは塾の宿題をしながら出番を待った。見切りの良いクライミングで完登。決勝へとコマを進める。


さて、決勝。小学生の部は全員決勝が出来ることになった
特にギリギリで切られそうだったあゆみちゃんにとってはチョーラッキーユイちゃんももう一度登るチャンスが訪れた。

決勝の前に一番ケアが必要なのはユイちゃんのようだった。アイソレーションで緊張で青い顔をしため息をついている彼女に、「次も登れて良かったじゃん。」と声をかけると、もうお腹いっぱい、という表情を見せた。私は、今のユイちゃんの気持が痛いほど良く分かる。「今の力はこれだけなんだから仕方ないよ。それより今のこの力を出し切ることを考えな」・・・というようなことを言ったと思う。ユイちゃんは青い顔をしたまま、微かに頷いた(ように見えた)。

オブザベから帰ってきた子どもたちは騒然としていた。「ヤバイよ、悪そう。。。」とみぽりん。「ムーヴがわかんない~」とあゆみちゃん、「登るまでちょ~ヒマ~」とS君。みぽりん、オブザベが終わると同時に緊張の波がどっと押し寄せる。それまではお友だちのミハルちゃんと楽しく遊んでいたのに。。。で、「守りに入らず、ガンガン行こうね。楽しい気持で登ってね。」と声をかける。みぽりんは笑顔で頷いていた。

さて、決勝は本当にみんな良いクライミングを見せてくれた。

ユイちゃんは1本目と心の持ち方ががらりと変わり、今の彼女の全力を出し切るクライミングをしてくれたと思う。心から褒めてあげたい。

あゆみちゃんがこれまた会心のクライミングを見せた。彼女は大会の間じゅう楽しい心持ちをキープ出来ていた。これは大切なことだ。「登っていったら路が見えてきた」とのこと。良かったね~

みぽりんとS君は見事完登小学生ながらスーパーファイナルだ。


登り終わったあと、みんな晴れ晴れした顔をしていた。・・・ユイちゃんを除いて・・・。
ユイちゃんは2本目を登り終わった後、泣きじゃくった。そうだよね、悔しいよね。自分が情けなくて穴があったら入りたい気持。よーく分かるよ。でも、これも勉強。こういう気持を味わうことは、後々どれほど役立つことか。
焦ることはないよ、クライミング人生長いんだから。これからも頑張ってしっかりと実力を上げていこうね。


さて、残るはエキスパートの決勝とキッズのスーパーファイナル。S君は隔離されて長いので少し心配になり、遠くから様子を伺う。・・・と、熱心に勉強していた。そういえば、中間試験中なんだよね

キッズのスーパーファイナルは盛り上がった。子どもたちがみんな精いっぱいのクライミングを見せてくれたからだ。ルートはミドルの決勝ルート。子供たちのレベルの高さを推して知るべし・・・である。

FCCに関連ある子たちは・・・みぽりん、自分への挑戦に見事打ち勝つオール完登これはなかなか出来ることではないS君、残念ながら完登は出来なかったけれど、気合のクライミングで出し切った。攻めるだけ攻めていたこれもまた立派

子どもたちの集中力の高さはやはりすごいなぁ

いよいよエキスパート決勝。他の選手が下部の処理で苦労している。R君は無事に乗り切れるだろうか・・・
私の不安をよそに、彼はどんどん高度を稼いだ。1箇所迷った他はムーヴの読みはかなり的確。他の選手を追い抜いてルーフのトラバースをこなし、最終面まで迫る。
力がついてきたね彼の努力を知っているだけに嬉しさもひとしおだ。


結果はいきなりの2位。ちょっと出来すぎかな・・・?
ま、頑張ったご褒美だね

登り終えた子どもたちは遊ぶのに夢中
その無邪気さを忘れずにね。

大会に参加する子どもたちには、勝敗にはあまりこだわらないでもらいたい、というのが私の願いだ。大会への目標はあくまで自分の中へ求めるべき。大会は貴重な「自己表現」の場なのである。子どもたちは自分でムーヴを考え、様々な心理的要因と戦い、最善を尽くす。そしてその結果を引き受け、自己分析し、自分がどこまで出来るかという自己実現に向けて努力して行く。この連鎖を繰り返すことによってはじめて「やった!」という、勝敗以外の充実感と自己有能感が得られるのだと思う。

そして、周りの大人たちは、この子どもたちの成長を妨げることなく伸ばしていってあげてほしい。これは、大人の責任である。

大会が終わって、みんなで壁の前で写真撮影
帰ってこのブログにアップしようとしたら、ナントそのときの写真がない
どうしたんだろう・・・。みんな、ごめんよ~




レッスン日記@ビッグロック~6月9日~みゆちゃん&たっくん

2007-06-12 12:12:38 | クライミングレッスン報告
久しぶりにみゆちゃんとたっくんの姉弟がレッスンにやって来た。

姉のみゆちゃんは地道な努力を続けられるがんばり屋さん。先日のノースフェースカップでも、ただひとり自分のできない課題と向き合っていた子だ。一方、弟のたっくんは始めは「出来ない」を連発しながらも、持ち前の負けん気の強さで登り切ってしまう、芯の強い子。

今日は最初からルーフ。ルーフの中で、ガバひとつを持ち替えながら足を一周させる課題。スクールの子は「時計まわり」と呼んでいる。
2人とも最初は足をルーフ内に突っ張ることも出来なかったのに、だんだん足捌きがサマになり、半周は出来るようになった
手が真っ赤になるまで飽きることなくチャレンジした。

後半のルートではママもビレイヤーとして参加
もう子供たちのビレイは大丈夫でしょう
みゆちゃんは今までテンションが怖くてなかなかロープに体重をかけられなかったけれど、今日は一生懸命練習してテンションが出来るようになった。ついでにトップまで登りきることも出来て、二重に嬉しいね
たっくんもまだ幼稚園なのに見事にトップまで登りきった

2人とも、クライミングを満喫してくれたようですね