今朝も妻、千恵子選手のリハビリのための番号札を取りにいくという
恒例のルーティーンを兼ねて町内の一部を軽く自転車走行・・・
気持ちよく晴れた真っ青な空にたくさんの雲が浮いている。
これぞまさしく『ひつじ雲』・・・と思いながらペダルを漕ぐ力を落とし
更にゆっくりと進む・・・小学生のいくつかの登校班とすれ違う度に
『おはよう、行ってらっしゃ~い』と声をかけ、そして公園の鉄柵の側で
自転車を停め、あらためて空を眺めた。
空の羊たちの集団は少し離れたりもみ合うように重なったり・・・
肥満気味の羊もスリムな羊も楽しそうに見えるくらいくっついたり
離れたり・・・体形は少しずつ変るが羊たちはゆっくりと移動していた。
私はその中にいつの間にかあのペーター(アルプスの少女ハイジに
登場する羊飼いの少年)とヨーゼフ(セントバーナード犬)を探していた。
大きい羊の一頭を無理矢理にでもヨーゼフにすることはできたが
羊たちの中にペーターは見つからない。
雲を見るのが好きで趣味の一つとも言える私には今朝の羊たちが
次々とハイジやその周りの人たちのことを思い出させてくれたのだ。
『アルプスの少女ハイジ』は私たちが企業戦士と言われた時代に
子供たちとふれあう数少ない時間の一つだったと思う。
もともとアニメは見なかった私だがこのアニメだけはいろんな思いを
込めて見たので登場人物の一人一人もよく覚えている。
『アルムおんじ』にも憧れた。
人は私のことをよく『奇人、変人、暇人』と呼ぶ。
確かに私は「変人」であるかも知れないが「ひねくれ者」や「偏屈もの」
ではないつもりだ。
アルムおんじも表面は変わり者かもしれないが魅力もたくさんあり
それが憧れに繋がるのかも知れない。
私はアルムおんじがハイジやクララにやったように娘を片手でひょいと
抱き上げ、天井に向かって上げ下ろしすることを当時娘も喜んだので
後に孫にも時々そうすると孫はもっともっと・・・とせがんだことも
思い出した。
その孫娘はもう22歳である。
私は行田市の「前谷」という交差点を通る度に何故か『ロッテンマイヤー』という言葉が口をついて出るのだ。
この交差点は「まいや」ではなく「まえや」なのだが必ず大きな声で
『ロッテンマイヤー』と叫ぶので同乗者は『何ごと?』といぶかしげに
私を見るのだ。
妻千恵子選手は毎回のことで驚きもしないが息子家族などは
『じじ、どうしたの?』と・・・
私は『何でも無いよ・・』といいながら一人ほくそ笑む。
厳しい教育係のようで嫌われ者扱いだった『ロッテンマイヤー』も
現代のお母さんたちには憧れの人のような感覚で共感を呼んでいると
いうことを聞いたことがある。
ほんの数分間、こうして雲と思い出を結びつけて今朝も雲を
楽しむことができた。
明日は羊を誘導するペーターが現れるかも知れない。