新潟大和(デパート)の美術サロンで、県展賞受賞者展が開催されている。今年の新潟県の県展賞受賞者が受賞作品に加え、ほかに数点出品している。写真を含む日本画、洋画、版画などの7部門の作品が展示されている。写真部門は、「冬麗」という題の雪原と樹木をとらえた作品だ。デジタルで撮影し、独特の質感を出したプリントは、水彩画か版画のような印象で、ちょっと写真とは思えないが、とても美しい。県展に行くといつも、写真だけが他の部門と異質な感じがするが、この作品は、そういう感じがしない。この作品を完成させ、県展に応募した渡辺氏のセンスとチャレンジ精神には感心する。ほかに展示された作品も雪原に樹木といった同じ被写体を写したものだが、ポジで撮った普通のプリントに見えた。できれば、県展賞と同じお手法でプリントした他の作品が見たかった。
写真コンテストで、画像処理や合成した作品を受け付けないことが多いが、今回のような写真を観ると写真の可能性というか奥深さを、あらためて感じれることから、画像処理を否定するのはどんなものだろうか?