俺はおまえらを今に置いておきたいんだ。
過去の悲しい事やあるいはハッピーな事も
忘れて欲しいし
未来の不安も考えないでほしい。
今、この瞬間だけにいてほしいんだ。
さっきやった曲なんかも忘れて
今だけを楽しんでいってくれ。
うる覚えだけれど
そんな言葉を3曲やった後に細美くんが話してくれた。
2012. 2.29(日)晴のちくもり
南港のZepp OSAKAでの2日目
そして、彼らがこの場所でライブをする最後の日。
実はZepp OSAKAはもうすぐ移転するんだ。
なんばに。で、Zepp NAMBAになる。
だからもうZepp OSAKAという名前のライブハウスは
永遠になくなってしまうんだ。
なんて残念で寂しいのだろう。
このライブハウスでどれだけたくさんのライブを見て
思い出が詰まっていたことか。
ほとんどは洋楽だったけれど
日本のアーティストも何組か見た場所。
その思い出深いライブハウスでラストに見るバンドが
the HIATUSというのは私にとっては
Zepp OSAKAのトリ中のトリとして最高な気がした。
(まだ4月ぐらいまでは移転しないけれどね。)
ZeppっていうのはZeppelin号から来てたんだね。
あのレッドツェッペリンの名の由来でもあるでかい飛行船。
今ごろわかったんだけれど
ずっと昔、まだ細美くんがエルレだった時代に
滋賀県のハックルベリーっていう小さなハコを
「ミニゼップだ!」って言ったのはそういうことから
だったんだって。今日わかったよ。
そのハックルベリーって外観的にそういう感じなんだ。
そういえば細美くんをZepp OSAKAで見るのって
初めてだ。
今回のチケットは先行ではことごとく
いつものごとく抽選で外れまくって
最後の一般発売の日に
ずっと繋がらなくて、
繋がって、途中までいけて
最後のボタンのところで
エラーが出て、また繋がらなくなって
のくりかえしで、
うそのような本当の話だけれど
「あ、私ってthe HIATUSに嫌われているの?」って
ひとりごとを言った時に突然ページが開いたんだ。
で、まだ△で、そこからは慎重に進めて
最後にenterを押したら、チケットゲットできたんだ。
奇跡だと思った。
その後はまた繋がらなくなって次見たらソールドアウトだった。
だからチケットのナンバーはほとんど最後の方だ。
でも、しっかり彼らの表情も見れる場所でライブを
楽しめた。ほんと最高のポジションで。
えっと、何から話したらいいんだろう。
あまりにも素晴しい夜過ぎて
それこそなんだかわかんないけれど
叫びたい感じ。
そういえば細美くんも何度も
「ウォ~」とか叫び声をあげて
「楽しい!」と言ってくれたよね。
そう、言葉になることさえままならぬ
感情が吹き出てとまんないライブだった。
セットリストはまだツアー中だから
書けないけれど、数曲だけ書かせてくださいね。
今回もRADIO CRAZYの時と同様に細美くんが
アコギを弾く曲から始まった。
でも、同じ曲でもあの時はその中で心に響くと思ったけれど
やっぱりライブを前提に作られた音響設備のある
ゼップはインテックスの数倍も素晴しかった。
今になって思うけれどエルレの時って
彼がアコギ弾いてるのって見たことなかった。
(まあ、私が見たライブではね。)
もともと弾けたんだと思うけれど
それにしてもthe HIATUSの初期に比べて
どんどんアコギが彼に同化していくのを
感じる。そこに彼の音っていうのが
感じられて、それがものすごくあったかくて
そういう音はもしかしたら、東北での
無料ライブとかで彼が弾きがたりをした時に
集まった魂や思いを彼の思いといっしょに
どんどん吸い込ませてきているのかもしれないね。
ほんと寒い雪の降る夜でもこのギターの音色と
彼の歌があれば、まるで暖炉にあたっているような
ぬくもりを感じられる気がする。
少なくても私は。
あと、シンセももうふつうに使って、
その鍵盤を叩いているシルエットが
なんか胸を打つというか、細美武士がそこにいるんだと
今ここにいるんだと思っちゃうんだ。
ライティングも今回すごいな~って何度感動したことか。
ステージがそれこそメンバーが影絵っぽくなったり
立体的になったり、なんて表現していいのか
わかんないけれど、アートだ!ってびっくりした。
後ろの幕も素晴しいもので、アルバムジャケットの
その拡大版というか少しは違うんだろうけれど
まるで大理石に絵が描かれた壁のように見えたりして、
イタリアのどこかの近代美術館にでもいる感覚になった。
それはライティングの効果もあるだろうし、
描き方にも秘密があるのだろう。
とにかく一番感動したのが
「Twisted Maple Trees」の時だ。
ステージの演奏も今までのこの曲の中で
最高のアレンジだったし、後ろの映像も
ライティングも観客もすべてにおいて
総合芸術ってこういうのを言うんだなって
思った。
感動で震えるってこういうのを言うんだって
ほんとに感じたよ。
この曲はthe HIATUSになっていろんなフェスとか
ライブとかでも聴かない時はなかった。
いつも必ずやってくれる曲。
この曲に対する細美くんの思い入れっていうのが
すごく感じられる。
♪You can not forgive me
というフレーズに彼のかつてのバンドのファンに
対して「忘れちゃいけない」っていう何かが
あるんじゃないかっていつも思うんだ。
もちろん、私の勝手な解釈で
ご本人はそんなことこれっぽっちも思って
唄ってないぜって言われるかもしれない。
でも、この曲はELLEGARDENとthe HIATUSを
繋ぐ歌なのかな~って思ってしまうんだ。
絡み合って、離れようにも離れられない2本の木。
楓の花言葉は「大切な思い出」
そして、メイプルはギブソン・レスポールにも
使われている木材。これが何を意味するのか。
なんかすごく深い意味があるように感じる。
ウブさんが使っていたのはGibson ES-335
そして、細美くんが使ってたのはレスポール
両方メイプルが使われているんだよね。
なんか私のセンチメンタリズムから来てるものだから
あくまで想像の世界だからね。
でも、一方でこの曲はmasasucksの色も結構出てて
そっち側から聴くのも私は好きなんだ。
で、今回もだけれど、この曲のラストにマサが
仰々しくお辞儀をするんだけれど、
そこがまた大好きなんだ。
まるで素晴しいクラシックコンサートを終えた
指揮者のように彼がお辞儀するところ。
このシーンというか
この演奏と歌のすべてを一生心に留めたいって
思った。真底。
外国ならブラボーって言うんだろうけれど
日本だとそれに当てはまる言葉ってないんだよね。
最高!ぐらいで留まっちゃうかんじで。
そんなんじゃなくて
もっとすごい感じ。
生きててよかったって感じ。
ホリエさんもフェスと違ってあんなに激しく動くんだって思ったし
タカシくんも相変わらず痺れるドラムをやってくれたし
コウジさんの抱きしめるベースの姿も見れたんだけれど
このメンバーすべてがまるでひとつの芸術作品の
重要なパーツのようにどしんと重みをもってそこに存在して
ひとりでも欠けては成り立たないってことを
思い知らせてくれたよ。
そしてこの5人の立つステージは、モーツアルトのオペレッタのように
時として下側から写し出す光に浮き上がって見えて、怪しげな色合いが
「ここはどこ?」って思える異空間を作り出した。
私の人生の中で
マイケル・ジャクソンや
クイーンが海外のアーティストとして
やっぱり神がかかってて
音楽史にバッハやベートーベンクラスで
残るって思っているように
この日のthe HIATUSを見て
彼らもそれに匹敵するなって思った。
世界中をひっくるめてそういうクラスに
入れるって。
いわば、彼らはモーツアルト級だ。
このライブのチケット代いくらだと思う?
2500円だよ!
こんなに最高峰に近いライブなのにさ。
日本の他のメジャーバンドやアーティストで
6000円とかあるけど、
正直、そんなバンドよりも豪華で素晴しい
音楽がそこにあったよ。
この日の細美くんはずっと笑ってて
それは微笑んでっていうのじゃなくて
「ほんとおかしい。」っていう笑い方を
していた。
俺今日はしゃべりだめだな。ってそんな事いいつつ
笑っていた。
ある意味小さな子どもがなんかハイになって
笑いが止まらないあの雰囲気に似てた。
なんか楽しくて頭ん中真っ白なんだ。
変な不法薬物なんて俺の体にはいっさい入ってないからな!
でも、なにがなんだかわかんないほど楽しいんだ。
って言ってたよ。
そんな流れから、ラストの曲の前に
今年は俺はいっぱい人を笑わせに行く。
だから、俺がお前らに言いたいのはひとつだけ。
「笑える時は心の底から笑え!」
私もふと自分を振り返った。
笑うことはある。微笑むこともある。
でも、心の底からお腹をかかえて笑うことって
そうないような気がした。
私も思った。
今年は心の底から、
お腹がねじれるほど
涙ながして
たくさん笑ってやろう!って
そして、アンコールの時。
マイクが新しくなったんだ。
っていいながら、自分用のマイクと他のマイクの
音の違いをちょっと聴かせてくれた。
そして笑いながら「新しい翼を手に入れたみたいな。」
って言う、その表現が彼らしいなって。
彼はthe HIATUSになってから、もちろんギターも
弾くけれど、時々ボーカリストに徹することがある。
まるでパントマイムをするかのように
手を動かし、空中をつかむような
そんな仕草をしながら歌う。
彼が自分の歌を体で表現している。
それを見るのがとても好きになってきてしまった。
全身で歌っている彼は輝いている。
そこに新しい性能の高いマイクがやってきて
それはさらに彼にパワーを与えるに違いない。
って、実際この日のライブはそうだった。
さらに、彼はこんな事を言った。
夢について話します。
って俺個人の夢なんて自分で頑張って叶えればいいだけで
この国に対してのです。
俺らは小さい頃からあーしろこーしろとか、
欲しい物もほしくないと言えとかいわれてきたじゃん。
ライブでも誰かが言わないとイェーイとかできなくて
本当は自分の中ではイェーイとかやってたりするじゃん。
誰かの合図とかじゃなくて、自分で自由にしたい時に
できる国にしたいです。
だから、俺はこれからもまともにならないことにしました。
まさに細美くんらしい言葉。
その流れで、なぜかその前の日にテレビで見たという
美輪さんの話が出て来て、
美輪さんってかっこいいよねって笑顔で話してた。
まさにある意味「まともにならなかった大人の見本」が美輪さんなのかも
しれない。でも彼にはポリシーや温かい心やシビアな人生観がある。
私も美輪さんはすごい人だと思ってる。
最後に天井を見上げながら
Zepp Osaka ありがとう!って言った言葉には
今まで幾千もの音の輪を繋げて行ったこの
ライブ会場Zepp Osakaに、その建物自体に
言った感謝の言葉だと感じた。
私も心で「ありがとう!」って言った。
ASH, NIN, グッドシャーロット,サリュ,
abstract mash, NiCO Touches the Wallsなど
いろいろな素晴しい音楽を聴かせてくれて
夢を見させてもらった場所。
長々と書いてしまったけれど
2011年のラストはthe HIATUSのライブで
そして、2012年の最初のライブはthe HIATUSで
始まれて本当に幸せです。
そして、改めて思ったけれど
the HIATUSのファンっていうのは本当に
the HIATUSを愛してるんだなって。
とりわけ、男子ファンたちのうれしそうな
幸せそうな顔、私が行く他のライブでは
あまり見れない顔なので
それを見ているだけで幸せになれるよ。
もう、かっこつけるのなんてどこか
いっちゃって「俺好きなんだ~!」って
全身で表現してるの。
みんなが目をキラキラして開演前に
語り合ってるの。
ほんと細美くんが大好きなんだ。
もちろん女子ファンもね。
大好きがあんなに集結すると
そりゃあ幸せはピークになるよ。
正直、ELLEGARDENはまたいつか
始まるとは思うけれど、それは
the HIATUSやNCISのアナザーバンドとしてであって
メインにはもうなれないだろうなって
この日思った。
このレベルに達してしまった今、
このthe HIATUSのメンバーの
それぞれの凄さを知ってしまった今
そこからエルレへの全面回帰はないように
思った。
ただ、細美くんは絶対に忘れてない。
いつか必ずELLEGARDENのライブは
やってくるって思っているし、
今、彼がソロでいろいろ活動しているのも
ある意味、ホリエ君みたいにストレイテナーと
entをうまくやってきているように
彼もそういう方法を掴もうとしている気もするんだ。
そこにエルレの復活の日も見えるような気がする。
なんてすべて私の憶測に過ぎないので
鵜呑みにしないでくださいね。
あくまで個人の妄想ですからね。
それではあまりレポになってない
レポを読んで下さった皆様
ありがとうございました☆