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黒地の袋帯②

▲ コプト文(錦工芸)

通好みの帯を製作している錦工芸の逸品です。

主に唐織の技法を用いるこの機屋の帯は、軽さと締め心地の良さが評判です。

緯糸には甘撚りの糸を束ねて太くした絵緯(えぬき)と呼ばれる糸を使用して

いるため、量感と光沢のある柄を表現することができます。

また、錦工芸では柄として表に出ない裏側の絵緯を丁寧にカットしているため

帯全体の重量がかなり軽減されています。

手に持った時にとても軽く感じるのはこの処理が施されているからです。

▲ 葡萄唐草文(大文字屋庄兵衛)

西陣でも有数の老舗大庄は、江戸時代の寛永年間に初代西村藤兵衛が大文字山

ゆかりの地で創業したことから「大文字屋庄兵衛」を名乗るようになりました。

当代で10代目となる大庄では、すくい織りの技法を用いた手織の高級品を

得意としています。織機による製品も量産体制をとっていないため一部の老舗

問屋でのみ取り扱われています。

正倉院文様である葡萄唐草文を黒糸を上手く使って渋みのある落ち着いた

雰囲気に仕上げました。

礼装から茶席のきものに合わせていただける通好みの帯です。

▲ 小花繫ぎ文(織よし)

黒地に白一色で柄を織り出した都会的なモノトーンコーデにふさわしい帯です。

色無地や無地の御召や紬などスッキリとした着こなしが似合います。

▲ 正倉院鳥蝶文(織悦)

老舗織悦の全通袋帯です。黒地ではありませんが珍しい紺色地が新鮮です。

渋めにまとめた色糸がかえって帯の個性を際立たせるこれも通好みの逸品。

付下げや訪問着と合わせても主張しすぎずきものの色柄を生かす帯です。

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