寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

男の手料理(といえるかな?) (1)

2011年05月21日 21時47分49秒 | 日記・エッセイ・コラム

 筆者は、料理と言うほどのものではないが、何か食べるものを作るのを趣味の一つとしている。とくと自分で得意分野と思っているのは、飛び魚とかイワシ、サンマ、アジなどのいわゆる青魚とか光り物とか呼ばれる魚を焼くことである。それと母親譲りの肉じゃがや天ぷらをあげることも得意料理といえるだろう。筆者の母親は江戸時代馬乗り武士のお姫様であったという。その人が明治維新でただの女性になってしまい、嫁入り前には料理の勉強をさせられたという。
 料理にはいろいろな諺がある。例えば餅は貧乏人の子に焼かせろとか、魚は金持ちの子に焼かせろと言うようにである。これにはなるほどという意味が含まれている。(今の世の中で、こんなことを言うと差別だとかなんだかんだと言われてしまうが、昔の人たちは子供に教えるときに卑近な例を使って教えたのである)。お金持ちの子は食べ物など無頓着なので魚がもう焼けたかどうかなど気にしない。しばらくしてみると皮が適当に焼けて網につかずにひっくり返せると言うことを言っているのだ。逆に餅の場合は、貧乏人の子はすぐにも食べたいのでもう焼けたかな、もう焼けたかなといってひっくり返す。それで、餅は焼けこげを作らずにこんがり焼けると言うことである。
 さて、筆者は、愛媛県の農家から季節ごとの柑橘類を購入している。5月のこの時期は文旦から晩柑へ移る時期である。この両者の甘みは、とてもスッキリしており、上品な味わいを楽しめる。ミカン、オレンジ系の甘みは少しきつい感じがするのと対照的である。愛媛の農家の方の話によると文旦などの甘み成分は果糖が中心であり、ミカン系はしょ糖が中心であることによるという。
 さて文旦は3Lサイズのものを購入すると、全体の大きさは、約15cmほどの扁平球になる。質量は5kgで8個位なので、1個ではほぼ600gである。しかしこの果物の特徴の一つは皮の厚さにある。厚いものでは、10~13mmほどもある。従って実の部分の大きさは12~13cmになってしまう。文旦の特徴は、新鮮なものより、少し皮が傷んで見えるようになると美味しさが増すとぴうことである。悲しいことに、その状態になるまで残っていることは少ない。時期の最中におおよそ20kgほどの文旦を妻と二人で食べてしまう。文旦の食べ過ぎで太ると言うことはなく、考えようによってはダイエット食品ということもできる。今、思いだしたのだが、若い頃に九州を旅行したときの思い出として、直径30cm位もある文旦を見てあまりおいしそうに感じなかった。ただし、文旦キャラメルというのはよく食べた。                 
  農家からのお知らせの紙に、文旦の皮を使ってママレードを作ってみませんかと書いてあったので、早速作ってみた。文旦の皮2個分に対してその質量の1.5倍くらいの砂糖を用意するとあった。皮の質量をはかったところ500g位あった。そうすると、砂糖は750gくらい用意することになる。これは少し多いと思って皮300g、砂糖400gで作ってみることにした。
 皮はよく流水で洗い、なますを作る要領で細削りにした。かなり柔らかくなるまで湯がいた。そして、3時間おきに3回ほど水を換えながら苦みを除き、弱火で煮込み始めた。皮がとろとろになったところで砂糖を入れ約1時間ほど豆火で煮つめて、火を止め。放冷後、適当な器に入れて冷蔵庫で冷やした。翌日、試食したところ、これがほんのりと苦みが残り、とても美味くできあがっていた。この量で1月くらいは楽しめそうである。料理というものは、おこがましいいいようではあるが、やってみるとそれなりにできることがわかる。娘に一瓶提供したら瞬く間になくなってしまったといってきた。
 今日知人に聞いたところ、砂糖はもっと少なくしても結構美味しいということだった.また砂糖は何回かに分けて入れると硬くならないということであった。後2個残っている文旦で再挑戦をしてみようと思う。