寓居人の独言

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うかつにも 活断層調査で 信揺らぎ

2013年03月29日 17時54分44秒 | 日記・エッセイ・コラム

 立川断層帯の調査を行っていたT大学教授のうかつさには驚いてしまった。断層調査前に地質調査をしていなかったらしいことは、専門家として知られる教授の素人っぽさに呆れてしまった。土木的な知識が無く、想像力を働かせることができなかったとはどういうことか。これは想像力の問題ではなく、調査の基本的なことを怠ったとしかいいようがない。調査する場所が造成地であるかどうかぐらいは調べたと思うのだが、それもしていなかったのだろうか。敷地をどうやって整地したかを調べればすぐに分かることであろうに。土木的知識が無いという前に調査の基本を勉強し直して欲しいと思う。若い研究者の方ならこの失敗を糧にして将来へ進んで欲しいといえるのだが・・・・・
 このようなことが報道されてしまうと、学問に対する信頼性が薄れることになってしまう。残念なことである。信頼を取り戻すのは大変な努力と時間が必要である。
 過去に少し異質ではあるが、偏見ある知識によって重大な間違いを犯した学者がいた。例えば、ヨハン・ベリンガー(1670?ー1740)の”偽化石事件”というのがあった。これは2人の同僚による悪意ある悪戯に騙されたという事件である。星、月、太陽や文字を刻んだ化石まで出てきた。これらの化石を人々の信仰心を試すための“神の気まぐれないたずら”と解釈してしまった。そして、これらは大発見ということで、これらを図版にした書籍を出版した。この事件の結末は、成書を読んでいただきたい。
 もう一つ、”ピルトダウン人事件”というものあった。これも偽化石捏造に関わる事件である。
 日本でも、アマチュア考古学研究者による、”遠く離れた2カ所の遺跡からの出土品についての捏造事件”があった事を思い出す。幸いこの事件は専門家によって疑問が投げかけられまもなく行われた検証の結果、捏造事件であることが実証された。
 研究は、客観的な事実を積み重ね、得られた結果について検討に検討を重ねて得た新しい事実をさらに積み重ねていくことによって、新しい事実が認識される。それが普遍的になることによって、学問が進歩するのである。くれぐれも基本を忠実に守り、客観的な判断をして欲しい。

 

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