寓居人の独言

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恩師奥山典生元教授が亡くなったという報せをもらいました

2015年07月07日 22時48分39秒 | 日記・エッセイ・コラム

 恩師の奥山典生教授が亡くなったとという報せを先生の研

究室出身の卒業生が知らせてくれました。

 奧山先生にはいろいろな想い出があります。先生は太って

いましたが敏捷な動きをする方でした。そして学問的にも優

れた業績を残されました。

 私が学生の頃生化学の教授は佐竹教授でしたがそこの助

教授をしていたのが奧山先生でした。講義を聴いたことはな

いのですが練習実験では大変お世話になりました。

 これから思い出話を少し書こうと思います。

 奧山先生は何事に対しても真摯な気持ちをもって対応され

る方でした。先生が教授になったとき助教授の選考をするこ

とになり人事委員会が発足しました。その中に私も加えて頂

くことになり先生と真剣な話し合いをすることになりました。

 先生はご自分の研究室出身のS氏を迎えたいと考えてい

たようでした。しかしS氏の評判は芳しいとは言えないところ

があり、同じ研究室では運営に差し障りが出るのは目に見

えているということで反対意見が出ました。しかしS氏も熱心

な研究者で考え事をしながら歩いていて階段から転げ落ち

るといった逸話もある方でした。

 私は学生時代にワンダーフォーゲル部で一緒に山へ行く

機会があり、数回同行したことがありました。そのときの様

子では協調性がなく自分勝手に行動して仲間に迷惑をか

けることが頻繁にありました。そのことを知っている他の委

員もその点を心配していたのです。

 奧山先生は、私と2人でS氏のことを話し合いたいと行っ

てこられました。私は奧山先生の性格をいろいろ伝え聞い

たことから少しは理解していましたので同意しかねていま

したら、君が何をいっても絶対に怒らないから知っているこ

とを話してほしいというので承諾し話し合いをしました。大

学近くの小さな喫茶店で話し合いをしました。途中で先生

の顔色がサーッと青くなり拳が震えてきました。私は”しま

った言い過ぎた”と思ったのですが後の祭りだと覚悟をしま

した。

 先生は君の話はわかった。しかし彼は当研究室にとって

は必要な人材であるからぜひ採用したいとの強い意向をし

めされました。

 結局S氏が採用されましたが、すぐに奧山先生と激しい議

論?になることがしばしばあるという話が伝わってきました。

 奧山先生は、私に液体クロマトクラフィー研究会で発表す

る機会を与えて下さったり、私が宇宙関係の研究をするよう

になったときにいろいろ相談に乗って下さったりと大変お世

話になりました。感謝の気持ちでいっぱいです。

 奧山先生のお宅へお邪魔したとき、壁一面に白樺林の壁

紙が貼ってあり驚いたこともありました。

 奧山先生の訃報を1ヶ月も過ぎてから知ることになったの

でご家族にお悔やみを申し上げる機会がありませんでした。

 文末になりましたが、

 恩師奧山典生先生のご冥福をお祈りします。


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