寓居人の独言

身の回りのことや日々の出来事の感想そして楽しかった思い出話

希有壮大

2012年04月10日 11時11分00秒 | 日記・エッセイ・コラム

 私の友人の一人のA氏の話である。
  A氏の友人B氏は、ある団体に所属して70代半ばを過ぎて体調のよいときや時間の許すときには活動に参加している。
  B氏は、もともと教育関係の仕事をしていて、話し好きであった。幅広い知識を持っており、誰とでも分け隔てなく話しの花を咲かせるという。話し相手が乗ってくれば、聞き手に回るような聞き上手でもある。
 しかし、中には心の狭い人がいるもので、そんなB氏に反感を持つ人(例えば、C氏とする)がいるという。C氏は、初め軽口を叩いているが、だんだんエスカレートしてB氏を蔑ますような発言をするようになった。B氏は、初め洒落でそれをかわしていたが、C氏はその洒落を理解できず、さらにB氏の人格に及ぶようなことまでいうようになった。
 さすがのB氏も大人げないと思いながらも、強烈な反撃をした。C氏は、その後B氏を無視するようになった。しかし、B氏は教育関係の仕事をしていたので、そんなC氏に対していつもと変わりない挨拶をしたりするが、横を向いてしまうという。そしてC氏は、B氏の悪口を言いふらしているという。中には、C氏に付和雷同する人もいるという。困ったものである。
 A氏の話によると、C氏は、B氏に対して深い劣等感を持ってしまい、それを対抗心にしてしまい、その愚かさに気がついたのだろうということであった。
 これも一概に言えることではないかもしれないが、劣等感というのは、ある場合には他人を攻撃することで自分のことを隠そうとするのかもしれない。そのような人は、自己顕示欲も強いことがあるようで、自分の優位性をいろんな機会を利用してひけらかすことがあるという。 
 さて、最近の報道によると、元首相が核開発問題で世界の批判の対象になっている国へ出かけていき、核開発は平和のためには必要なことであるという立場を肯定するような態度をとったらしい。困ったものである。この方は、お坊ちゃん育ちでお人好しといわれているようであるが、本当は劣等感に苛まれているのかもしれない。いろんなことをやっても自分の思ったとおりの評価をうけられなかった、と感じているのかもしれない。それで、また何かをやってしまう。それは焦燥感の表れであろうと思う。
 スローライフなどという言葉を使う気はないが、たまには自分を見つめ直す時間をもつことが必要なのかもしれない。
 そういえば、筆者は仕事で鹿児島の島々、沖縄の島々、そして小笠原諸島などを巡り歩いたことがある。そんなとき夜には浜辺へ行って砂上に寝転び、星を眺めるのが常であった。そうすると、自分の小ささをいやというほど思い知らされる。
 宇宙のあるいは自然の大きさに比べようもないが、希有壮大な気持ちだけは忘れないようにしたいものだと思う。


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