年配の女性を選んだ。
「こちらへ~」
飾り立てたスペースの奥に、気難しい顔をした女性が座っていた。
「どうぞ、掛けて」
私と目が合うと、なんとなく不機嫌そうにつぶやいた。
促されるまま、その年配の女性の真向かいの座席に座った。
「クリスタルです」(正確には、クリスタルさんではありませんが、こんな感じのカタカナのオシャレな名前でした)
店先の写真と違って、真紫のベールを頭に被り、全レースで肌が透けるピンクのドレスを着ていた。店先の写真はピンクのスーツなのに…、かなりインパクトある。
まぁ、私は、出で立ちはそんなにこだわりません。
「こちらに名前と生年月日を書いて」
「はい」
そしてクリスタルさんは目を閉じた。
「何を知りたいの?」