募集がはじまった。
希望者がなかなか来ない。
まぁ、そうだよね。
そうそういないよね。
…なんて、お店の子と話をしていた。
「あの…。」
「はい」
…若い女性が現れた。
「募集を見て…」
「あ、はい。少しお待ちください」
お店の女の子が社長を呼びに行った。
「どうぞ、お掛けになってお待ちください」
若い女性は、落ち着かずキョロキョロしている。
「ようこそ!」
社長がラスボス的な雰囲気を漂わせ現れた。
「では、奥へ」
若い女性は、さらにキョロキョロオドオド…かなり挙動不審な雰囲気だ。
「あなたは、いつもそんな風にオドオドしてるの?」
社長は直球を投げた。
「あ、いいえ、そういうワケでは…」
「そういうワケではない…のでしたら、本当の理由を聞かせて貰えますか?」
「あの…本当の理由があるワケでも…」
「それじゃ、オドオドしちゃう性格なのね」
社長は笑いながら少しジョークを交えてのやり取りだったが、シビアだ。
「お疲れさまです。後程連絡させていただきます」
女性が帰ると社長は深いため息をついた。
「会話を語尾まできちんと話せないなんて、ダメね。あれじゃ、相談者が不安になる」
…最もだ。