未然 36

2022-04-16 10:57:57 | 日記
真央さんが彼の浮気(?)を知っていた。

とりあえず、第三者の私には何も出来ない。

彼女の判断に任せるしかない。

その日は、重苦しい空気のまま、真央さんは帰って行った。



二日後、沙友理さんが来た。

「彼に話したんです。もっとちゃんと帰って来て欲しいって。そしたら、『心配かけてごめんね。そうするよ。』って言ってくれました。」

沙友理さんの方は、順調(?)のようだ。

「それじゃ、彼、実家に帰らずに、毎日沙友理さんのところに帰るって?」

「毎日は難しいみたい…。お母さんのこと心配しているみたいだし…」

「思いきって、お母さんに会わせてもらったら?」

「え?」

「ご挨拶とお見舞いも兼ねて…」

ちょっと意地悪な提案をしてしまった。

「…そうですね。お母さんに会ういい機会かも知れませんね。お見舞いもしたいし…」

沙友理さんは、私の提案を"良い提案"と受け止めたようだ。

この提案は、優太さんにとっては、かなり困るはず…。

きっと、お母さんの体調が悪いのも、本当ではないんじゃないか…と思う。

どう回避するんだろう…。