真央さんが彼の浮気(?)を知っていた。
とりあえず、第三者の私には何も出来ない。
彼女の判断に任せるしかない。
その日は、重苦しい空気のまま、真央さんは帰って行った。
二日後、沙友理さんが来た。
「彼に話したんです。もっとちゃんと帰って来て欲しいって。そしたら、『心配かけてごめんね。そうするよ。』って言ってくれました。」
沙友理さんの方は、順調(?)のようだ。
「それじゃ、彼、実家に帰らずに、毎日沙友理さんのところに帰るって?」
「毎日は難しいみたい…。お母さんのこと心配しているみたいだし…」
「思いきって、お母さんに会わせてもらったら?」
「え?」
「ご挨拶とお見舞いも兼ねて…」
ちょっと意地悪な提案をしてしまった。
「…そうですね。お母さんに会ういい機会かも知れませんね。お見舞いもしたいし…」
沙友理さんは、私の提案を"良い提案"と受け止めたようだ。
この提案は、優太さんにとっては、かなり困るはず…。
きっと、お母さんの体調が悪いのも、本当ではないんじゃないか…と思う。
どう回避するんだろう…。