「ホント、賢いですよね!」
柴犬の話しで盛り上がった。
…この人だったら、会話も続くし…、いいなぁ…。
「ところで、田辺さん、何歳?」
「25です。」
「若いんですね私は、30代前半なの」
田辺くんは、私の年齢を気にしているかも知れない。だけど、聞けないだろうから、あえて自分から振ってみた。
「年齢なんて関係ないですよ」
私の年齢を察して言ってくれたのかも知れないが、こんな余計な気を使わせるのも嫌な気分になった。
「合コンに参加したっていうことは、彼女いないの?」
「うん、ずっといない。」
「…そうなんだ…。私もずっとお一人様」
「ひとりの方が気が楽だよね」
「…そうね」
また、気をつかわせた気がする。
とりあえず今日は、楽しく柴犬の話しが出来たから、いい日としてカウントしておこう。
年齢の話しをしたとたん、変な空気になった。
こんな時は、自分から上手いこと退散しよう。
さりげなくトイレに立つと、『酔って気分が悪くなかったから、先に帰るね』と、幹事の後輩にLINEを送って、そっと店を出た。
自分としては、まぁまぁの敢闘賞!と、笑みを浮かべながら、帰宅を急いだ。