それでもマイさんは、諦めなかった。
その翌日も、ハルキ君が利用する駅に行った。
ストーカーのストーカーだ。
マイさん曰く、ストーカーは簡単に諦めない…のだそうだ。
きっとハルキ君の後をつけて、家まで追いかけるはず!…と。
ストーカーパート2はその日、小さめのショルダーではなく、大きめトートバッグになっていた。
状況に応じて長期戦を視野にいれての準備だ。
もちろん、マイさんも、長期戦を考えて、それなりの出で立ちだ。
「ストーカーパート2を牽制するより、ハルキ君に知らせちゃえば?」
「…確かに、それも考えました。だけど、ハルキ君は利用駅を変えるくらいしか手立てはないんじゃないか…と、思うんです。」
「それじゃ、ダメなの?」
「パート2は、すぐに、次なる駅で待つと思います。」
「…そうか」
「しかも、利用駅まで変えて、こんなストレス、可哀想です。」
「優しいのね」
「それと、もうひとつ、そこまで把握してる私のことを知られたくないです」
「あ、そうか…」
徹底してる。