旅館33

2023-12-11 09:58:10 | 日記
3人は高熱を出したという幹太の家に向かった。


その日の夕方には、幹太の熱も下がり、落ち着いて見えた。

「いやぁ~!ありがとう!久しぶりに高熱出したよ~」

「元気になって良かった!」

「ね、ところで幹太…、物置小屋の事、本当に覚えてないの?」

「…え?」

「熱が出たのって…、あの箱のせいなんじゃないの?」

「…うん。実は高熱を出して唸って寝ている間、何度も何度もあの箱の夢を見るんだ」


旅館32

2023-12-08 09:17:56 | 日記
しばらくすると、幹太が急にやすんだ。

「幹太、どうしたんだろう」

「急に高熱を出したらしいよ。」

「箱のたたりだよ」

梨花がボソッとつぶやいた。

「たたり?そんなバカな…。だって、開けてないでしょ。」

「開けて閉じたかも知れないじゃない。私たちは、幹太が箱に"何をしたのか"わからないし…」

「それで、記憶も無くしたのかな…」

徹弥もつぶやいた。

「幹太のお見舞いに行こう。…で、開けたのかどうか聞き出そう」

「覚えてないみたいだし…無駄なんじゃない?」

「本当は覚えていて、あまりの恐怖に覚えてないふりをしているのかも…」

「とりあえず、お見舞いに行こう」

3人は高熱を出したという幹太の家に向かった。

旅館31

2023-12-04 09:47:41 | 日記
物置小屋で倒れていた事を忘れてしまっている幹太…。

「幹太…何があったんだろう」

梨花がボソッとつぶやく。

「さっきの事、記憶に無いなんて…」

「もう、物置小屋に近づくのやめよう」

梨花は青ざめた表情だ。

翌日も、幹太は何事も無かったかのように、仕事に来て、物置小屋には近づこうとはしなかった。

そして、皆、しばらくは、"その事"には触れずに過ごしていた。