遊asobu☆による保育士向上委員会

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映画『さかなのこ』から、大人になるまでに必要なことを考える

2024年08月10日 | 児童福祉な映画

こんにちは☺ 

保育士の地位と保育の向上がしたい!保育士向上委員会ブログです。

 

 

今回は、お勧めの映画『さかなのこ』を取り上げたいと思います☺

 

〈参考:お勧めの映画『ゴジラー1.0』の感想〉

 

 

【お勧めの映画】ゴジラ-1.0は、誰を対象にした映画なのか?!

お勧めの映画として、ゴジラ-1.0を取り上げたいと思います。この作品は、誰を対象にしているのでしょうか?!

子どものみかた

 

 

 

以前から評判だったので、気になっていたのですが、この度Amazonプライムで見られるようになりましたので、早速見てみました。

それでは、どのような映画なのか、物語を確認しましょう☺

 

物語(ネタバレあり)

主人公は、あのテレビで活躍されている『さかなクン』自身の自叙伝といいますか、さかなクンの幼少期から大人までの成長記録のようなお話です☺

小学生のミー坊は、ある日、母親と兄とで、水族館に出かけます。

水槽を閉館までかじりつくように眺めていたミー坊を見て、
母親は、無理やり家に帰らせる代わりに、魚の図鑑を渡します。

このことがきっかけで、ミー坊はどんどん魚にはまっていきます☺

もし、ここで母親が無理に家に帰らせていたら、違う人生になっていたのかもしれません。

母親には、ミー坊が魚が大好きなことをずっと肯定的に見守られて育ちます。

ある日、学校の帰り道を友達と歩いていると、

魚と暮らしている、変なおじさん?!に出会います。

ある日、そのおじさん(ギョギョおじさん 役さかなクン)に『お家にこない?』と誘われます。

母親は少し悩んだ末に、『いいよ!ただし、暗くなる前に帰ること!』と約束をします。
その時、父親は猛反対します。
『何かあったらどうするんだ!いたずらでもされたら!』と。

父親の意見はもっともです。
それでも母親は、子どもやその変なおじさんを信じ、許します。

結果、おじさんの家で夢中になって魚の絵を描いていると、夜の9時になっていました。

警察が駆け付け、おじさんは連行されそうになります。
ですが、そこでミー坊は、
『連れて行かないで!』『連行しないで!』と、
おじさんをかばいます。

その後もずっと魚が大好きなミー坊。

そんなミー坊の姿を学校の先生方や、友人、地元のヤンキー?!達にも受け入れられながら大人になります。

みんなから、
『ほんと、魚が好きだな』とか
『変わらないね』とか
言われながら。

そんなことを言われても、ミー坊は全く気にせず、ブレる様子はありません。

大人になったミー坊は、
水族館などで働きますが、失敗ばかりで、上手くいきません。

人間関係から仕事をもらうのですが、空気を読むとか察するのが苦手なミー坊は、やっぱり失敗してしまいます。

それでも、周りにも助けられ、何とかやっていくと、

ついにテレビに出演することになります。

この映画のテーマは

この映画は、冒頭で、
『男か女か、それは関係ない』
と画面に表示されます。

最後まで見終えると、『あれはいったい何だったんだろう?!』と、あまりに唐突に思えるのですが、、

作品中は、このテーマ?!に直接触れることはないのですが、

ミー坊が学校で女子と仲良く話していると、
男の子から、からかわれます。

小学校の3年生くらいの時期でしょうか。

周りの友達と少し幼い雰囲気があるミー坊ですが、
それも子役の方をあえて選んだのでしょうね。

それはミー坊という、あだ名にも現れているのかもしれません。

3年生というと、友達との仲間意識や繋がりを強く意識して、自立心が生まれる時期です。

大人との安心で守られている関係よりも、友達との仲間意識の対等な関係の中で生きようとし始めます。
ですので、『異性』と話しているミー坊をからかうのも、小学校3年生の社会性からは、わからないではない姿ですね。

余談でした笑

しかし、ミー坊のリアクションは「何のこと?!」といった感じです。

このことが、直接的なエピソードとしましては、唯一『男か女か、それは関係ない』という、
裏テーマ?!に関係しているように見えます。

でも、これがこの映画の実は肝で、自分らしく居られたら、

男女の違いはもちろん、好きなことや興味、そして生き方は何でもいいんだよ!

というようなメッセージだったのではないでしょうか☺

 

ミー坊という子ども

ミー坊の特徴としましては、

勉強が苦手
興味が狭い
好きなことに集中したら、周りが見えなくなる(視野が狭い)
空気を読むのが苦手だけど、相手の気持ちがわからないわけではない
興味のあること以外は細かいことは気にならない
繰り返すことよりも、新しいことに興味がある
裏表がなく、ハッキリと自分の気持ちや意思は表明する

というような感じで、

これらの特徴は一般社会で、例えば会社などで適応するには、
少しハンディとなる可能性があります。

しかし、
人間としては、とても魅力的に見えます!

それが、ミー坊の周りに人が集まる理由なのではないでしょうか。

本人は、特に友達や仲間が欲しいと考えている訳ではないのかもしれませんが、
このような人の周りには人が集まってくるし、次々に繋がっていくんだと思います☺

不器用だけど、こんなにもひたむきで一生懸命なんだからと、助けたい!、力になりたい!と周りに思わせるのかもしれません。

その人間関係がミー坊が社会で生きていく上で、とても大事な要素というか、礎になっていきます。

ですので、周りの人々にとても恵まれているように見えます。

ですが、ミー坊本人も、人が困っていたら助ける社会性はしっかりと育っています。
それは、友人が男と?!別れ、自分の子どもと一緒にミー坊の家に転がり込んできても、嫌な顔一つせず、当然のように受け入れます。

そんな人って、実際どのくらいいるでしょうか?!

昔の友人や知り合いだからといっても、急に家に転がり込んできたら、(しかも子どもありで)何かしらの理由をつけて追い返す人がほとんどではないでしょうか。

違うかな。。苦笑

私は今の教育に欠けていると感じる、困った時はお互い様!の精神を感じました。

個人的には、連れ子のために文房具店でクレヨンを購入しようと、高い値段と安いものとを悩んでいるシーンが大好きです☺

母親の言葉

この映画でのミー坊の成長の鍵は、ほぼ母親の態度や言葉にあると思いますが、その鍵になるシーンは、

水族館で魚図鑑を渡す
『この子はこのままでいいのよ』というセリフ
変なおじさんの家に行くことを許す
蛸を家で飼うのも許そうとしたり笑
『お母さんのことは気にしなくていいのよ』と伝える

など、ミー坊のしようとすることに対してとても寛容的です。

仕事も何度も失敗しますが、叱ったり注意したりはしていないと思われます。

そして、大人になったミー坊に最後に、とても重要な言葉がありました。

「実は、お母さんもお父さんも、お兄ちゃんも、魚は苦手なのよ」と伝えるのです!

頭から魚をかじっていたのに、、笑

おそらくお母さんは、途中で「お母さんのことは気にしなくていいのよ」と伝えていることから、正直に伝えると、ミー坊は気を使って自分を抑えてしまう可能性がある子と気づいていたのでしょう。

また、『この子はこのままでいいのよ』というセリフから、
他の子どもとの違いも早くから感じていたと思われます。

ですが、
これらの態度は、どのような母親にも出来ることではないと思います。

なので、全ての親が『さかなのこ』のお母さんを目指す必要はないと思いますが、
子どもには、映画のお母さんのような大人の支援が有効だということは言えるのではないでしょうか。

子どもが大人になるまでに必要なこと

私がこの映画から感じました、子どもが大人になるまでに大事にしたいことは、

好きなことや興味のあることを持つ(生きる意欲)
好きなことがあったら、トコトン追求できるようにする(知識や知能)
好きなことを追求している中で、仲間をつくる(社会性)
大人は子どもの失敗や間違いに寛容になる(困難に自ら挑戦する)
子どもが苦手なことにはある程度目をつぶる(自信や意欲を守る)
子どもの意欲や自信を大切にする(壊さない)
子どもの頑張りや成果を評価する(自己肯定感)

というような部分です。

これらすべてを親が担うというよりも、
学校の先生や地域の大人たちも含めて、社会全体でこのような視点を大切にして、子どもを見守るということが重要ではないでしょうか。

でも、地域の大人を頼るというのは、今の時代かなり慎重になりますよね。

どんな人が住んでいるのかわからないですし。

だからこそ、共同体意識が重要になるといいますか、

映画では、昔ながらの地域独特の近所づきあいを面倒や気持ち悪いといいつつ、その存在を認めています!

地域性も海があることも含めて、恵まれた環境に見えますが、田舎は田舎で刺激が無く、若者はバイクに乗ることくらいしかなかったり、、笑
それでも、都会は都会で、共同体意識のような地方の良さは取り入れる必要があるのではないでしょうか。

昔は都会にも、もっと親密な近所づきあいはあったのかもしれませんが。

共同体意識があることで、人がもし困ったら、人を信じたり頼ったりするのが当たり前になります。

社会全体で子どもを守り育て、困ったらお互い様の精神です。

子どもが何かに興味を持つ効能

子どもが何かに興味を持ち、それに打ち込むということは、
それだけで自信になりますし、自己肯定感が持てます。

自分の好きなことを用意してくれるこの世界は、自分を受け入れてくれているように感じることが出来ます。

好きなことを追求することで、それに必要なスキルや知識を得ることが出来ます。
そこから人間関係が広がります!
それが将来、生活していくことに繋がることもありますし、繋がらないこともあります。

でも、
たとえ将来の生活や仕事に繋がらなくても、
その過程で得た、人間関係や社会性は、必ず活きます!

そのことが何より重要だと思うのです。

仮に、

子どもが興味が持てない『勉強』だけを無理にさせられたとします。
そうなりますと、孤独に机に向かい勉強だけをすることになりますし、
社会性には繋がりません。
受験のための知識は増えるかもしれませんが、友達や仲間と一緒にやり取りをしながら進めるわけではないので、社会性はあまり身についていませんので、
社会に出たら苦労するかもしれませんし、最悪、適応出来ない可能性もあります。
受験のための知識はありますが、自分から自分の意思でやっていたのではないため、自信や生きる意欲にも繋がりません。
自分で選択し、大事な決断をして生きていく主体性も育まれない可能性もあります。

逆に考えると、『勉強』が本人が望んでいて、友達や仲間とやり取りをしながら進めていて、意欲や自信に繋がっているのなら、子どもの将来にとって『勉強』はとても有効な手段なのかもしれません☺

でも、子どもは『勉強』で育まれた社会性や自信、意欲は、全く別のことで発揮したい!と考える可能性はありますが、、😓

例えば、芸術や音楽関係の道に進んだり。

たとえ厳しいとわかっていても、生活は苦しくなるとわかっていてもですね。

最終的には、子どもは親とは違う別の人格を持つ人間ですので、子どもの意思を尊重するしかない!というオチにどうしてもなります☺

それでいいのだと思います。

まとめ

幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿が大人の目線で言われるようになりましたが、子どもには子どもの人格がありますし、意志もあります。

まずは子どもの主体性を大事にするということではないでしょうか。

そういう意味でも、この映画は、とても子どもの福祉を体現している映画だと思いました☺

子どもはみんな子どものうちに、
子どもそれぞれが

~のこ!

と呼ばれるような育ちが大切ということではないでしょうか。

※出演

成長してからのミー坊を女優ののんさんが演じています。

のんさんの演技はいつも思うのですが、映画中のキャラクターと同化しています。

これまでの作品でもそのような演技がとても印象的でしたが、
映画中ではあまちゃん?!と一瞬錯覚するようなシーンもありました☺
私だけなのかな?!汗

アニメ映画『この世界の片隅に』でも主人公の声優を務めていますが、この作品も、のんさんでないとここまで素晴らしい作品にならなかったのでは?!と思われるくらい、素晴らしい映画になっていました。


〈映画レビュー:アニメ映画『この世界の片隅に』〉

 

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note(ノート)

 

 

ミー坊の小学生時代を演じた子役の方も、とても可愛くて、演技も素晴らしかったですね!
でも、この記事で書かせていただきましたが、将来本人がどのような道に進みたいのかは、まだわかりませんので、周囲の大人は暖かく見守り、大人になった時に、社会の中で主体性が十分に発揮出来るように、社会性の発達も含めた、周囲の大人の支援が今後も大切なのではないでしょうか。

 


 

最後まで、映画『さかなのこ』から、大人になるまでに必要なことを考えるをお読みいただき、ありがとうございました☺
もしご意見ご感想などございましたら、コメントで頂けますと嬉しいです!

 

〈子どもにお勧めの映画レビュー:アニメ映画『すずめの戸締り』〉

 

 

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