大洗役場の横を通り、咲き始めた花の香りに春の訪れを実感しつつ、マリンタワーの方へ移動しました。Oさんが色々と解説してイベントの見どころなどを教えてくれましたので、海楽フェスタには初めて行く私にも、催事全体の輪郭がおぼろげに見えつつありました。
マリンタワー広場のメイン会場に着きました。屋外ステージでは既に何かの披露が行われており、時折歓声が上がっていました。
凄い観客の数でした。観客席の芝生が全く見えませんでした。ですが、Oさんによれば、「今年は少ない、去年のほうがもっと多かったですね。今年は、そうだな、九割にもいってないかな・・・」でした。
秋のあんこう祭はもっと多いらしいので、数千人が集結していると明らかな今回のこの状況で「少ない」との分析には、唖然とせざるを得ませんでした。大洗の春を代表するイベントである海楽フェスタという行事の構造が、総括的にはガルパンファンの動静に左右されているのだろう、と察しられました。
ステージでは既にプログラムがスタートしていましたが、目玉であるガルパン声優陣のトークショーはまだなので、それが始まる頃にはもっと観客が増えますよ、とOさん。
すると、ここの会場のピークはやはりガルパン声優陣のトークショーであるようです。それが目当てでやってくるファンも多いのだそうです。
スタート時点でこの人数ですから、ガルパン声優陣のトークショーになればもっと密集状態になるわけですか・・・・。
続いて、Oさんに導かれるままに、出店のゾーンに移動しました。屋外ステージはマリンタワーの北側にありますが、出店ゾーンは南側を占めて沢山の店が並び、そちらも大勢の人出で賑わっていました。
多くの出店で行列が出来ていました。新商品が出るとこういうふうに人が詰めかける、行列を見ただけで何となく並んじゃう人も居るみたいですよ、とOさんが話していましたが、私はある点に気がつきました。
服装とか、雰囲気とかが、明らかにガルパンファンとは異なるのです。ガルパンのファッションではなく、ガルパングッズは一切付けていません。普通の方のいでたちです。子連れの家族グループも結構見かけましたので、ああそうか、一般の見物客も多いのだな、と分かりました。
それで逆に、ガルパンファンの大多数がそれなりの格好をしていて一目でそれと分かる、という点を再認識し、笑ってしまいました。私自身もそうだからです。みとや特製のガルパン大洗キャップ、戦車道連盟デザインのジャケットを付けていることが多いからです。
海に面した大洗ですから、海産物系の食べ物の出店が多いのかな、と予想していましたが、そうでもないようです。よくある祭事の出店のパターンと大して違わないようです。
大洗へ行く頻度は私よりもはるかに多いOさんは、どこへ行っても知己や顔見知りの方が居ます。色んな出店の方と親しげに挨拶し、会話をしていました。こういう感じで大洗に親しみ、ガルパンとは別のスタンスで大洗の人々との繋がりを大切にしているファンは少なくありません。おそらく、こうしたファン層が、昨今の大洗ガルパンのムーブメントの基層部を支えているものと思います。
この日、Oさんが「これどうですか、美味しいてすよ」とイチオシで勧めてきたのが上図の牛串焼でした。
それでは、と私も買っていただきました。常陸牛の串焼きです。味も上品でした。ただ、タレが関東風の辛さなので、後でかなりお茶を飲みました。関西風の味覚に慣れている身ですと、往々にしてこういうことはよくあります。例えばラーメンにしても、東京などで頂く場合はスープ割を注文することがあります。東西での食文化の差、というのはけっこう大きなインパクトがあるな、と改めて思いました。
麺屋渡来人さんの出店では、BC自由学園ラーメンなるものが人気だったようです。フランス風味のスープで試みたものでしょうか。あっという間に完売していたようです。
やっぱりこの時点でのガルパン人気の何割かはBC自由学園チームというニューウェーブによるんだな、という思いを抱きました。
梅原屋の出店に立ち寄りました。梅原さんが大忙しでした。ガルパン衣料品がドンドン売れてゆきました。その何割かは、この日の限定で購入特典として付けられる缶バッジが目当てだったようで、彼らの視線が最初から缶バッジの方にロックオンされているのが傍目からもよく分かりました。
Oさんにそのことを話すと、「そりゃそうですよ。いまじゃだいぶ下火になった感じありますけど、ガルパンの缶バッジが大洗の人気グッズの核である、ってのは変わりませんからねえ」と応じてきました。私自身もかつては缶バッジ集めに熱中していた頃がありましたから、そのことはよく理解出来ました。同時に、色々と缶バッジを集めて楽しんでいた頃が懐かしく思い出されました。
そんな私なので、今回の大洗行きにおいても、缶バッジは1個も貰いませんでした。 (続く)