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「若し過去に戻って開戦を阻止出来るとしたら、どうする?」。
1949年、終戦から4年が経った東京。陸軍中野学校出身で嘗て破壊工作員だった藤堂直樹(とうどう なおき)は、歴史学者の守屋淳一郎(もりや じゅんいちろう)と物理学者の和久田元(わくだ はじめ)から、過去に時間を遡る手段を発見したと聞かされる。更に2人は、直樹に思い掛け無い依頼をして来た。「過去に戻って、戦争を始めた者達を排除して欲しい。」と。
目指すは、満州事変の阻止。未来は、其れで本当に変わるのか?2人の男女を仲間にした直樹の、時を遡る決死行が始まる。
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直木賞作家・佐々木譲氏の小説「時を追う者」は、「『其の中に入れば、過去に遡ったり、現在に戻ったり出来る。』という伝承が在る洞穴を利用し、過去に遡って“太平洋戦争の開戦に関与した者達”を“排除”する事で、戦争が無かった異にする。」というミッションを帯びた藤堂達3人を描いた作品。」で在る。所謂“タイム・リープ物”だ。
「太平洋戦争が勃発する迄の過程が判る。」ので、「“歴史”を学ぶ。」という意味では「在り。」だが、“物語”としては面白さに欠ける。「タイム・リープ物で問題になって来る“タイム・パラドックス”の問題に、きちんとした“答え”が用意されていない。」のも、個人的には不満だった。
総合評価は、星2.5個とする。