過去に何度か指摘したが、安倍晋三首相を衝き動かしている源は、「怨」という感情だと思っている。異常な程にプライドが高い彼にとって、第一次政権を放り出した事は大きなトラウマで在り、又、「こんなにも優秀な僕ちゃんを、首相として認めなかった連中は絶対に許さない!」という思いを持ち続けている様に感じる。だからこそ、首相に返り咲いた今、彼の頭の中に在るのは“国民の幸せ”とかでは無く、「1日も長く政権を維持する事で、僕ちゃんを馬鹿にした連中を見返すんだ!」という怨の思い。
そんな彼にとって、何よりも気になるのが支持率。「高い支持率を保てば、長期政権を達成出来る。」と、支持率アップの為のパフォーマンスに心を砕いている。
最近、各種世論調査で“内閣支持率”が大幅に下がり、不支持率が上回る結果が続出している。「此れ等の結果に、安倍首相は焦りを見せている。」という報道が目に付くけれど、自分はそう思わない。
確かに“内閣支持率”が大幅に下がった事は、安倍首相にとって不安材料では在るだろう。けれど、“政党支持率”は自民党が断トツで1位の座を維持し続けており、今でも支持率は、2位の民主党の4倍近くとなっている事から、「心配無いさ~!」という思いが強いのではなかろうか。
死票が多い「小選挙区制」に在っては、今の様に断トツの政党支持率を稼いでる自民党が、殆どの選挙区で“一人勝ち”する状況は変わらないだろうし、「比例代表制」や「選挙区制」でも多くの当選者を出すのは確実。現状より所属議員数を減らしたとしても、「安倍首相のする事には、盲目的に従います!」と一切異論が出ない状況なのだから、「安倍首相を退陣させ、他の人間を首相に担ぐ。」なんて動きが出て来る筈も無い。
連立政権を組む公明党は「自民党からの“命”令を“乞う”政“党”」、即ち“乞う命党”状態で、自民党の言い成り。形は“野党”で在っても、維新の党や次世代の党なんぞは安倍首相に秋波を送る連中許りで、実質的には“自民党の1派閥”と言っても良い。そんな状況だから、安倍首相が焦りを感じている筈も無く、「焦っている様な雰囲気を出して、同情票でも稼ぐか。」位の余裕を持っているに違い無い。