子供の頃に読んだ(読んで貰った)絵本で、今も忘れられない物が結構在る。7年前の記事「『おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます。』」の中で紹介した「ハーリティーと御釈迦様」や「いやいやえん」、「シナの五にんきょうだい」、「ぐりとぐら」、「かえるの王様」、「赤いろうそくと人魚」、「モチモチの木」、「泣いた赤おに」の他、「ジャングル・ブック」も当て嵌まる。幾つかの短編小説で構成されていたが、最も印象深かったのは「ジャングルの中で虎に追われた人間の子供が、狼に救われ、そして育てられる。熊や豹等と仲良くなり、幾多の冒険を経て、再び人間世界に戻る。」という話だ。其の話を映像化したのが、映画「ジャングル・ブック」【動画】。
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ジャングルに人間の赤ん坊・モーグリ(ニール・セディ君)が、たった1人取り残されてしまう。1人ではジャングルの中で到底生きられない幼い命を救ったのは、黒豹のバギーラだった。モーグリは子供を抱える狼のラクシャに託され、ジャングルの子として育って行った。バギーラから厳しい自然の中で生き抜く知恵を授かり、ラクシャからは惜しみ無い愛情を注がれて成長して行くモーグリ。然し、「人間はジャングルの敵だ。」と言い放つ虎のシア・カーンが現れた事により、彼の幸せな暮らしが変わって行く。
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「少年以外全てCG。」というのが此の作品の惹句だけれど、登場する動物達のみならず、舞台となっているインド奥地のジャングルの風景迄もがCG。「全身が真っ黒で、他の動物達に比べるとのっぺりとしている事から、立体感を出すのが難しそう。」なバギーラは、良く良く見るとCGっぽさを感じるが、其れ以外は凄く良い出来。ジャングルの風景も含め、「CGは、此処迄精度が上がっているのか。」と感動した。
自分が観たのは吹き替え版で、バギーラ役を松本幸四郎 (9代目)氏、熊のバルー役を西田敏行氏、ラクシャ役を宮沢りえさん、シア・カーン役を伊勢谷友介氏という面々が務めている。「一番嵌っているな。」と感じたのは西田氏で、「図体がデカいけれど、愛くるしさを感じてしまうバルー。」の役に声がピッタリだったから。
動物達の表情や仕草も可愛らしいが、モーグリ役のニール・セディ君が輪を掛けて可愛い。今年で13歳になるそうだが、見た目は小学校の低学年といった感じ。「クリクリっとした大きな目が実に印象的な彼を主役に選んだ時点で、此の作品は成功を約束された。」と言っても良いだろう。
見終えた後、ホンワカとした気分にさせてくれる作品。総合評価は、星4つとする。