ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「江ノ島西浦写真館」

2016年08月21日 | 書籍関連

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江ノ島路地の奥、ひっそりとした入り江佇む「江ノ島西浦写真館」。100年間営業を続けた其の写真館は、館主・西浦富士子(にしうら ふじこ)の死により、幕を閉じた。過去の或る出来事から、写真家の夢を諦めていた孫の桂木繭(かつらぎ まゆ)は、祖母の遺品整理、写真館を訪れる。其処には注文した、誰も受け取りに来ない、何処な「未渡し写真」の詰まった缶が在った。繭は写真を受け取りに来た青年・真鳥秋孝(まどり あきたか)と共に、写真の謎を解き、注文主に返して行くが・・・。

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今回読んだのは、三上延氏の小説江ノ島西浦写真館」。三上作品と言えば、「ビブリア古書堂の事件手帖~栞子さんと奇妙な客人たち~」に始まり、現時点で第6弾上梓されているビブリア古書堂の事件手帖シリーズ」が有名。此のシリーズは「古書に関して並外れた知識を持つ古書店店主の女性が、客が持ち込んで来た古書に纏わる謎を解いて行く。」という設定だが、「江ノ島西浦写真館」は古書を写真に置き換えた設定と言って良いだろう。

 

祖母の遺品整理の為、久し振りに祖母が営んでいた写真館を訪れた繭。其処で見付けた“不思議な写真”、そして真鳥秋孝という青年との出会いにより、彼女は「4年前、好きな写真撮影を止める事になった大きな事件。」と、改めて向き合わされる事になる。

 

「ビブリア古書堂の事件手帖シリーズ」同様、読み手をどんどんストーリーの中に引き込んで行く、実に上手い筋立て。特に秋孝の秘密が明らかとなる第4話は、一気に読み進んでしまった。

 

、不満点も在る。最後の最後、繭から離れて行った或る人物と繭は再会する事になるのだが、幾ら時が経ったとはいえ、あんなにもあっさりと言葉を交わせるものだろうか?

 

又、秋孝の秘密、設定としては面白いけれど、現実味が余り感じられない。丸でフランケンシュタインの話みたいだし。

 

総合評価は、星3.5個とする。


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