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「<森林面積>25年で日本の3倍超消失 農地転換や違法伐採」(9月28日、毎日新聞)
1990年から25年間に、農地転換や違法伐採等によって失われた世界の森林面積は、日本の国土面積の3.4倍に当たる1億2,900万ヘクタールに上る事が、国連食糧農業機関(FAO)の分析で判った。一方、植林や森林保護の強化等で消失のスピードは近年鈍化しており、FAOは「規制強化や知識の普及等によって、森林管理の在り方が劇的に改善した。」と評価している。
FAOは5年毎に森林資源の増減等を纏めており、今年の報告書では1990年以降の変化を分析した。
報告書によると、1990年時点の世界の森林面積は41億2,800万ヘクタールだったが、現在は39億9,900万ヘクタールに減少した。特に南米やアフリカでの減少が著しく、熱帯雨林の違法伐採等が深刻なブラジルでは、最近5年間でも年平均98万4,000ヘクタールが消失。インドネシアも同68万4,000ヘクタール等と、大規模な森林破壊が続いている事が判った。
一方、消失率(全森林面積に占める消失面積の割合)は2000年代に入って減少に転じた。2000~2005年の消失面積は年平均726万7,000ヘクタール(消失率0.18%)だったが、2010~2015年は330万8,000ヘクタール(同0.08%)に留まった。ブラジル等で減少が続く一方で、植林を進める中国では年平均154万2,000ヘクタール、豪州やチリでも同30万ヘクタールのペースで増加し、世界全体での消失面積の拡大が抑えられていると見られる。
林業、製紙業等を含む森林関係分野は、毎年世界の国内総生産(GDP)の0.8%と、5,000万人以上の雇用を生み出していると言う。FAOは「望ましい方向には向かっているが、(二酸化炭素を吸収する)森林保全等を更に強化しなければ、地球温暖化の被害を減らしたり、持続可能な開発を実現したりする事は出来ない。」と指摘する。
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「1990年からの四半世紀で、世界の森林面積は、日本の国土面積の3.4倍も消失した。」というのは、「そんなにも消失したのか・・・。」という驚きが在る一方で、消失スピードが年々増していると思い込んでいただけに、「2000年代に入って以降、消失率は減少に転じていた。」というのは意外でも在った。
「地球温暖化は、必ずしも悪い事許りでは無い。」とする人も居る。「地球温暖化によって北極等の氷が溶ければ、(溶けた空間を船が通る事で)移動時間の短縮が図れる。」という考えからだが、そうは言っても地球温暖化はリスクの方が多い様に思う。そういう意味でも、森林面積を減らす方向では無く、増える方向に向かってくれれば良いのだが・・・。