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例えば「シャボン玉飛んだ 屋根迄飛んだ♪」は誰もが口遊んだ事が在る童謡だが、実は悲しい背景が在る。作詞は野口雨情。明治41年、生後8日目の長女を亡くした彼は、十三回忌に「シャボン玉」【動画】の詩を書いた。「1番の『屋根迄飛んで 壊れて消えた♪』、2番の『生まれて直ぐに 壊れて消えた♪』は、子供の命だったのです。此の歌に秘められている思いは命の儚さ、そして尊さなんですね。」。
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2月8日付けの日刊ゲンダイに、「『歳時記を唄った童謡の謎』シリーズ」を上梓している音楽プロデューサー・合田道人氏が、童謡に隠された話に付いて触れている。
上記した「シャボン玉」の話は結構有名で、自分も知っていた。又、他の童謡にも隠された話が結構在り、事実かどうかは不明なれど、「かごめかごめ」【動画】の様に“不気味な説”が幾つか在る歌も。
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・「ちょうちょう ちょうちょう 菜の葉に止まれ♪」。此の歌は言わずと知れた、春の歌「ちょうちょう」【動画】だが、実は2番が在る事を御存知だろうか。「起きよ 起きよ 塒の雀♪」と続き、更に3番は「蜻蛉 蜻蛉♪」、4番では「燕 燕♪」。何と、ちょうちょうの歌の筈が、雀、蜻蛉、燕と変化して行くのだ。「『ちょうちょう』は“唱歌”で、子供への教育の役目を担っているんですね。春の蝶々、夏の雀、秋の蜻蛉、冬の燕と、日本の四季を教えているんです。」。
・大正12年の関東大震災が切っ掛けで広まった歌が在る。「夕焼小焼」【動画】で在る。当時、輸入ピアノ店が購入者だけに「夕焼小焼」の楽譜を配布していたが、震災後、小学校教員だった作詞家・中村雨紅の義理の妹が子供達を勇気付け様と、燃え残った楽譜を元に、「夕焼小焼」を教えたのだった。「被災した人々は素朴な歌詞に、震災の彼の日を思い浮かべ、胸を衝かれ、自分達の為の歌と感じたのです。東日本大震災の時にも、復興支援プロジェクトのテーマ・ソングとして『花は咲く』【動画】が広がり、今でも歌われていますよね。」。
・戦争に紐付いた童謡も在る。昭和に作られた「ウミ」【動画】の「イッテミタイナ ヨソノクニ」は、海軍の兵隊になり、船に乗り、敵国を攻めたいという意味が含まれていた。
・「里の秋」【動画】に在った「大きくなったら兵隊さんだよ 嬉しいな♪」という歌詞は、戦後新たに書き換えられた。
・「雪やこんこん♪」で御馴染みの「ゆき」【動画】の歌は、降り積もった雪景色を思い浮かべるが、実はそうでは無い、と本書(「歳時記を唄った童謡の謎」)。“こんこん”では無く、“来ん来(こんこ)”。詰まり“来い来い”と言っており、何と雪は殆ど降っていないというから衝撃だ。
・「アルプス一万尺」【動画】の歌詞“アルペン踊り”は、実際にはそんな踊りは存在せず、登山家がザイルで岩場を登際に時折、足を滑らせクルクル回ってしまう様を譬えたと言う。
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「『歳時記を唄った童謡の謎』シリーズ」、面白そうなので、機会を見付けて読んでみたい。