ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「岡田啓介回顧録」

2015年03月22日 | 歴史関連

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岡田啓介氏:慶応4年(1868年)、福井県に生まれる。海軍兵学校次いで海軍大学校を卒業。海軍要職歴任して大正13年、海軍大将となり、昭和2年に田中義一内閣海相に就任。9年、斎藤実内閣の跡を継い首相となる。11年の二・二六事件では首相官邸を襲われ、九死に一生を得た。第二次大戦戦局悪化に伴い、反東条運動の中心人物として、其の退陣尽力し、終戦工作従事した。27年10月死去、享年84。

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岡田啓介回顧録」(著者:岡田啓介氏、編者:岡田貞寛氏)を読了

 

岡田啓介氏と言えば、1936年2月11日に発生したクーデター未遂事件「二・二六事件」時の首相で在り、其の際に反乱青年将校達に急襲されるも、九死に一生を得た人物として有名。(岡田首相と間違われ、義弟松尾伝蔵氏が殺害される。)

 

近現代史に興味が在り、「二・二六事件」関連の書籍も結構読んでいるが、当事者の証言は生々しい物が在る。又、権力が“暴走”して行く過程を知る事は、今の時代にも教訓になるだろう。

 

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二・二六事件というものは、陸軍政治関与を押さえる最大のチャンスではなかったか、とわたしは思っている。あのとき若い将校連中が、軍紀を乱し、兵隊まで率いて反乱を起こしたのは、もはや軍の暴力的傾向がこんなにまでなったかという感じを与えたが、同時に国民の心に軍の横暴に対する反感がかなり強くわき上がった。それをつかめばよかったんだ。横暴な連中自身もやってしまったあとで、ハッとした様子があったし、そのを逃さずに、国民の常識足場にして強い政治をやり、軍を押さえつけてしまう。ごくいい潮どきだったと思うが、軍にさからうとまた血を見るという恐怖のほうが強くなって、ますます思いどおりのことをされるようになってしまった。

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自分がああだこうだ書くよりも、是非実際に読んで貰いたい1冊。


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2 コメント

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Unknown (マヌケ)
2015-03-22 11:07:58
振り子が、どちらか一方に振れ過ぎると必ずゆり戻しがあり、バランスが保たれるものなのですが、良識派が少なくなり、不安や臆病が伝染して無関心や無抵抗、追従といった、流されてしまうのがいちばん恐ろしいです。頭のレベルが下がった日本人が多いと嘆くしかありません。過去から教訓を学ばないのは、傲りではないのだろうか。
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>マヌケ様 (giants-55)
2015-03-22 19:18:20
書き込み有難う御座いました。

「御上の意向に追随する。」、「思考が、極端な方向に流れ易い。」というのは日本人の特徴では在りますけれど、昨今は其の傾向が特に顕著になっている感じがします。

所謂“ネット右翼”と称せられる人達、以前は「十代から二十代の若者層が主。」と言われて来ましたが、必ずしもそうでは無く、意外と「子育てが一段落した、30~40歳代の主婦層が多い。」という話が、最近では言われていますね。

何故、ネット右翼的思考に魅入られるのか?其のキーは、「自虐史観」という物に在ると。即ち「日本人は此れ迄、必要以上に虐げられて来た。だから、自虐史観を否定しなければ、孫子の代迄不要な“責め”を負わされ続ける。」という思いが非常に強いとも。

当ブログでも何度か指摘している様に、「何でもかんでも日本(乃至は日本人)が悪い。」という論調には憤りを覚えるし、誤った見解を正すのは大事な事。でも、昨今のネット右翼の言動を見ると、特定の情報のみにしか触れず、其処に記された書き込みを検証する事も無く、盲目的に受け容れ、そして「日本にとって不都合な事柄は事実で在っても全て“捏造”とし、逆に好都合な事は捏造で在っても“真実”と主張する。」事が自虐史観の否定と勘違いしている様なケースが余りに多い。普段は冷静な判断をしているかに思える人達の中にも、そういった部分が見えたりするのですから、非常に危うさを感じます。

「岡田啓介回顧録」を読んでいると、今の風潮と似通った部分が幾つか在る。「そんな事は在る筈が無い。」と全く根拠も無しに受け流している内に、気付いてみれば法律や権力によって雁字搦めにされ、全く物言えぬ状況になっている。右だろうが左だろうが、どういう立場を取っても自由だけれど、過去の“哀しい時代”を蘇らせてしまう事だけは、絶対に在ってはならない。

「そんな事は在る筈が無い。」と無根拠に受け流すのは、非常に容易い。でも、古今東西の歴史を顧みれば、「絶対に在る筈が無いなんて事は、其れこそ在り得ない。」というのを認識しないといけないでしょうね。
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