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「スマホで検索・電卓使用の不正も・・・センター試験」(1月20日、読売新聞)
大学入試センター試験は20日、理科と数学の試験が行われ、2日間の日程を終えた。
此の日は2021年に始まる大学入学共通テストを意識した問題も見られた。スマートフォンを使う等、受験生4人の不正行為が確認されたが、大きな混乱は無かった。
「生物基礎」では、森林で採取した土に水を遣り乍ら放置すると、何の様な植物が生えるのかを実験し、結果から推測される現象を問う4択問題が出た。
共通テストは実験や観察の結果を読み取る等、思考力や判断力を重視した出題になる。河合塾の担当者は「思考力を問う問題で、共通テストを意識したのではないか。」と話している。
大学入試センターは20日夜、東京、宮城、三重の4会場で4人の不正行為が確認され、全科目を無効としたと発表した。2人はスマートフォンの電卓機能やネット検索を使い、1人は「解答止め。」の指示後も答案用紙に記入した。1人は定規を当てて、国語の問題文を読んだ。同センターは「受験上の注意」で定規の使用禁止を明記しており、不正行為と認定した。
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自分は“共通一次試験世代”。当時、同試験は1月15日の「成人の日」前後に行われていたが、合格して以降何年かは、成人の日になると共通一次試験の事を思い出しては、嫌な気分になったもの。
で、上記ニュースに付いてだが、「不正行為が確認された4名は全員、全科目無効とされた。」と言う。「定規を当てて、国語の問題文を読んだ。」というのに対し、「文章を目で追うのに定規を使ったのだろうから、不正とするのは厳し過ぎるのでは?」という考えも在ろう。気持ちは判らないでも無いが、「受験上の注意」で定規の使用禁止が明記されているのだから、不正とされてしまうのは仕方無いだろう。(定規に不正な書き込みがされている可能性も在るし。)
個人的な考えで言えば、スマホの電卓機能やネット検索を使っていた2人に関しては、同情の余地が全く無く、全科目無効も当然と考える。でも、残り2人に関しては、「当該科目“のみ”無効。」でも良かったのではと思ったりもする。
理数系のテストならともかく、なぜ一律に定規使用が禁止なのか、納得できる理由があるのでしょうか?
明快な理由が無いままの禁止なら、「悪法も法のうち」のような気がしてもやもやしますが。
定規を使用していた事で不正と認定された生徒の件ですが、大学入試センター試験主催者サイドは記者の質問に対し、「『受験上の注意』で定規の使用禁止が明記されているから。」という理由で通している様ですね。確かに「試験を受ける上での注意事項で明記されているのだから、使用したら不正認定。」というのは“法的解釈”から「在り。」だとは思います。でも、一方で「理由が良く判らない儘決められた事を、果たして看過して良いのだろうか?」という思いも判ります。
飽く迄も私見ですが、恐らく本当の所は「机上に出せる物を少しでも少なくしないと、不正を見極めるのが難しくなるから。」というのが理由ではないかと。「決して充分とは言い難い人数で、大勢をチェックしなければいけないので、不正が起こり得る可能性を少しでも少なくしたい。」という事の様に思います。