社会人になって、初めて海外を旅した。母子家庭の身では海外旅行する余裕なぞ無く、同年代に比べると遅い海外デビューだったと思う。当時は仕事で悩みを抱えており、気分転換の意味も在って海外旅行に踏み切ったのだが、この旅ですっかり海外の魅力に取り憑かれてしまい、それ以降は長期休暇の度に海外を彷徨っていたもの。薄給の上に海外旅行三昧だったので貯金は全く貯まらなかったが、若い時分でなければ出来ない貴重な経験と今でも思っている。
5月3日付けの夕刊フジに「特別委員会の分析 『ネットで旅行気分』 とんでもない」という記事が載っていた。日本旅行業協会(JATA)によると、我が国の海外旅行者数は2000年の約1,782万人をピークに、アメリカ同時多発テロやSARS流行等で2003年は約1,330万人迄減少。しかし、その後はやや持ち直していたものの、昨年は約1,729万人と4年振りに減少したという。出国数を人口で割った「出国率」では50代後半~60代で増加したものの、20代前半で2.7%、同後半で4.6%減少し、若者の海外旅行離れの傾向が見られた。
同協会では「ビジット・ワールド・キャンペーン」なる特別委員会を発足させ、
「海外旅行者数を2,000万人迄増やす。」という目標を掲げた。佐々木隆委員長(JTB社長)は「初めて海外に行った時、強烈な驚きと刺激を受けた。旅行業界が自ら立ち上がり、関係機関と連携して海外旅行への新鮮な興味を取り戻したい。」と決意表明。そして沢辺宏推進室長(JATA)は「若者の海外旅行離れ」に付いて、次の様に口にしたという。
「パソコン一つで世界中の情報が楽しめる。『頭の中の旅』が新鮮さを奪った。」
この分析に対して当の若者達から「年収200万円以下が1,500万人じゃ無理も無い。ラブホテルにさえ行けない。」、「(海外へ行かないのは)経験の有無じゃない。テレビやネットで見られるからでも無い。もう、憧れが無いからだ。」、「『若者の○○離れ』と言うが、車、プロ野球、テレビ、理系、パチンコ、CD、結婚等全て、30年前の価値観だ。」等、猛反発が起きているのだとか。
「学生時代の同級生に自社商品を売り込んでも、行く人は殆ど居ません。忙しかったり、御金が無かったり、面倒臭がったり・・・。私も普段の営業で疲れ果て、温泉には出掛けても、海外迄はとても行く気になれません。」という大手旅行代理店勤務の男性社員(26歳)の声も紹介されているが、「金・暇・憧れが無い。」というのが要因の様だ。
又、経済ジャーナリストの荻原博子さんは「今の若い人は不況の中で育っており、海外旅行全盛時代を知る世代には信じられない程堅実。初めから、海外旅行に御金を使う習慣が無いのです。散々将来の不安を煽られて来た上、この時代を生き抜く為に必死なんです。ネット情報だけで、旅行に行った気になる筈ないでしょう。」と、沢辺氏の分析を切り捨てている。
修学旅行で海外に行く時代故、若者の海外旅行離れが起きているというのは意外だった。価値観は人それぞれ異なるし、「若者の海外旅行離れ=良くない事」という訳では当然無い。唯、経済的に逼迫し、海外に行きたくても行けない若者が増えているのだとしたら、これは気の毒に思う。若い時分から薄給で悩まされ続けて来た自分だが、年収200万円以下という若者達からすれば恵まれていたと思うから・・・。
5月3日付けの夕刊フジに「特別委員会の分析 『ネットで旅行気分』 とんでもない」という記事が載っていた。日本旅行業協会(JATA)によると、我が国の海外旅行者数は2000年の約1,782万人をピークに、アメリカ同時多発テロやSARS流行等で2003年は約1,330万人迄減少。しかし、その後はやや持ち直していたものの、昨年は約1,729万人と4年振りに減少したという。出国数を人口で割った「出国率」では50代後半~60代で増加したものの、20代前半で2.7%、同後半で4.6%減少し、若者の海外旅行離れの傾向が見られた。
同協会では「ビジット・ワールド・キャンペーン」なる特別委員会を発足させ、
「海外旅行者数を2,000万人迄増やす。」という目標を掲げた。佐々木隆委員長(JTB社長)は「初めて海外に行った時、強烈な驚きと刺激を受けた。旅行業界が自ら立ち上がり、関係機関と連携して海外旅行への新鮮な興味を取り戻したい。」と決意表明。そして沢辺宏推進室長(JATA)は「若者の海外旅行離れ」に付いて、次の様に口にしたという。
「パソコン一つで世界中の情報が楽しめる。『頭の中の旅』が新鮮さを奪った。」
この分析に対して当の若者達から「年収200万円以下が1,500万人じゃ無理も無い。ラブホテルにさえ行けない。」、「(海外へ行かないのは)経験の有無じゃない。テレビやネットで見られるからでも無い。もう、憧れが無いからだ。」、「『若者の○○離れ』と言うが、車、プロ野球、テレビ、理系、パチンコ、CD、結婚等全て、30年前の価値観だ。」等、猛反発が起きているのだとか。
「学生時代の同級生に自社商品を売り込んでも、行く人は殆ど居ません。忙しかったり、御金が無かったり、面倒臭がったり・・・。私も普段の営業で疲れ果て、温泉には出掛けても、海外迄はとても行く気になれません。」という大手旅行代理店勤務の男性社員(26歳)の声も紹介されているが、「金・暇・憧れが無い。」というのが要因の様だ。
又、経済ジャーナリストの荻原博子さんは「今の若い人は不況の中で育っており、海外旅行全盛時代を知る世代には信じられない程堅実。初めから、海外旅行に御金を使う習慣が無いのです。散々将来の不安を煽られて来た上、この時代を生き抜く為に必死なんです。ネット情報だけで、旅行に行った気になる筈ないでしょう。」と、沢辺氏の分析を切り捨てている。
修学旅行で海外に行く時代故、若者の海外旅行離れが起きているというのは意外だった。価値観は人それぞれ異なるし、「若者の海外旅行離れ=良くない事」という訳では当然無い。唯、経済的に逼迫し、海外に行きたくても行けない若者が増えているのだとしたら、これは気の毒に思う。若い時分から薄給で悩まされ続けて来た自分だが、年収200万円以下という若者達からすれば恵まれていたと思うから・・・。
あれだけのベストセラーになったという事は、沢木耕太郎氏の「深夜特急」に描かれた世界に憧れを持った人も少なくなかったという事だと思うんです。時代が違うとはいえ、或る意味「無計画で無鉄砲な旅」に対する憧れ。ですから危険な地域に入り込んで人質になったりする日本人のニュースを見聞して「何を考えてるんだか・・・。」と思う一方で、「自分なりの志を持って、何かをしてやろうと思い足を踏み入れたのかも。」と擁護では無いですが、そういった思いが頭を過ったりする事も在ります。勿論、総合的に考えれば決して好ましい事では在りませんが。
あと五木寛之の「青年は荒野をめざす」!
またまたコメントでgiantsさんの手間を取らせてしまい申し訳ないのですが、
小田実や五木寛之の著書に憧れて、本当にシベリア鉄道に乗ってヨーロッパまで行った知人が数人いました。中にはあっちに居ついて、現地の方と結婚し帰化したという人もいると又聞きで聞きました。
よく昭和は夢があってよかったなんていいますが、1970年前後は混沌としていまして。若者の間には絶望感があったり、直接運動に関わらないノンポリ(=私)であってもどこかその淀んだ空気にいたたまれなくなっていました。本気で海外に逃げ出すように横浜から船に乗った人もいたことは事実です。
私には出来ませんでしたが。
今でこそその夢の象徴のように言われる万博に対しても若者の間ではシラケと反発ムードがありました。今思うと行っておけば良かったようにも思うのですが、なんだか周りのムードに流され、大阪での反パクには行ったんですけどね、って多分こういうサブカルチャーはご存じない方のほうがもう多いのでしょうね…。
ただ小田もミッキーも「日本男児」であるということが前提すぎて、私にはあまり感情移入しかねるところがありました。後のバックパッカー族の女性であればまだ違ったのでしょうけれど。白人コンプレックスの裏返しのような「俺はこんなにもてたぞ。どうだ!」も鼻についたのは確か…。
そんなこんなも含め、時代ですね…。
あの本を忘れて約20年、昭和の終わりに初ハワイ。その2年後に初オーストラリア、とシベリア鉄道とも無縁な「青年は荒野をめざす」とは程遠い「中年は楽チンを目指す」旅でした
我々より後の世代はTOEICなどの普及により、語学力の習得が就職に有利だったりして、入社時の語学力は我々の世代よりも高いのですが、なぜかうちの職場で「グローバル」と名のつく仕事は私に回ってきていました。記事にあります通り、PCなどでバーチャルな世界に慣れ、情報の扱いには長けている反面、生身の人間との付き合い方に慣れていない若手が増えてきたように思えます。海外旅行で現地の人と交流することはその格好の訓練に思えますが、そういったリアルの世界に興味がない、面倒くさいではますます後退していくようで将来が心配です。
個人的には荻原さんが主張しているような収入の問題だけではないと思います。
toshi16様のブログに書かせて貰ったのですが、自分も燃料サーチャージの高さは、海外旅行をしようかどうか迷っている人達の大きな障害になっている様に思います。格安ツアーを見付けても、燃料サーチャージ等を加味すると“御得感”がかなり薄れてしまうどころか、高く感じてしまうんですよね。実際に書かれている料金(燃料サーチャージや諸経費を除く。)だけで済むと思って申し込んだ客が、トータル費用を目にして「何でこんなに高いんだ!」とクレームを入れて来るケースも少なくなかったと聞きます。ですからHISが全て込みの表示をし始めた所、そういうトラブルは無くなり、「予算を組み易い。」と好評だとか。
それと個人的に思うのは、一人でツアーに参加した際のプラスαの料金が高いですよね。熟年層でも「旅行は一人でしたい。」という人も少なくないと聞きますし、そういう人達を取り込む意味でもプラスα分をもう少し安くして欲しいもの。ホテル側も部屋を遊ばせておくよりは、或る程度値段を下げてフル稼働させた方が得だと思うんですけどね。
最近はそれも少なくなりました。
(とは言いながら自ブログで、海外編も掲載してますが・・)
というのは
「燃料費追加分」が高いことです。
ネットで航空券の値段を調べても
それ以外にたんまりと
燃料費追加を取られます。
たしか50%くらい別口で必要だったと思います。
旅行会社の立場からすると、
変動する追加分を含めた値段を記載すると
燃料がもし高騰したら損するかもしれないリスクを負わねばなりません。
しかし総額が検索しても判らない点が
「行ってもいいかな」と思い調べる人の
心理的障壁になっていると思います。
若者の旅行離れというテーマからは
少し離れているかもしれませんが、
原油高の今の状況は、旅行に行く気持ちを
萎えさせているのは間違いないと思います。
薔薇様は自分(=giants-55)を買い被り過ぎですよ。過去の記事を読んで戴ければ御判りの様に、自分は心の狭量な人間です。それを自覚して、時々嫌になりますし。
当ブログを覗いて下さるだけでも嬉しいのに、ましてやコメントを残してくれるというのは感謝以外の何物でも在りません。様々な御意見によって、「嗚呼、こういう見方も在るのか。」と自身の勉強にもなりますし。
資本主義国家で在る以上、儲ければ儲けた程、それに見合った利益を得るのは決して悪い事では無いのですが、今は余りにもそのバランスが悪過ぎる気がします。“実働部隊”として必死で働いている人達が、組織の歯車“以下”の存在になってしまっているというのは、国家が発展して行く上で決して好ましい状態では無い様に感じます。
現代社会では必要不可欠な存在の原油が、マネー・ゲームによって高騰し続ける。そればかりか、人間が生きて行く上で無くてはならない食糧迄もがマネー・ゲームの最中に。発展途上国と称される国の貧しき民達が、マネー・ゲームの最大の被害者になってしまっている現状は、唯々寂しい限りです・・・。
海外旅行が今程身近では無かった時代、小田実氏やミッキー安川氏の著した本によって異国の地に夢を馳せた人々は少なくなかったのでしょうね。自分の場合は彼等の作品では無く、沢木耕太郎氏の「深夜特急」にて「海外を旅したい。」という思いが強く後押しされました。
国内旅行に比べると、色々制約の在る海外旅行。それで「もう結構。」と思われてしまう人も居られる事でしょう。海外旅行の魅力の一つが「異なる文化に触れる。」で在ると同時に、その異なる文化に触れて疲労困憊してしまう事も。
小田実さんの著書のタイトルですね。
当時、あまりに外国は遠かった。
今は、日本で充分というのが本音の人多いでしょうね。
実は海外旅行苦手の人です。
個人旅行数回、団体旅行1回。
個人の際は言葉と食べ物、習慣の違いに苦労しました。店が早くしまる、チップの有無、等。
団体さんは…推して知るべし、です^^;。
お年寄りが多いといろんな面でくたびれます。
>沢辺宏
JTBにいるとビックリするほど安く旅行にいけて、ビックリするほどの社員優待が得られるから一般客の気持ちなんかわからないんでしょネー。そうそう、パリのホテルに携帯電話をウッカリ忘れた際の旅行会社の対応は酷かった!!電話取り返すのに2万も手数料取られました。あれ以来海外旅行行ってません…。コリゴリ。
特に意識しているつもりも無いし、両親が揃っている家庭だから偉いとかとも思っていないのですが、そう捉えられてしまうのでしたら、己が文章の稚拙さを申し訳なく思うばかりです。又、自分の思考が古臭いというのは、当ブログでも何度か記している事で在り、これは仰る通りです。それでも当ブログを覗いて下さっている様で、これは心から感謝申し上げます。
世代間で構成している人数のバラつきが在りますから、仰る様に単純に人数の減少だけで単純に「○○離れ」とするのも妙とは言えますね。その世代の全体に於ける割合比較と言うので在れば、未だ的を射ていると言えるのかもしれませんが。
Jリーグに関しては知識が会務に等しいのですが、若年層の客が減っているのですね。Jリーグの人気は相変わらず高いものとばかり思っておりましたので、一寸意外な話でした。
最近は、30代以上にターゲットを絞った商品が売れている様ですね。懐かしい曲をカバーしたCDを、店頭で良く見掛けますし。
海外旅行の楽しみの一つが、異国の食事を堪能するというのが在ると思います。でもミロ・クローゼ様が書かれている様に、我が国は便利な国ですから、それこそ六本木ヒルズ等に行けばあらゆる国の料理が食せてしまう訳で、この点に於いてはわざわざ海外に行かなくてもというのは在りましょうね。
今後とも何卒宜しく御願い致します。
世知辛い御時世ですから、正社員でもなかなか長期休暇は取り辛いでしょうね。唯、仰る様に比較で言えば、派遣社員の方が立場の不安定さは在ると思います。
社会を構成するほんの一握りの人達が、利益追求の余りに多くの人達を使い捨てにしている現実。それが格差社会を促進させている一因で在る訳ですが、或る時点でその流れが変わるのか?はたまたこのまま行き着く所迄行ってしまうのか?日本社会が大きな変革期に在るのは確かでしょうね。
冒険の心も薄くなってるんじゃないのかな。
あんたさあ、いつものこのフレーズだけど、ちょっとクドいよ。
あんたの心の中でコンプレックスが強かろうと知ったことじゃないし、父親がいる家庭が普通で偉い、っていう考えが強すぎるんじゃない?
なんか日記の内容もいつも結構古臭い考えの人って言う気もするし。
>○○離れ
まあ正直、もともと人数が少ない世代(だいたい1976年辺りから減少に転じてるんだし)、それで数が減ったからっていちいち○○離れとか言われてもと思うが
Jリーグのいくつかのチームも
10代後半~20代の客が来ないことに頭を悩ませてるようです。Jリーグブームの頃の20代に客層のピークが移り、その後の世代が来ないらしい。そういえば最近ドル箱だった日本代表戦も空席目立つよね。学割を導入したチームあったが、効果の程はどうなのかな?
どうでもいいがCDが発売されたのは1982年だから30年はたってない。
しかし、最近の音楽興行を見ると、ターゲットが明らかにR35に移ってるのは確か。
まあコンサートチケットが高価、っていうのもあるけどねえ。
>海外旅行全盛時代を知る世代には信じられない程堅実。
20代ではないが30ちょいの人たちもそんな感じだなあ。逆に親やジジババ世代に怒られてるの見た事ある。「もうちょっと金使え、旅行ぐらい行け」とか「車ぐらい買わないと
一人前じゃない」とか。
そういうのが世代間断絶なのかなあ?
まあ一概には言えないと思うけど。
あと日本というのはかなり独特の国だし、
便利な国だから、外国へ行くとウンザリして余計疲れるという話はあるな。パリ症候群ていう病気もあるし。
とても楽しく、また行きたいと思いました。
それから一度も海外旅行には行っていません。
新婚旅行も北海道でした。
韓国や台湾なら、格安で1泊2日の海外旅行も可能です。
でも国内にも魅力的なところは、沢山ありますからね。
海外旅行業者は知らないうちに、国内旅行業者とも戦っているということではないでしょうか。
5~6年前に、前職の職場で企画した旅館・ホテル業者向けの講演に講師として招いた方が、似てようを言っていましたね。
これからは、
「旅館もイタリアやハワイと戦わなければならない。」
と・・・
旅行者の動向を単なるブームで片付けるのではなく、業者の戦略としてみるのも面白いです。
近場だけど、セレブ気分。
そんな旅館やホテルが増えていますから。