明々後日の28日、プロ野球は開幕戦を迎える。全144試合の内の1試合なれど、開幕戦は他の143試合とは違った重みを持つ。勝ったチームの選手やファンは「今季は調子が良さそう。」と感じるだろうし、負けたチームの選手やファンは逆の思いになるだろう。
そんな重い試合の先発投手、即ち「開幕投手」に選ばれるのは、投手にとって非常に名誉な事で在るのと同時に、此れ以上無い重責を背負う事でも在る。
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「『菅野智之で行きます。』原監督が開幕投手明言」(3月24日、スポーツ報知)
巨人・原辰徳監督(55歳)が24日、都内で行われたセ・リーグのファン・ミーティングで、今季の開幕投手を2年目の菅野智之投手(24歳)に任せると発表した。
イヴェントの中に、ファンが各球団の開幕投手を予想するコーナーが在り、巨人への予想は内海となった。原監督は「う~ん。」と一瞬考え込んだ後、「此れだけのファンが集まって戴いて、ファンの為のプロ野球なんで、敢えて此処で発表します。菅野智之で行きます。」と、3月28日の阪神戦(東京D)先発を明言した。「チームの中で,彼が相応しいという事。彼が勝ち取ったという事です。」と抜擢の理由を説明した。
巨人でプロ入り2年目迄に開幕投手の大役を務めるのは、2000年上原浩治(2年目)以来、14年振り9人目(13度目)となる。
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此方に「ジャイアンツの歴代開幕投手」が紹介されているが、1985年以降の30年間は次の様になっている。
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「ジャイアンツの歴代開幕投手」(1985年~)
1985年:西本聖氏
1986年:江川卓氏
1987年:西本聖氏
1988年&1989年:桑田真澄氏
1990年:斎藤雅樹氏
1991年&1992年:槙原寛己氏
1993年~1997年:斎藤雅樹氏
1998年:桑田真澄氏
1999年:バルヴィーノ・ガルヴェス氏
2000年~2006年:上原浩治投手
2007年:内海哲也投手
2008年:高橋尚成投手
2009年:セス・グライシンガー投手
2010年:内海哲也投手
2011年:東野峻投手
2012年:内海哲也投手
2013年:宮國椋丞投手
2014年:菅野智之投手
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1999年のバルヴィーノ・ガルヴェス氏、2008年の高橋尚成投手、2009年のセス・グライシンガー投手、2011年の東野峻投手、そして昨年の宮國椋丞投手以外は、“エース”と言って良い名前が並んでいる。菅野投手が其の中に加われるかどうか、今後に期待したい。
「昨年の日本シリーズ第6戦、“不沈空母”の田中将大投手と投げ合い、勝利投手となった。」事で、菅野投手は一皮剥けた。彼の能力は極めて高いし、日本を代表する名投手に成り得ると思っているが、でも、今季の開幕投手は内海投手に努めさせて上げたかった。
昨年はWBCが開催された関係で宮國投手に開幕投手の座を譲ったものの、「今季は何としても、開幕投手の座を掴み取る!」という思いが、内海投手には強く在ったと思う。実際、彼の言動からは、そんな思いがひしひしと感じられたし。
「チームに対する愛情の深さ」、「他の選手達への細やかな心配り」、「責任感の強さ」等、内海投手は本当にナイス・ガイ。其の憎めないキャラクターも在って、「今季は、彼が開幕投手に返り咲くと良いなあ。」と思っていたので、非常に残念だ。