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「ペットの命 責任は ~業者が保護『第2の生導く』~」(3月24日付け東京新聞【朝刊】)
埼玉県のペット・オークション業者が、売れない犬を引受先が見付かる迄保護する施設「シェルター」を運営している。「殺処分している。」との批判も在った業界を変える試みで、運営する上原勝三さん(58歳)は「1匹でも多く“第2の生”に導きたい。」と話す。
「3万5千円、3万6千円-。」。同県白岡市で2月に開かれたオークション。愛くるしい子犬が段ボール箱から取り出され、競りの声が飛んだ。値段が付く迄、1分と掛からない事も。直ぐに次の箱が開き、小さな命は次々と落札された。
環境省等によると、ペット店に並ぶ犬や猫の約4割は、各地のブリーダーが繁殖させ、全国19のオークション会場の何れかを経て、店が落札するルートを辿る。競りの前後に先天性の病気が判明すると売れず、業者の倒産や廃業、高齢ブリーダーの急病で行き場を失う場合も在る。
上原さんは業者団体の会長も務め、三ヶ所でオークションを運営。同県美里町に2010年、シェルターを開設した。「実態が不明で、ブラック・ボックスとも言われたペット業界のイメージを変えたかった。」と話す。
約3千3百平方メートルの土地に屋根付きの檻や小屋が立ち並び、保護している犬は常時約120匹。従業員3人が毎日2時間掛け、計約40kgに上る餌を与え、糞を処理する。2013年には、群馬県高山村にもシェルターを作った。
費用は収益や業者からの寄付で賄い、3ヶ所のオークション参加者が利用出来る。
此れ迄に約1,900匹を保護し、内約1,400匹が、犬の毛を整えるトリマー養成学校や愛護家等に引き取られた。
2012年度に全国の保健所で殺処分されたのは、野良犬・猫が大半で約16万匹。多くの業者は取材に「売れなかった時は、最後迄飼い続ける。」と話すが、「保健所に持ち込んだ事が在る。」と明かす関係者も居た。
上原さんは「業者が安易にシェルターに依存する可能性も在るが、業界全体で負担する仕組みを作りたい。」と力を込めた。
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「1つでも多くの命が救われて欲しい」等、「『要らなくなったから。』とポイ捨てされる玩具の如く、数多の犬や猫が殺処分されている現実。」に付いて触れた記事を、過去に幾つか記して来た。「人間や動物の命を軽んじる様な風潮」には憤りを感じ続けていたので、今回のニュースは嬉しかった。
こういう取り組みを業界全体で拡大して欲しいし、其の為“だけ”(天下り先等、訳の判らない事に流用されるのは絶対に駄目!)に費やされるので在れば、ペット購入時に幾許かの上乗せがされても良いと思っている。
又、ペットを飼い続ける心構えが明らかに出来ていない人に対しては、ペット店側が「売らない。」というシステムも必要ではないだろうか。