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「オーストラリアの貝礁、事実上全て消滅 海洋生態系に大危機」(2月15日、AFPBB News)
「牡蠣礁や貽貝礁等、オーストラリアの貝礁が、事実上全て消滅した。」とする研究結果が15日、発表された。「同国の海洋生態系の中でも、貝礁が最大の危機に立たされた。」として、研究者等は貝礁再生の為、更なる資金援助を求めている。
近年、オーストラリアに於ける珊瑚礁の減少が世界的な注目を集めているが、米科学誌「プロスワン(PLOS ONE)」に掲載された研究論文によると、英国が入植を開始した230年前以降、貝礁の90~99%が消滅した事が判ったと言う。
沢山の牡蠣や貽貝が寄り集まって形成される貝礁は、熱帯性気候と温帯性気候の地域両方の湾や河口、沿岸等で発生していた。貝礁は複雑な生体構造で、様々な無脊椎動物や魚に餌や生息地を提供すると共に、水質の改善や海岸線の保護にも寄与している。
研究を主導した自然保護団体「ネイチャー・コンサーバンシー(Nature Conservancy)」の海洋担当責任者で、研究主任のクリス・ジリーズ(Chris Gillies)氏は「世界中で貝礁の状態が良くない事は既に判っていた事で、全体の85%が消滅、若しくは深刻な劣化を招いている。」と指摘。更に「我々の研究によって、オーストラリアの重要な海洋生息地の状況が特に酷い事が判明している。ロックオイスターは10%以下、ヒラガキは1%以下の生息地しか残っていない。」と明らかにした。
研究者等は「貝礁の劣化が、蓄積されていた炭素の放出の一因となり、気候変動の激化や暴風雨襲来の頻発化、海面上昇、海洋の酸性化等、沿岸部のリスクを高めている。」と指摘している。一方で、貝礁の減少につ繋がる脅威を除去すれば、貝礁の再生も可能だとし、貝礁生態系の機能や価値に付いての啓発の重要性と、再生プロジェクトへの資金提供を訴えている。
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「人類の歴史は、自然破壊の歴史でも在る。」なんて言われるが、「オーストラリアの貝礁が、事実上全て消滅した。」というのは正にそんな証左で在り、衝撃的な話だ。
唯でさえ「自然破壊が、気候変動等を加速化させている。」と指摘されているのに、貝礁の劣化や消滅が其の後押しをする様な事になれば、結果的に人類は滅びの方向に向かう事だろう。「貝礁の減少につ繋がる脅威を除去すれば、貝礁の再生も可能。」というのが救いでは在るけれど・・・。
いやしくも、この地球上で知性を獲得した生物は人類だけです。他の生命を未来に残すことは、知的生命としての人類の最も重要な義務であり、責任です。
この地球は人類だけではのものではありません。この人類の文明もいずれ終焉の時をむかえるでしょう。そのときには、この義務を果たして立派に終焉を迎えたいものです。
「他の生命を未来に残す事は、知的生命としての人類の最も重要な義務で在り、責任です。」、全く同感ですね。トランプ大統領の発言から垣間見れる物は、「自身の権利を主張しているだけで、負うべき義務に付いては一顧だにしていない。」という事。此れは彼だけの話では無く、世界中にそういう思考が溢れており、我が国も例外では無い。権利を主張するには、先ず負うべき義務を負わなければならない。