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「長崎県職員は不健康? 健診『有所見者』9割超」(1月29日、長崎新聞社)
長崎県は28日迄に、県職員の2017年度の健康診断で「軽度異常」や「再検査」、「要精密(検査)」等と判定され、何等かの異常が見られた「有所見者」の割合が92.8%に上ったことを明らかにした。
長崎県職員厚生課によると、職員4,095人が受診した健康診断で、有所見者の割合は血中脂質で67.8%に上った。血糖は33.6%、血圧は33.9%が有所見者だった。長崎県職員の平均年齢は、昨年4月時点で43.5歳。
同課は「此処数年、血糖に所見が見られる職員の割合が増加傾向に在る。」と分析。「高カロリーや油分の多い食品等を、多めに取っているのではないか。」と推測する。
長崎県は「健康長寿日本一の県作り」の旗振り役だけに、職員の「不健康」を危惧。2月4日に「オフィスで出来る健康体操」をテーマに、職員向け健康講座を開く事にした。日本健康運動指導士会県支部の担当者が、椅子に座った状態で出来る体操等どを伝授。スーツ姿でも参加出来ると言う。
健康長寿日本一の県作りは、中村法道知事が重要視しており、長崎県は此れ迄も職員向けヘルシー朝食会やウォーキング教室を開き“県庁発”の健康作りのノウハウを発信して来たた。同課は「職員が率先し、取り組みを実践する事が重要。」と、「不健康」の返上に向けて巻き返しを図る。
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「健康診断で、有所見者の判定を受けた長崎県職員数が9割越え。」というのは、確かに由々しい事だ。100人健診を受けたら、「問題無し。」は7人も存在しなかったという事だから。でも、冷静に内容を分析する必要は在るだろう。
長崎県職員の有所見者数に関して、此処数年の推移が気になる。「此処数年、血糖に所見が見られる職員の割合が増加傾向に在る。」と元記事では書かれていたけれど、例えば「此処数年の有所見者数は、80%半ば位で推移していた。」というのと、「此処数年の有所見者数は、70%前後で推移していた。」というのでは、イメージが大きく異なる。
他の都道府県職員の有所見者数は、どんな感じなのだろうか?長崎県職員と長崎在住者の健康状態が100%一致するとは言わないけれど、同じ土地に住んでいるので在れば、健康状態の傾向は似て来ると思う。2017年7月に厚生労働省から発表された「簡易生命表」によると、都道府県別の平均寿命で長崎県は「男性:80.38歳(47都道府県中、17番目の短さ。)、女性:86.97歳(47都道府県中、20番目の短さ。)」という事で、「極端に短くも無く、又、極端に長くも無い。」という微妙な位置付け。長崎県職員と長崎在住者の健康状態の傾向が似ているとしたら、平均寿命が長崎県よりも短い都道府県の職員は、もっと有所見者数が多くてもおかしくはないだろう。
過去に一度だけ、長崎を訪れた事が在る。一度の経験だけでどうこうは言えないが、宿で出された「卓袱料理」が強烈に印象に残っている。大皿に盛られた料理の量&品数の多さ共に、もう半端無いのだ。大食漢の自分でも、全て食べ切るのに難儀した程。宿の方に「他の宿でも、こんな感じなんですか?」と聞いた所、「まあ、こんな感じですよ。」と。一般家庭で日常的に卓袱料理を食べている訳は無いが、量や品数の多さが反映されているとしたら、高カロリーや油分の多い食品等を、多めに取っているのではないか。」という長崎県職員厚生課の推測も、決して的外れでは無いだろう。
今回の結果に関してという訳では無いが、「有所見と判定する基準が、どんどん厳しくなっているのではないか?」という思いが在る。“高血圧”が最たる例で、正常値とされる基準がどんどん下がって来ており、医師の間から「正常値とする確固たる理由が無いのに、どんどん下げるのはおかしい。」という声が上がっているとも聞く。「有所見者数を増やす事で、医師及び医薬品メーカーを儲けさせるのが目的ではないか?」という気すらする程。