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「月、火星居住に向け共同研究 人工重力施設等構想‐京都大と鹿島」(7月5日、時事通信)
京都大学と鹿島建設は5日、「人類が月や火星で生活する時代に必要となる、重力を人工的に生み出す居住施設構想に付いて、共同研究を始める。」と発表した。
構想は21世紀後半、人類が月や火星への移住を実現すると想定。月や火星は地球に比べて重力が小さく、長期間の滞在は健康や発育等への影響が懸念される。此の為、施設全体が回転するグラスの様な形をした居住施設を建設。遠心力で、地球環境と同等の重力を人工的に発生させる。
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「構想は21世紀後半、人類が月や火星への移住を実現すると想定。」という事で、自分が生きている間には、九分九厘実現不可能な話だろう。実際に移住出来ないにせよ、ニュース映像等で“出来上がった施設”を見られないのが、とても残念だ。
宇宙で人類が生活をする際、重力は大きな障害の1つ。「地球の重力を『1』とすると、月は其の『約6分の1』、火星は其の『約3分の1』。」と言われている。「そんなにも重力の負荷が掛からない状態で生活を続けると、筋力の低下のみならず、骨粗鬆症に似た現象も起きて来る。」のだ。
其処で、今回京大等が構想しているのは「居住施設全体が回転する事で、遠心力により地球環境と同等の重力を人工的に発生させる。」という物。居住施設全体を回転させる“永続的なエネルギー”をどう生み出すかも含め、実現には解決すべき点が数多く在ろうが、人類の叡智で、何とかクリアして欲しい。
“居住施設”という事で、個々の世帯が居住する小さな施設を想像していましたが、確かに「2001年宇宙の旅」やウルトラ・シリーズでは、回転する巨大な宇宙ステーションが登場していましたね。
悠々遊様の御指摘で、より一層実現の難しさを感じましたけれど、「日々、鬱陶しいニュースが多い現代。」に在っては、こういう夢の在る話って、心のもやもやが吹き飛びます。
七夕の日にふさわしい話題ですね(笑)。
回転による遠心力で重力を生み出すというアイデアはSFでは古典的で、かの映画「2001年宇宙の旅」の前半でも、回転する巨大宇宙ステーションが描かれていましたね。
ただ、月や火星の地表で遠心力を利用して重力を生み出すという方法がどんなものなのか、私には想像もできません。
仮に地軸に対し直角、つまり回転する独楽のようなものなら、地表に対し平行方向への遠心力と、地表方向の引力の両方を同時に受けることになる。
いっぽう、地表を転がるような回転軸なら、通常と逆さまの向きで引力+遠心力の重力と、引力‐遠心力の重力が高速で交換されることになるだろうから、体への負担がどうなのかな。
遊園地の絶叫マシンのように短時間なら影響は無視できても、そこで生活するとなると・・・。