*********************************
「小渕氏資金管理団体:不透明支出、5年間で1,000万円超」(10月16日、毎日新聞)
政治資金でベビー用品や化粧品、著名デザイナーズブランド迄。小渕優子経済産業相の資金管理団体は、政治活動との関係が薄いと見られる領収書を添付し、政治資金として計上していた。不適切・不透明な支出は、実姉の夫が経営する服飾雑貨店への支出分を含めると、2012年迄の5年間で1,000万円を超えている。
毎日新聞が情報公開請求で入手した小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」の領収書や政治資金収支報告書等によると、同団体は2009年、本来は事務所の維持に充てる「事務所費」として、ベビートドラー(乳幼児向け用品)3点と化粧品、ストールの計約4万5,000円を支出していた。
又、政治活動に充てる「組織活動費」として、著名デザイナーズブランドへの支払い計3件119万円余、下仁田葱の送料や品代計4件261万円余等を計上。銀座の百貨店の「子供・玩具売り場」への支出計5件15万円余(内1件1万円余は、事務所費に計上。)の内4万1,580円は、2011年12月24日のクリスマス・イヴに支払われていた。
組織活動費の支出先は他にも、女性用肌着売り場や婦人靴・バッグ売り場、紳士服売り場等、多岐に亘る。更に、銀座の百貨店や同店「御得意様営業課」に支払った計14件429万円余と、銀座の高級装飾品店への計10件46万円余に付いては、領収書の但し書きが何れも「品代」とだけ書かれ、使途が明らかにされていない。
小渕氏は元首相の父恵三氏が2000年に死去した事で後継候補となり、衆院議員に当選、同年に恵三氏と同名の資金管理団体「未来産業研究会」を新たに設立。恵三氏の資金管理団体は解散し、残金1億6,000万円の内1億2,000万円が、別の2つの政治団体を迂回して小渕氏の未来産業研究会に引き継がれた。
未来産業研究会の繰越額のピークは2006年末の1億6,610万円。其の後、繰越額は減少し、2011年末は6,457万円。2012年分の収入は2,505万円で、内訳は政治資金パーティーの2,016万円と寄付の489万円で大半を占める。
*********************************
「支援者向けに開いた観劇会を巡る不明朗な使途(約2,600万円を政治資金で処理?)」に加え、「5年間で1千万円を超える不明朗な使途」が明らかとなった小渕大臣。記事「火種」で指摘した様に、第2次安倍改造内閣には“内閣の火種”になりそうな大臣が何人か居るのは認識していたが(案の定、指摘した連中は次々に問題を起こしたけれど。)、其の中に小渕大臣は入っていなかった。「何も出来ない“御飾り”だけれど、“比較的”身綺麗な人物。」というイメージが在ったので。
政治資金は、大別すると3つ。先ずは、個人や企業・団体からの「寄付(献金)」で、癒着を防ぐ意味合いから、企業から政治家個人への献金は禁止されている。2つ目は、政治団体が政治資金を集める為に開催する有料のパーティーの「政治資金パーティー」。そして3つ目が、政党の活動を税金で助成する「政党交付金」だ。全てでは無いにせよ、政治資金に我々の血税が投入されている事を、もっと多くの人が真剣に考えなければいけない。
支援者向けに開いた観劇会の費用の一部を政治資金で処理していたとしたら、支援者に対する寄付行為、いやもっと的確な表現ならば“賄賂”に当たると言って良いだろう。「こういう“習慣”は昔から在る。」とか「自分が貰う立場ならば嬉しいでしょ?」なんぞという声も在るだろうけれど、そういう浅ましい、「自分さえ良ければ、どうでも良い。」という考え方が、日本の政治を腐らせ続けている事を認識しないと駄目だ。
又、「政治活動で世話になっている人達への贈り物に、政治資金を使った。」なんぞと言い訳している様だが、使うならば血税が投入されている政治資金では無く、自身のポケット・マネーを使うべきだし、抑、そういう遣り取り自体が妙な癒着を生んでいる訳で、可能な限り控えるべき。(有権者の“集り体質”も問題。)
私的な買い物に政治資金を流用している疑惑も囁かれているが、もし事実ならば「恥を知れ!」と言いたい。こんな人間が“将来の首相候補”と言われているのもどうかと思うが、現首相も相続税約3億円を“脱税”した疑惑が在るのに、一切説明責任を果たしていないのだから全く情け無い。
10年前に「小渕優子なんか飼うな!」という記事を書いた。2000年、世襲候補として立候補&当選した小渕優子さんが、当選時に「政治の事は何も判らないので、此れから後援者の皆様に育てて欲しい。」と発言した事に付いて、「政治家は国民の生殺与奪権を握る存在で在り、政治の事を何も判らない人間が世襲で政治家になって、『育てて欲しい。』と口にするなんて、国民を馬鹿にしている。」という憤りを記した内容。
初当選から14年が経過。結局、後援者の人々によって彼女が育てられたのは、「答弁で、与えられた原稿を棒読みする事。」と「『公私混同』という政治家の十八番。」だけだった様だ。
国民からは次々に金銭を巻き上げる一方、自分達は私服肥やしに専念。“歴代首相の中で最悪の首相”が口にする「美しい国」とは、「そんな政治家で溢れ返る国」に違い無い。