ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ノックス・マシン」

2014年03月21日 | 書籍関連

2014本格ミステリ・ベスト10【国内編】」では4位、「2013週刊文春ミステリーベスト10【国内編】」では3位、そして「このミステリーがすごい!2014年版【国内編】」では1位と、昨年のミステリー関連の年間ブック・ランキング軒並み高い評価を受けた「ノックス・マシン」(著者法月綸太郎氏)。

 

「ノックス・マシン」の「ノックス」とは、今は亡き元大阪府知事の事では勿論無く、「イギリス聖職者にしてミステリー作家でも在ったロナルド・ノックス氏が、1928年に『ミステリー小説を書く上での10の禁じ手』として挙げた『ノックスの十戒』。」を意味する。

 

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上海大学のユアン・チンルウは、国家科学技術局からの呼び出しを受ける。彼の論文の内容に付いて確認したいと言うのだ。其の論文のテーマとは、イギリスの作家ロナルド・ノックスが発表した探偵小説のルール「ノックスの十戒」だった。科学技術局に出頭したユアンは、想像を絶する任務投げ掛けられる。

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「ノックス・マシン」、「引き立て役倶楽部陰謀」、「バベル牢獄」、そして「論理蒸発‐ノックス・マシン2」という4つの短編小説で構成された「ノックス・マシン」。全作品、“純粋なミステリー”というのでは無く、“本格ミステリーを元ねたにしたSF”といった感じ。

 

「ノックスの十戒」の第5項に在る「中国人を登場させてはならない。」という不思議な内容を軸に、タイム・パラドックス絡めた「ノックス・マシン」及び「論理蒸発‐ノックス・マシン2」は然る事乍ら、「バベルの塔」も“理系テースト”が強く、好き嫌いがはっきり分かれる作品だろう。

 

個人的には、「ワトスン博士ヘイスティングズ大尉等、古典ミステリーに登場する名探偵アシスタント達が顔を揃える作品。」の「引き立て役倶楽部の陰謀」が面白かった。映画名探偵登場」や西村京太郎氏の小説「名探偵なんか怖くない」等と同様、こういった設定は古典ミステリーが好きな人間には堪らないと思う。

 

全体を通して、大のミステリー好きならば興味を惹かれる内容だろうけれど、一般受けする感じはしなかった。ミステリー大好き人間の自分だが、「引き立て役倶楽部の陰謀」以外はピンと来なかったし、「ノックス・マシン」がこんなに高い評価を受けているのが、正直不思議。

 

総合評価は、星2.5個


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1 コメント

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私もイマイチ (雫石鉄也)
2014-03-21 16:22:44
私も、この本読みましたが、面白いことは面白かったですが、「このミス」で1位になるほどの作品とは思えません。
本格古典探偵小説プラス本格ハードSFということなのでしょう。だったら本家の探偵小説、本家のSFを読んだ方がいいですね。
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