ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

幾ら好きだからといって

2009年08月10日 | 時事ネタ関連
放送作家・鈴木おさむ氏がAERAに連載している「ザ・私聴率」というコラムの中で以前、「非常に衝撃を受けた。」と紹介した番組が在った。その番組は「NHKスペシャル 『ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる』」。

こちらにも記されているが、ヤノマミ族は子供を出産した際、臍の緒が付いた状態の赤ん坊を前に、或る決断を下すと言う。それは「人間」としてそのまま育てるか、それとも「精霊」にするかという決断で、精霊にすると決めた場合は臍の緒が付いたままの赤ん坊をバナナの皮に包んだ上、白蟻蟻塚に放り込み、白蟻が赤ん坊を食べ尽くすのを待つ。そして食べ尽くした所で蟻塚ごと焼却して、精霊が誕生した事を神に報告するのだとか。

この番組ではその一部始終淡々と映し出していたと言う。「文化の違い」、否、「死生観の違い」と言えるだろうが、確かに衝撃的なシーンだと思う。自分はこの番組を見ていなかったので「再放送が在れば見たい。」と思っていたが、今週その再放送が在る。8月13日(木)0時35分~1時35分には総合テレビダイジェスト版が、15日(土)8時30分~10時20分にはデジタル衛星ハイビジョンでオリジナル版が再放送されるので、興味が在れば見られては如何かと。

閑話休題

夫が警察車両内でズボンを脱がされ、中から覚醒剤が見付かった際、駆け付けた妻・酒井法子容疑者が警察官に向かって「この辱めどうしてくれるの!」と言い放ったと言う。この事を知った時、「本当にそんな事を言ったのだろうか?」という思いが。「“おふくろさん”が“拵え”た“御夕飯”。」とか「そんな“法は無い”だろ。」等、今時の若者が99.99%口にしない言葉を平気で若者に吐かせる“橋田ドラマ”の様な違和感を覚えたのだ。そして次に思ったのは、「まるで浦見魔太郎の決め台詞『こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か。』みたいだなあ。」と。

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警視庁に電話殺到 『罪被るので、替わりに自分を。』 酒井容疑者逮捕で」(8月9日、産経新聞

覚醒剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された酒井法子容疑者(38歳)に付いて、警視庁にファンからの電話が殺到している。

一時、酒井容疑者の身柄が移送された警視庁渋谷署には、8日夜から9日にかけて「(刑事)処分はどうなってしまうのか?」等と問い合わせが相次ぎ、署員が「御答え出来ない。」、「最終的な処分は裁判所が決める事なので。」と対応に追われた。署員は「細かい数までは把握していない。」とし乍らも「引っ切り無しに掛っている。数十件以上。」と話していた。

アイドル時代は幅広いファン層から支持されていただけに、「のりピーにメッセージを送りたい。」という声も届き、署員は「渋谷署では受け付けていないので、所属するサンミュージックに御願いします。」と困惑気味だった。

合成麻薬MDMAを使用したとして俳優の押尾学容疑者(31歳)が麻薬取締法違反の疑いで警視庁麻布署に逮捕される等、芸能界で薬物を巡る逮捕者が相次いだ事を受け、「芸能人には尿検査を義務付けるべきだ。」といった意見も届いたと言う。

一方、酒井容疑者が留置されている東京湾岸署にも、9日早朝から問い合わせが数十件寄せられ、署員が電話対応に追われている。捜査の進展に関する質問の他、のりピーの罪を被るので、替わりに自分が留置場に入りたい。という内容の電話も在ったと言う。
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冷やかし目的とか、年端も行かぬ子供からの電話ばかりだったと思いたい。良い年をした人間が警察署に「処分がどうなるのか?」とか「応援メッセージを送りたい。」なんてわざわざ電話するとは、普通の感覚じゃあ考えられないから。ましてや「罪を被るから、自分を替わりに留置場に入れてくれ。」なんて、一般常識の在る人間が言うとはとても思えないし。自分の中でそういう思いを秘めているなら未だしも、わざわざ電話をして言うというのはどうかと思う。幾ら好きだからと言って、犯した罪はきちんと償わせるのが本当の愛情ではないか?

裁判員制度の導入が決まった際、「『被告がイケメン(又は美人)だから、犯罪なんかする訳が無い。無罪だ!』等と言い出す裁判員が、絶対に出ないとは言えない。」という懸念を記事にした。半分は冗談だったが、残り半分は「在り得そう・・・。」という思いを持ちつつ。今回のニュースを目にして、その懸念が少し増してしまった。

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11 コメント

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こんばんはです。^±^ノ (てくっぺ)
2009-08-10 02:59:18
わ~やばいなぁ。^±^;

何を懸念してるかというと、裁判員制度でこの人たちが選ばれたら無罪にしそう・・・。

また、初めての裁判員制度でもうひとついえるのは、裁判員はそれなりの人材を選ぶべきと思います。
たとえば、非常に難しい問題を世間知らずの人が裁いていかがなものか。
そう思ってます。
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Unknown (雫石鉄也)
2009-08-10 13:17:49
私も、てくっぺさんと同じ危惧を抱きます。
酒井法子の裁判で、裁判員が酒井のファンばかりだと、無罪にしそうですね。
この制度、冤罪の危険が高くなるのでは。
検察、弁護、双方とも、いかに真実に迫るかよりも、いかに裁判員を説得するか、言葉を悪くいうと、いかにいいくるめるかになってしまいますね。
プレゼン合戦になって、プレゼンのうまい方が勝つでしょう。
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Unknown (マヌケ)
2009-08-10 14:23:50
アマゾンの儀式はリトル・ピープルが出てきそうな光景が想像されますね。 偏った思想信条を持つ人や特殊な信仰に入信しているような人が判例や法令の方が自分の信ずるところのものより下に位置すると考えたりすれば問題があるかもしれませんね。 選考の際にふるいにかけられるとしても心配にはなります。 アイドルとは崇拝の対象のことでもありますが、アイドルの身代わりとなって刑を受けるなんてまるでキリストの弟子のようです。 そして、すごく呆れます。 タオルを振り回して「ノリピー」とか叫んでいた集団の一人なのだろうか。 アキバ系なのだろうか。 なんだかなあ。 
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まあありそうな話ですが (Spa supernova)
2009-08-10 14:34:06
自分にとっては彼女はのりピー語とアジアで人気ということ以外あまり特徴のない(それが本人にも痛手だったのだろうな)印象だったので未だそこまで熱心な人がいるというのは驚きです。アニメの歌が多かったのも特殊なファンを産んだんでしょうか。
でも彼女のファン世代のアイドルファンはそういうタイプの人多いだろうなというのを実感として感じています。giantsさんもたまにご覧になると思うんですが、80年代ぐらいのアイドルに関するHPとかブログみると「熱心な支持者というかその面だけは時間が止まってるのか、いや、10代のときよりも熟成されてより濃厚になってるのか?」と思うほどアイドル愛を語る30後半~50前後の小父さんたちにちょっとひき気味になります。
以前、洋楽のHPを覗いていた頃ですが、掲示板で自分の書き込み(80年代のハードロック/ヘビメタブームの思い出)に異様に食いついてくる方がおられまして、携帯メールに連絡を!と何回も書かれましたので、当時ネット初心者であった自分はとりあえず連絡してみましたら、まあ激しすぎるアイドル(おニャン子)とハードロック愛を何通も書かれてきまして、困惑してしまいました。相手は一方的に充分思いを遂げられたようで、返事してもなぜだか返事がだいぶ経ってから来まして、しかも名前を間違えられていて「なんだかなあ」と呆れた記憶があります。長閑なネットの洗礼です(笑)。

今日見た昼のワイドショーのトーンもやや土曜の同局の夜のワイド番組に比べて「馬鹿な夫のせいで!」みたいな感じで彼女への処罰感情がややウヤムヤになっていました。局にも「ノリぴー馬鹿にしてたあのメガネ野郎殺す」みたいな電話が殺到したのかな。
小室の時のようにだんだん情状酌量を求める声が強まるかなという気がします。


>精霊

昔の「間引き」と「座敷わらし」の関連性についての話を思い出しました(怖)。
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>雫石鉄也様 (giants-55)
2009-08-10 22:47:58
書き込み有難う御座いました。今回はこちらにレスを付けさせて貰います。

「加害者の人権ばかりを重視し、被害者(乃至は被害者家族)の人権を蔑ろにしているかの様な報道や判決が多過ぎはしまいか?」そう感じる国民は少なくなかったと思うし、だからこそ裁判に於いては「判決と一般感情の乖離を出来るだけ狭めたい。」という考え方から「裁判員制度」は導入されたと思っています。裁判員制度第一例となった先だっての裁判では、それ迄の「量刑は求刑の七~八掛け」という“常識”よりは重い量刑になったのも、一般感情が強く反映された結果の様に感じますし、その意味では導入理由に沿っていると言えるのかもしれません。(私見で言えば、重罪にはより重罰で当たって欲しいと思っておりますので、この流れ自体には反意は無いんです。)

唯、懸念を覚えたのは記事でも触れた様に、裁判員の好き嫌いという感情が前面に出過ぎてしまう可能性。量刑はあくまでも法律で規定された範囲内で下される訳ですから、規定よりも厳しかったり、逆に甘かったりは出来ないものの、全く同じ容疑(動機等も含めて。)で在り乍ら、「この人は好きだから軽めの量刑。」とか「この人は嫌いだから重めの量刑。」となってしまうのはおかしな話。数多の信者を抱える宗教団体の教祖が殺人の容疑で逮捕された際、その信者が裁判員に選出されてしまうケースが絶対にゼロとは言えないだろうし、その事で甘い量刑となってしまったとしたら、これは問題。例として名前を挙げてしまうのは申し訳無いけれど、所謂「抱かれたくないタレントNo.1」の江頭2:50氏が全く同じ犯罪を犯したとして、「見た目が気持ち悪いから、罪を重くする。」なんて裁判員が出て来ないとも言えないし。少なくとも「類似した容疑で在れば、同等の量刑が下される。」という状況で無いと、まずいでしょうね。

とは言え、従来のスタイルでも妙な裁判官は居た訳で、「この量刑はおかしいだろ?」と感じる物も在った。どれだけ裁判に精通していたとしても、結局はその裁判官の思想的な部分が完全に排除される訳でも無く、「裁判に精通していない一般人だから駄目。」という物でも無いとは思っています。
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>マヌケ様 (giants-55)
2009-08-10 22:56:11
書き込み有難う御座いました。

「裁判員制度」に付いてそれ程詳しく知っている訳では無いのですが、第一回の例を見る限りでは、呼び出された候補者の中から“抽選”で裁判員乃至は“予備”を選ぶ様ですね。選考の際に“人”が介在すると、明らかに問題在りと思われる人間が選ばれる危険性を回避出来るかもしれないけれど、例えば特定の人間の意向に沿う裁判員を恣意的に選ぶという危険性も同時に在る訳で、抽選というスタイルはベストで無いにしてもベターな感じはします。

唯、怖いのは雫石様へのレスでも書かせて貰った様に、熱狂的な支持者を抱える容疑者が裁判に掛けられた時。スターや宗教団体の教祖等がそうですが、裁判員の中にそういった支持者が入ってしまうと、量刑が不当に軽く下される可能性がゼロでは無い。その辺が問題でしょうね。

「自己犠牲」と書くと美しく感じられるけれど、「盲愛」は「愛する人」の為に決してならない事を理解して貰いたいです。
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>Spa supernova様 (giants-55)
2009-08-10 23:14:39
書き込み有難う御座いました。

酒井法子容疑者がアイドルとして脚光を浴びていた時代、それは“正統派アイドルが居た最後の時代”だった様に思います。今ならばアイドルと称される者でも、平気で「好きな人が居ます!」とか宣言出来ちゃうけれど、当時はそんな感じでは無かった。「清く、正しく、美しく。」といった“幻想”が、未だ息衝いていた時代。

正統派アイドルに熱狂的なファンが付くのは何時の時代も変わらないのですが、例えば1970年代の女性アイドルで言えば「天地真理」さんだ「山口百恵」さんだ「桜田淳子」さんだ「南沙織」さんだと、様々なタイプのアイドルが居ましたよね。ところは酒井容疑者が全盛の頃は、彼女が唯一無二・・・とは言わない迄も、彼女が人気を独り占めしていたかの様な感じで、だからこそより熱狂的なファンが付いたのではないかという気がしています。

でも、好きなのは構わないけれど、罪を犯した可能性が在る以上は、その現実は現実として冷静に受け止めないと駄目。「何で逮捕したんだ!」と抗議の電話が警察署に在ったそうですが、その人は例えば江頭2:50氏が全く同じ容疑で逮捕されても同じ事を言うのだろうか?「この人は駄目だけど、他の人は構わない。」というのでは、全く御話になりません。

以前にも書いたのですが、親が子供だった時分、当時住んでいた田舎では「双子は不吉な象徴」として、生まれたら“闇に葬る”風習が残っていたそうです。勿論、それを表沙汰にする訳では無いけれど、双子が生まれて直ぐに亡くなると、「嗚呼、闇に葬ったのだな。」と地域住民は暗黙の了解をしていたと。
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直近では (悠々遊)
2009-08-11 14:14:45
草剛君の「全裸で大騒ぎ」事件の顛末がありましたね。あの時も相当な数の抗議電話があったとか。

微罪か重罪かの判断も必要ですが、信奉者を多数抱える有名人の場合は、その行動が世間に与える影響力を考えれば、一般より厳しい処分があってもいいと私は考えます。逆に良い事をすればマスコミを挙げて絶賛されるわけですから。

裁判員制度については、私はそんなに神経質には捉えていません。むしろ何でマスコミはここまで騒ぎ立てるのかと思っています。だって、裁判員制度の対象は一審の地裁じゃなかったっけ? 裁判員裁判で死刑が決まったからと言って即、死刑が確定する国じゃないでしょう?

二審の高裁、三審の最高裁では従来どおり、専門家が審理するのだろうし、その時に一審の裁判員裁判の判決が、従来の下級審判決よりも、裁判官たちに心理的圧力になるだろう。ぐらいの感覚なんですが。

それよりも重犯罪が起きるたびに、死刑だ、無期懲役だ、と無責任に騒ぎ立てる野次馬感覚が、この制度によって自分も真剣に考えなければならない、となるきっかけになれば意味があると思うのですがねぇ。
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>悠々遊様 (giants-55)
2009-08-11 15:27:23
書き込み有難う御座いました。

草氏の一件、違法薬物を摂取していたというなら話は全く別ですが、個人的にはあれ程大騒ぎする話では無かったと思っています。決して好ましい行為では無いけれど、大声で迷惑したかもしれない近所の住民は別にして、他者に多大な迷惑を掛けたという話でも無かったと思うし、正直草氏には同情の思いが。これは仮に当事者が江頭2:50氏で在っても同様。

裁判員制度、仰る様に裁判員が関われるのは一審だけで在り、余りにもおかしな量刑が一審で下されたとしても、二審や三審で“軌道修正”は出来る訳ですが、そうなってしまうと「じゃあ一審の重さって何なの?」という感じも出るでしょうね。延いては「裁判」その物が軽視されて行く事にも為り兼ねず、その辺に懸念を覚えます。

私見で言えば、一般国民が裁判に直接関われる「裁判員制度」は悪くないと思っているし、その事で多くの人が裁判という物に関心を持つ“入り口”となってくれれば良いのですが、余りにも扇情的に裁判が取り上げられてしまうと、それは弊害と言えましょうね。
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Unknown (ストラングラー)
2009-08-12 17:10:06
清純派という括りの人たちはかわいそうです。
昔からそう思っていました。
昔は清純派、肉体派、中間に桃井かおりや秋吉久美子らがいました。肉体派というのも役が固定され大変でしょうが、清純派は仕事が限定され伸び悩む人が多いと感じていました。
酒井さんも一見順調そうでしたが人畜無害な役や作品ばかり、本人の内面とのギャップが激しかったのでしょうね。
我が時代の天地真理も清純派と崇めたてられたがゆえに精神を病んだと噂で聞きます。現在は変貌していますが、まあいろんな思いが交差します。

http://www004.upp.so-net.ne.jp/monamour/mari/index.htm
http://www.youtube.com/watch?v=dhI6r7nhmtg
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