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1959年、五輪招致目前の東京で、落語家の5代目・古今亭志ん生氏(ビートたけし氏)が高座で語り出す。其れは、50年前の日本の五輪初参加に纏わる噺。柔道の創始者の嘉納治五郎氏(役所広司氏)は、1912年のストックホルム五輪を目指して、初めての五輪派遣選手をどう選ぶか、悪戦苦闘していた。
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昨夜、今年の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」が放送開始となった。大河ドラマ第58弾となる同作品は、日本で初めて五輪に参加した金栗四三氏(6代目・中村勘九郎氏)と、日本に五輪を呼んだ田畑政治氏(阿部サダヲ氏)の姿を描く。
ドラマは1959年の東京から始まり、そして50年前の1909年へと時代が遡る。扱われるのは1908年から1964年(東京オリンピック開催年)迄という事で、時代としては“近現代”に当たる。歴史大好き人間の自分だが、一番興味が在る時代が近現代。でも、歴代の大河ドラマで言えば、「近現代を扱った作品は、視聴率的に芳しくない。」と言われたりする(実際には、そうでも無かったりするのだが。)。
で、第1回を見終えた感想だが、「面白くなかった。」の一言。“当時の風景”の再現は素晴らしかったが、全体的にゴチャゴチャし過ぎ。見ていて、兎に角疲れた。
又、5代目・古今亭志ん生氏をビートたけし氏が演じているのが、此のドラマのアピール・ポイントの1つの様だが、(普段と同様に)ビートたけし氏のゴニョゴニョした喋りが聞き取り難く、苛々した。落語に詳しく無いので、5代目・古今亭志ん生氏がどういう喋り方をしていたのか知らないが、視聴者全てが彼を知っている訳でも無く、話題性よりも、もっと聞き取り易い人物を配した方が良かったと思う。他にも、配役に疑問を感じる人物が居たし。
“明治の男”と言えば“寡黙”なイメージが在ったりするのだけれど、「どんな時代にも“チャラ男”は居るのだなあ。」と思わされたのは、天狗倶楽部なる集団。“戦前の日本に存在したスポーツ社交団体”という事だが、初めて知った。
そして、「翌年に開催されるストックホルム五輪に向け、1911年に羽田競技場で行われたマラソンの予選会で、マラソン足袋で走った金栗四三氏が、当時の世界記録を27分も縮める大記録を作った。」という事実も知らなかったので、勉強になった。
少なくとも此処10年間に放送された大河ドラマの中では、最も面白く無い第1回だった。正直、第2回以降が非常に不安だ。