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「転落の前、必死にヴェランダにしがみ付く少年・・・周囲が動画で撮影、笑い声や戯けた様子も 沖縄・17歳死亡」(8月24日、琉球新報)
沖縄県沖縄市のホテルで20日、17歳の少年が5階のヴェランダから転落した後に死亡した件で、部屋に居た複数人の男女が当時、ヴェランダの外側にしがみ付く少年の様子等を動画で撮影していた事が23日迄に、関係者への取材で判った。撮影した動画は一時、インターネット上で閲覧出来る状態だったと言う。
沖縄署は事件と事故の両面で、転落の経緯を調べている。専門家は「過激な動画や画像を、交流サイト(SNS)等に投稿する若年者は多い。安全の配慮に欠ける内容や行為は慎むべきだ。」と警鐘を鳴らす。
複数の関係者によると、少年が倒れていたコンクリート敷き駐車場から5階ヴェランダ迄の高さは約15m。少年はヴェランダの外側に身を乗り出し、柵にぶら下がった状態だったと見られる。必死にしがみ付く少年を余所に、動画には周囲が戯けた様子や笑い声等が映され、悪巫山戯している様に見えたと言う。
動画を見た人は、「ゲーム感覚で遣っていたのかも知れないが、動画は見ていられなかった。何故、こんな動画を撮影し、ネット等に上げたんだろうか。」と訝しむ。動画は、数時間で閲覧出来ない状態になっていたと言う。
少年が居たホテルの部屋には、少年の他に中学生や成人男性等、複数人の男女が居た。室内からはビールや酎ハイの空き缶、煙草の吸い殻等が確認された。
沖縄署は少年が亡くなった経緯を詳しく調べると共に、県青少年保護育成条例違反等の疑いも視野に、成人男性や関係者から話を聞いている。
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3年前、「事故&事件現場で」と「インモラルな人」という記事を書いた。大きな事故や事件が発生すると、報道番組から派遣された記者等が、現場からレポートする。そんな時、レポートしている彼等の後ろで、へらへらと笑い乍らピース・サインをしたり、スマホで写真や動画を撮っている連中が居る。又、そういう現場で取材を受けている人の中に、“時折笑顔を見せて答えている人”が居たりもする。自身には無関係な事故や事件だとはいえ、他人様が不幸な目に遭っているで在ろう現場で、そういう行為を平然と行える神経が理解出来ない。
今回の件では、「『17歳の少年が、5階のヴェランダから転落した後に死亡した現場。』の様子を動画で撮り、其れをインターネットの動画サイトにアップした。」というだけでもどうかと思うが、「周囲で、戯けた様子や笑い声等も映っていた。」というのだから、最早“人非人”としか思えない。
「自分や自分の近しい人間が今回の少年の立場で、周りの人間が自分達と同じ事をしたとしたら、どういう思いになるのか?」という想像力が、怖ろしい程に欠落しているのだろう。そういう人間が増えている事に、唯々薄ら寒さを感じてしまう。