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「宇宙塵死傷確率『10%』 地上落下、今後10年推定」(8月19日、共同通信)
「人工衛星を打ち上げた際に使ったロケットの残骸等のスペース・デブリ(宇宙塵)が今後10年間で、地上に落下して死傷者を出す確率が10%に上る。」との分析結果を、カナダ・ブリティッシュコロンビア大の研究チームが、19日迄に明らかにした。「宇宙開発の進展に伴い、近年、ロケットの打ち上げ回数は増加。リスクが累積し、以前考えられていたより危険度が高まっている。」事が示された形だ。
宇宙塵は運用を終えたロケット本体や人工衛星の総称で、数mmからバス程度の大きさの物も在る。
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「宇宙塵が地上に落下して来る。」というニュースは、過去に何度か在った。記憶違いで無ければ、「“大事故”に繋がったケースは、此れ迄に無かった。」と思うが、先月にも「中国が自国の宇宙ステーション関連施設建設の為に打ち上げた運搬ロケット『長征5号B』の残骸が、フィリピン沖のスールー海
に落下した。」と報じられたっけ。「残骸は長さ30m、重さ17~23トン。」と見られ、近年落下した宇宙塵としては最大級。中国当局は「残骸の大部分は、大気圏突入の過程で燃え尽きた。」と発表していたが、問題なのは「此の残骸が、人口密集地から離れた場所に落下する様な制御が全くされていなかった。」という点。今回は幸いにも物理的な被害が出なかったものの、1つ間違えば大事故に繋がり兼ねなかった訳だ。
大国による宇宙開発競争の激化は、「自国、否、自国を統治する為政者自身の優位性を誇示したいが為。」の結果で在る。「身勝手さも極まれり。」という感じだが、「宇宙塵が何処に落下し様と、知った事では無い。」というのでは、最早“犯罪”だ。
「宇宙塵が今後10年間で、地上に落下して死傷者を出す可能性が10%に上る。」という今回の推定。「10%」という確率は、どう捉えれば良いのだろうか?途轍も無く高い確率とも言えないだろうが、昔、ネットに「日本人で、左利きの割合は約10%。」と記されていた事を考えると、決して低い数字とも思えない。