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「解散へ各党一斉ダッシュ・・・自民、定数減に努力」(11月15日、読売新聞)
野田首相は14日、国会で行われた自民党の安倍総裁等との党首討論で、16日に衆院を解散する意向を表明した。
其の前提として、次期通常国会での衆院議員定数の削減実現等を約束する様求めた。此れを受けて自民党は定数削減に協力する事を決定、首相が求めた解散条件が整うのは確実となった。政府・民主三役会議は14日夜、衆院選の日程を「12月4日公示-16日投開票」とする事を決定した。各党は、政権交代が起きた2009年8月以来、3年4ヶ月振りとなる総選挙に向け、一斉に走り出した。
首相が国会論戦で解散時期を明言するのは、極めて異例だ。総選挙は、鳩山、菅両内閣を含め民主党政権3年の総括が問われると共に、消費増税を柱とする社会保障・税一体改革、原子力・エネルギー政策、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加の是非等が主要な政策争点となる。
首相は安倍氏との党首討論で、赤字国債発行を可能とする特例公債法案と、衆院選の「1票の格差」是正と衆院議員定数削減を盛り込んだ選挙制度改革法案の今国会成立への協力を要請。更に、今国会での定数削減が「0増5減」に留まった場合でも、来年の通常国会で更なる削減を実施する事を提案した。
其の上で、首相は「国民に消費税を引き上げる負担を御願いしている以上、定数削減する道筋を付けなければならない。此の場で決断戴くならば、16日に解散しても良い。」と明言した。公明党の山口代表にも「16日解散を是非遣り遂げたい」と語った。
自民党は此の後、安倍氏や石破幹事長等が対応を協議し、首相の提案に応じる事を決めた。
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「野田首相が、解散総選挙に踏み切る事を決めた。」という報道は数日前からされていたが、まさか党首討論の場で表明するとは思っていなかった。驚きはしたが、「too little too late(【問題に対処する努力が】少な過ぎるし、遅過ぎる。)」の感は否めない。
当ブログで何度も指摘した事だが、「消費税増税等、国民に重荷を背負わせる以上、国会議員は“身内”、即ち国会議員自身や官僚の身を真っ先に斬らなければ駄目。」だ。だから今回、野田首相が議員定数の削減を迫ったのは高く評価するけれど、45人(比例定数40人+小選挙区5人。)という削減数の少なさも然る事乍ら、如何せん動きが遅過ぎる。
此れも過去に何度も指摘したが、「民主党政権の最たる失敗は、『参議院では過半数(122議席)に近い109議席を有し、衆議院では圧倒的多数(320議席)に近い308議席を有していた2009年8月31日から2010年7月11日迄の間に、『議員定数及び公務員の大幅削減』という“身内斬り政策”が断行出来なかった。」事と思っている。「民主党上層部の金銭に纏わる問題が追及され、身動きが取れなかった。」等の“言い訳”も在ろうが、其れ等とは別に“身内斬り政策”は推し進められた筈で、言い訳にもならない。兎に角、民主党政権は全ての面で動きが遅過ぎた。
「野田首相が議員定数削減を迫ったのは高く評価するが、如何せん動きが遅過ぎる。」とした最大の理由は、「今国会での議員定数削減は『0増5減』に留まり、大幅な削減の部分に関しては、来年の通常国会以降に持ち越される可能性大。」という点。
3ヶ月前の記事「“どさくさに紛れての先送り”は、絶対に許してならない」で記した懸念、即ち「“近い将来”、衆議院議員総選挙が行われた際、“恐らくは”『現在の議員定数の儘」で行われると予想している。もしそうで在れば衆議院議員に関しては、“少なくとも”約4年間は身を斬らないで済む訳だ。」というのが現実化するから。議員定数大幅削減が約4年間先送りされた上、(自民党や公明党は最近、議員定数削減を口にしなくなっていた事を考えると。)削減されたとしても少数なる可能性だって考えられる。
民主党も自民党も公明党も、そして他の政党も、党利党略許りを最優先させ、国民の事なんか一顧だにしていない様に感じるのは、果たして自分だけだろうか?ナショナリズムを“悪用”している様にしか思えない政党には不気味さしか感じ得ないし、「大戦(おおいくさ)」という用語を好んで使っている党首には「政治を、ゲームとしてしか捉えていない。」様な“幼さ”を感じてしまう。
“小泉チルドレン”に“小沢チルドレン”。特定の政党が大勝を収めた結果、糞の役にも立たない様な“政治屋”を多く生み出してしまった現実。「政治が悪い!」と言う前に、「其の政治を司る政治家達を選んだのは、自分達国民なのだ。」という反省と、同じ過ちを繰り返さない“視点”を、我々(自分も含めて。)は持たなければいけない。
自民党は安倍さんの態度が管理人氏、気持ち悪いと思ってらっしゃるようですが、地方で今の自民党の実態を見てるとワラにもすがる気持ちで変な奴らだろうが何だろうが頼ろうとしてるんでしょうね。それが幻のような奴らでも。
うちの地方、前回農協も医師会も、町内会、職能団体も民主党でした。今回はいきなり言われて困ってるみたい。今の自民党の組織力は本当に弱いです。民主党のほうが労組を抑えてるからっていうけど、労組の中のメンバーにはいろいろあるからどうなのかなあ。前回はともかく。
投票率どうなんだろ、低いんじゃないかな。
竹島問題や尖閣諸島問題等、領土問題を巡るアジア諸国との緊張の高まりが無ければ、自民党総裁に安倍氏が選出される事は無かったでしょうね。石原氏の国政復帰も無かっただろうし。
民主党も駄目だけれど、過去の反省が在るとは思えない自民党というのも考えられない。宗教政党は嫌だし、他の政党にも支持し得る要素が見出せない。本当に困った状況です。然りとて棄権をする気は全く無い。棄権をすれば「どんな状況でも一定数の投票を確保出来る宗教政党」を利するだけだし。ベストな政党を選ぶのでは無く、ベターな政党を選ぶ。
日本新党も民主党も駄目過ぎたのは事実だけれど、国民の側にも堪え性に欠ける様な感じもしています。育てる意識が無い限り、此の国で「2大政党制」が確立される事は無いでしょうね。