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翌日からの「さっぽろ雪まつり」を楽しむ為、世界中から観光客が押し寄せ、沸き立つ札幌市。北海道警察本部大通署の佐伯宏一(さえき こういち)は、部下の新宮昌樹(しんぐう まさき)と共に、自動車窃盗現場に向かっていた。
其の頃署内では、生活安全課少年係の小島百合(こじま ゆり)が、「釧路から家出した少女が、札幌に向かっている。」という電話を受けた。
一方、機動捜査隊の津久井卓(つくい すぐる)は、住宅街で起こった発砲事件の現場に向かっていた。此れ等複数の事件は、軈て縺れ合い乍ら、雪まつりを舞台に激化して行く。
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佐々木譲氏の小説「雪に撃つ」は、「道警シリーズ」の第9弾。「道警シリーズ」は、「北海道警裏金事件後の北海道警察の警察官達を主人公とした作品。」で在り、彼等は警察内部の不正に対しても毅然とした態度を貫いている。だから、彼等は“主流”として扱って貰えていない。
「道警シリーズって、こんな感じだっけ?」と戸惑ってしまった。“文章の視点”がコロコロ変わる上に、知らない事実が唐突に記されたりする(勿論、直後に説明はされているが。)ので、読んでいて「どういう事?」と何度か思った。過去の「道警シリーズ」は、こんなに判り辛さが無かった様に記憶している。
様々な要素が詰め込まれているが、主な事件との関連性が無かったり、薄かったりして、「詰め込み過ぎでしょ。」という感じが。又、“謎解き”の面で意外性が無いし、結末も予想通りでパッとしない。
総合評価は、星3つとする。