① 「内のかみさんがね・・・。」
俳優のピーター・フォーク氏が、83歳で亡くなった。5年前の記事で、久し振りに健在な姿を見て嬉しく思った事を記事にしたが、以降はアルツハイマー病で闘病している事を知り、「状態が改善してくれれば良いが・・・。」と思っていた。本当に残念なニュースだ。
ピーター・フォーク氏と言えば、一番の当たり役が「刑事コロンボ」(動画)というのは異論が無いだろう。(個人的には、映画「名探偵登場」も印象深い。)ボサボサの髪の毛に、よれよれのレーンコート、吸っているのは安い葉巻煙草と、風貌の冴えない中年警察官「コロンボ」が、卓抜した推理力で難事件を解決して行くという作品。冴えない風貌を武器にして相手を油断させ、然りげ無く鎌を掛ける事で矛盾を顕にさせて行く手法は見事で、鎌を掛ける際に良く口にしていたのが「内のかみさんがね、~って言うんですよ。」という台詞だった。
子供の頃、コロンボの物真似(正確には、「コロンボの物真似をする井上順氏の物真似」とも言えるが。)を同級生達と良くしたっけ。コロンボの声を吹き替えしていた小池朝雄氏が亡くなられてから四半世紀以上が過ぎ、コロンボの存在自体も歴史の彼方へと向かいつつ在るのかも。合掌。
② 打てないのなら
一昨日及び昨日行われた「タイガースvs.ジャイアンツ」戦は、タイガースが2連勝を決めた。ジャイアンツが連敗した要因は幾つか在るが、一番の要因は「余りに御粗末なエラーの多さ」だろう。当たり前のプレーを当たり前に出来たタイガースが連勝し、当たり前のプレーが当たり前に出来なかったジャイアンツが連敗したという事だ。
積極的なプレーをした上でのエラーならば、其れは仕方無い。誰だってエラーはするし。唯、此れ程迄に連発されると、「心の何処かに緩みが生じているのではないか?」と思ってしまう。
開幕以来、ずっと打撃不振に陥っているジャイアンツの打撃陣。打てない選手達に一番の問題が在るのは確かだが、打開策を見い出せないコーチ陣も問題だ。打てないのなら打てないで、せめて「守り」と「走塁」はしっかり行って欲しい。「主力選手は、簡単にスタメンから外せない。」というのは判らないでも無いけれど、エラー連発のみならず、中途半端なバッティングで凡打した挙句、一塁へチンタラ走りする坂本勇人選手の姿を目にすると、高い能力を有した選手だけに怒りを覚える。
気を抜かずに全力疾走する事で相手野手のエラーを誘う事だって充分在るし、何よりもチンタラ走りは味方の気持ちを萎えさせるだけ。「主力選手だろうと何だろうと、気の抜けたプレーをしたら即座にベンチに下げる。」といった厳しさが、今のジャイアンツには必要。
③ XXデブ
先日、同年代の友人と飲んだ際、或る言葉が話題になった。「其の言葉の死語化」を報じる紙面を友人が目にしたそうで、「そう言われてみれば、今の子は使わないんだろうね。」という話になったのだ。
小学校低学年の頃、太った同級生をからかう際、皆が良く口にしたフレーズが在る。「デーブ、デーブ、XXデブ。御前の母さん、出臍!」という物で、同年代上の方ならば「XX」にどういう単語が入るかは御判りの事だろう。「XX」には「百貫」が入り、「百貫デブ(ひゃっかんでぶ)」は「途轍も無いデブ」を意味した。
「旧計量法」の施行により、我が国古来の度量衡で在る「尺貫法」の使用が“法的に”禁止されたのは1966年の事だそうだ。重さの単位だった「貫」も其れ以降、“公式的には”使われなくなっている。永六輔氏が「尺貫法廃止に反対!」を叫んでいたのは覚えているけれど、自分の幼少期には既に「貫」という単位は使われていなかったけれど、何の疑問も無く「百貫デブ」という言葉は使っていた。
建築業界では「尺」という単位が今でも使われていたりするけれど、一般的に「貫」という単位を見聞する事は無いのではないだろうか?同様に子供達が「百貫デブ」と口にする事も、耳にしなくなった気がする。