先月の記事「思い込み」で書いた様に、「神戸連続児童殺傷事件」、や「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」等、此れ迄に少なからずの猟奇的事件をリアル・タイムで見聞して来たが、今回明らかになった事件は、其れ等と少し違った意味での悍ましさを感じた。
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「座間9人遺体、『8月末から9人を殺した。』」(10月31日、TBS NEWS)
神奈川県座間市のアパートで、クーラーボックス等に入った9人の遺体が見付かった事件で、逮捕された男は「8月末に引っ越して来てから、9人を殺した。」と供述している事が判りました。
死体遺棄の疑いで逮捕された座間市に住む職業不詳・白石隆浩容疑者(27歳)は、今年8月から10月に掛けて、自宅のアパートの部屋で遺体を損壊し、クーラーボックスの中に砂を掛けて隠し、遺棄した疑いが持たれています。室内からは女性8人、男性1人と見られる9人の遺体の頭部が見付かっています。
白石容疑者は今年8月22日に、此のアパートに引っ越していますが、「9人は、引っ越して来てから殺した。」、「8月末に殺したのが、初めて。」と供述している事が新たに判りました。
又、白石容疑者は自殺願望を仄めかしている人に対し、SNSを通じて「一緒に遣りましょう。」等と持ち掛け、犯行に及んだと見られていますが、「自殺は関係無い。殺害の同意は得ていない。」とも供述しているという事で、警視庁は犯行に到った詳しい経緯を、更に調べています。
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事件が発覚したのが昨日なので、未だ未だ判らない事は多いのだけれど、容疑者の供述には多くの疑問を感じてしまう。室内には9人の遺体の頭部が見付かっており、犯行動機に付いて容疑者は「金を奪うのが目的だった。」と供述している。又、「性的暴行を加えた上で、被害者を殺害した。」とも。だが、本当だろうか?
「容疑者は“ネクロフィリア”、即ち“死体愛好者”だったのではないか?」という気が、個人的にはしている。約2ヶ月の間に9人を殺害したとなると、1週間に1人以上も殺害している計算になる。尋常で無いペースだ。
「死体を切り刻み、臓器等は塵として捨てた。」と供述しているとか。確かに「頭部は切り刻むのが困難。」という話は聞くけれど、自宅に9つも“保管”し続け、其処で寝泊まりしていたというのは、普通の感覚だと考えられないだろう。同じアパートの住人の証言では、「外部に、強い悪臭が漏れていた。」との事だから、内部の臭いは相当な物だろう。「処分に困った頭部は、取り敢えず室内に隠しておいた。」というのでは無く、「折に触れて室内で頭部を見たりして、エクスタシーを感じていた。」というのが本当の所ではないだろうか。
「金を奪うのが目的だった。」との事だが、供述によると其の金額は500円~50万円と余りにも幅が在り、とても金が“一番の目的”だったとは思えない。尋常では無い殺人ペースを考え合わせると犯行動機は、どうしてもネクロフィリアを疑ってしまう。
犯行がネクロフィリアという事で在れば、容疑者が自殺系サイトで“ターゲット”を捜していたのも理解出来る。「死にたい。」という思いを持っている人間ならば、呼び寄せて殺害するのは易い事だろうから。表現が適切で無い事は承知しているが、容疑者にとって自殺系サイトは“狩場”だったのだろう。
殺人という行為が許せないのは言う迄も無いが、「“心の弱った人達”を狙い、悍ましい行為に及んだ。」としたならば、本当に許せないし、強い怒りを覚える。犯行が事実だったならば、法廷で裁いた上で、容疑者には“然る可き厳罰”を科して欲しい。
裁判になればまた精神鑑定で無罪を主張することになるんでしょうか。
私はこういう凶悪事件の犯罪者に関しては、もともとどこか精神を病んでいるのでなければ、こういう犯罪をしないと考えているので、精神異常を理由に無罪というのは納得できません。
全く同感です。刑を軽くる為、精神異常を装っているとしか思えないケース(麻原彰晃死刑囚等)、又、そういう事を入れ知恵している様な弁護士の存在には、心から怒りを覚える。
法治国家で在る以上、飽く迄も法に則った裁きをすべきですが、法の不備が在るならば、早急に法を改める必要が在るし、そうじゃ無いと、被害者及び其の遺族達は遣り切れない。
精神科も、障害を持った人々を扱うわりには、情報共有や個人の精神状態の分析、専門的なプロファイルはされていません。極めて、事務的ですし、退院後のリハビリも、病院と地域の福祉施設や作業所、デイケアなどとの連携によって、バランスの取れたフォローをしていますが、こうした、突出した異常者に対する防護は出来ていません。これは、難しいですが、罰則や病院の治療の改善、入院条件の厳格化によって、障害や心身消耗者は積極的に保護して行く事しかないでしょう。
犯人は、刑事事件の加害者で、執行猶予を受けていたとの事、そんな絶望感があったとしても、凶行に結びつく時点で普通ではないですが、デイケアや社会的リハビリによって、同じような悩みや障害を持った人々が働いたり、活動出来る事を知れば、もう少し違ったのではないか、と思います。修正作業をサービスの提供者が積極的に行うという事です。
どうでもいい事に、再発防止の為に閣議で話し合うそうですが、有効な手は打てないでしょう。安倍も菅も何を考えているのか、犯人の身の上を理解し切れる自信があるのか、全く分かっていません。
そういう類いのサイトを覗くのは嫌悪感が在りますので実態は良く判りませんが、報道等によると、今はあらゆる物がネットで入手出来る時代とか。精神科の薬品も、そういう形で入手した可能性が在るのかもしれません。
今回の加害者、どうにも彼の内面が読めません。と言うのも、一部報道では6月位に実父に対し「死にたい。」、「自分は何の為に生きているのか判らない。」等、自殺願望を仄めかしていたとか。でも、事件発覚後の取り調べでは、「死ぬ気は全く無かった。」と供述している様ですし、彼の真意は那辺に在るのか。
専門家を交えての対策も大事ですが、(現実的には可能かどうかは難しいだろうけれど)此の手の加害者(死刑には到らなかった者)から積極的に聞き取りを行った上で、“実際的な対策”を講じるというのも大事な気がします。専門家だけが集まってああだこうだと論じるのは、「群盲象を撫ず」な感じもしますし・・・。