ば○こう○ちの納得いかないコーナー

「世の中の不条理な出来事」に吼えるブログ。(映画及び小説の評価は、「星5つ」を最高と定義。)

「ぞんざいに、不真面目に。」

2017年10月31日 | 政治関連

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自民3回生等、国会質問時間配分の見直し要望『与党2、野党8』は『野党に過剰な配分』」(10月27日、産経新聞

 

自民党の石崎徹氏等、先の衆院選で当選した3回生3人が27日、国会での質問時間に付いて「野党議員に、過剰な配分が為されている。」として、各会派の所属議員数に応じた配分に改める様、党の森山裕国対委員長に申し入れた。森山氏は見直しに向けて、野党側と交渉すると応じた。

 

衆院選の結果、自民、公明両党は全体の67%に当たる313議席を獲得。然し質問時間の配分は慣例で「与党2割、野党8割」と野党に偏重している。「自民党所属衆院当選2回生、3回生一同」名義の申し入れ書では、此の配分が「与党議員の質問権を、大きく阻害して来た。」と指摘した。

 

石崎氏は記者団に、「若手議員の中に『国会の場で、もっと仕事をしたい。』という思いが非常に強い。」と述べ、自身は所属する予算委員会で此の1年間、1度も質問の機会が回って来なかったと訴えた。

 

時間配分の割合は、麻生太郎政権平成20~21年)は「与党4、野党6」が慣例で、其の後の旧民主党政権では一時、「与党1、野党9」となった。現在も「与党2、野党8」と、数の少ない野党議員に多くの時間が与えられる、質問内容が重なる等の弊害生じている。森山氏は11月1日召集特別国会開催する可能性が在る予算委員会からの見直しを目指す意向だ。

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“形の上では”衆院選で大勝するも、記事「選挙制度」で取り上げた様に、得票率では「実際(281議席)」よりも「84議席」少ない「197議席」の可能性が在った自民党。衆院選直前の内閣支持率は不支持率の方が上回り、「選挙後、安倍政権の継続を求めない。」という割合が5割を超える等、「自民党の大勝は、『野党のゴタゴタ』と『選挙制度の問題』が利した結果。」というのを少なからずが理解している為か、選挙直後は示し合わせた様に「謙虚に、真摯政治を行って行く。」と口にしていた自民党議員達。

 

然し、そんな思いは全く無かったのか、舌の根の乾かぬ内に横暴言動相次いでいる。「森友学園疑惑」や「加計学園疑惑」等、安倍晋三首相の“御友達”を優遇したとしか思えない疑惑の追及を避ける為としか思えないのだが、6月末に閉会した通常国会以降、4ヶ月間以上も国会審議が行われていない異常さ。

 

11月1日召集の特別国会も「8日に閉会する。」という提案が自民党から出され、休み等を除くと実質3日間の会期で、真面な審議なんか出来る訳が無い。「疑惑隠しの為、短期間しか開催しないのか!」との批判が高まったので、会期延長の話も出ているが、今度は野党の質問時間を減らす事で、疑惑追及を逃れる算段だろう。平然と嘘を吐く安倍首相だが、彼が再三口にしていた「謙虚に、真摯に政治を行って行く。」というのも、「ぞんざいに、不真面目に政治を行って行く。」というのが本音。

 

自分達が野党の時は「質問時間を多くしろ!」と要求し、一時は「与党1、野党9」という質問時間配分を認めさせた自民党。「野党への質問時間をこんなにも多く認めたのは、民主党の配慮が在ったからでは無い。」といった無根拠な“陰謀論”を口にしている人も居る様だが、「自民党が野党の時代に、『与党1、野党9』という質問時間配分が認められていたという“事実”が在る事には変わり無い。」のだ。「自分達は何をしても認められなければおかしいが、自分達以外は同じ事を含め、不都合な事は一切認めない。」というのでは、余りに身勝手。案の定と言うべきか、「大衆受けする事は言うけれど、“言うだけ番長”で何も出来ていない(「原発政策を推進して来た自民党として、原発事故を踏まえた検証を党として行わなければならない。」と主張するも、何も行わなかった等。)し、何よりも自分達の身を切る事(議員定数削減やら政治団体を介する事で相続税脱税が出来てしまう事の禁止等。)は一切言わない小泉進次郎議員。」は自分が知る限り、此の身勝手な主張に異を唱えていない。)

 

今回の質問時間配分の変更、元“魔の2回生達”が中心となって申し入れたという事だが、実際は“政府の意向”を受けての物だろう。「獲得議席の割合に応じ、質問時間を配分すべき。」というのは“一見”公平な感じにも思えるが、「与党が作った法案を、国会で審議する。」という“実態”を考えると、与党は法案作りの段階からずっと関われるのに対し、野党は“実質的に”国会での審議でしか関われないのだから、「獲得議席の割合に応じ、質問時間を配分すべき。」というのはおかしい。

 

又、都民ファーストの会が圧勝した直後の都議会で、“質問”に立った同会の都議達が、“質問”では無く“小池百合子都知事礼賛の言葉”を並べ立てていたのは記憶に新しい所。唯でさえ与党の質問は“自画自賛”ならぬ“自党自賛”になり勝ちなのだから、“権力の監視”という観点からも、「野党側の質問に、大幅な時間を割く。」のは当然の事。

 

政権と近しい関係に在る産経新聞だけに、「野党に質問時間の配分が偏重している事で、質問内容が重なる等の弊害も生じている。」と指摘しているけれど、質問内容は原則として事前に出されているなので、重ならない様な対策は打てるだろう。

 

「若手議員の中に『国会の場で、もっと仕事をしたい。』という思いが非常に強い。」と石崎氏は主張しているが、自民党内の政策作りの段階で、安倍首相の主張に全く異を唱えず、言い成りとなっているだけの連中が何を言うか?本当に仕事がしたいのならば、おかしな事にはおかしいと主張してから言え。要は、国会の場で質問する姿を見せ、有権者アピールしたいだけだろ。と思ってしまう。


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6 コメント

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Unknown (悠々遊)
2017-10-31 11:15:38
全く同感。
謙虚に「与党議員」の礼賛を承り、丁寧に「自分たちに都合の良い」説明をさせていただく、という趣旨だったのでしょう。

政権へ批判的な村上誠一郎氏などの与党議員の質問機会を増やし、「太鼓持ち質問」はしないという前提の元なら、3:7や4:6という配分も理解できますが。
いっそ小泉進次郎氏に「森加計問題」の質問をさせるのも面白いかもしれない。そこで「太鼓持ち」するようならおのずと本性が知れるでしょうが、そんなバカではないでしょうね。

京都でシェア8割を誇る地元地方紙を購読しているので、全国紙の記事はネット配信で読むだけですが、こと政治面の記事に関する限り、産経新聞は自民党右派のプロパガンダ紙に成り下がっているようです。
その意味で政党機関紙「赤旗」や「公明新聞」と同じと言っていいでしょう。
マスメディアでありながら、使命である不偏不党を大きく逸脱している点で、政党機関紙よりもたちが悪い。
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>悠々遊様 (giants-55)
2017-10-31 21:45:42
書き込み有難う御座いました。今回は、此方にレスを付けさせて貰います。

一定年齢以上の人達からすれば「フジサンケイグループ=右寄り=自民党寄り」という認識が古くから在ると思うのですが、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)的ネット情報“しか”触れない様な若い世代からすると、そういう認識が無かった様で、6年前に高岡奏輔氏(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B2%A1%E5%A5%8F%E8%BC%94)の発言(妄言?)から「フジテレビ・バッシング」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E5%B2%A1%E5%A5%8F%E8%BC%94#2011.E5.B9.B4.E3.81.AE.E7.99.BA.E8.A8.80)が巻き起こった。「フジサンケイグループ=売国メディア」という意味不明で、且つ古くから同メディアを知る人間からすると「実態を判ってないなあ。」と苦笑してしまう様な事態となった訳ですが、此の時のトラウマも在ってか、以降のフジサンケイグループは“自民党寄り”の姿勢をより露骨に打ち出す様になった気がします。今回の元記事でも「弊害」だ「偏重」だという言葉を、意識的に使っている節が在るし。

自分は極右にも極左にもシンパシーを感じ得ない、中道とは言わない迄も是々非々で物事を捉えたいと思っている人間ですが、意識的に極右や極左的な記事“も”触れる様にしています。「極右だから、又は極左だからという理由で、一切触れないというのも変だと思うし、中には真っ当な主張も在ったりするから。」です。

今回の特別国会の在り様に関して、船田元議員が疑問を呈している。村上誠一郎議員や石破茂議員等、自民党内にも是々非々で論じられる議員が居る事に安堵の思いが在るけれど、現実問題として非常に稀有な存在。悠々遊様が書かれている様に、そういった人達をメインで質問に立たせるというので在れば、時間配分の変更というのも意味が在ると思うけれど、何処ぞの国の様に「将軍様万歳!」的環境を好む安倍首相が、そんな事を認める訳も無く・・・。

小泉純一郎元首相のして来た事を全面否定する積りは無いけれど、「政治=劇場型」に変えた罪は重い。其の弊害が今も此の国を蝕んでいるというのに、小泉進次郎氏の“実績”を検証する事無く、大々的に“アイドル”の如く持ち上げるメディアの多い事。今回の選挙後は、“中曽根康弘元首相の孫”を“第2の小泉進次郎氏”として売り出しているメディアも在り、ウンザリしてしまう。そんなメディアもメディアだけれど、乗っかってしまう人達も人達。
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完ぺきなバカですね (さすらい日乗)
2017-11-01 08:33:09
彼らは議員内閣制を理解していません。
私がいた横浜市会では、質問時間制をとっています。
ただ、日本の地方議会は、国とは異なり、二元代表制で、個々の議員は大統領たる首長に質問することができるのです。

しかし、議院内閣制の国会では、与党は首相と同じはずですから、野党と同様の質問をすること自体が本来はあり得ないおかしなことなのです。
まったく信じがたい連中です。
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>さすらい日乗様 (giants-55)
2017-11-01 12:26:03
書き込み有難う御座いました。

基本的に“公平性”というのは、担保されるべき物と思っています。でも、男女の体の作りが異なる様に、“男女間の公平性”は100%担保出来ないと考えていますし、今回の問題も同様。さすらい日乗様が御指摘されている様に、「議院内閣制の国会では、与党は首相と同じ筈。」という“内容面での違い”が厳然と存在するのですから、質問時間配分では野党に相当の比重が置かれて然る可き。

「強いんだから、俺の言う事は何でも聞け!」というジャイアン的発想が、どうにも自民党からは感じられてしまう。
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Unknown ()
2017-11-04 09:43:02
国会審議においては、野党の役割は重要であって、議論を尽くすべき事もあると思いますが、森友や加計のスキャンダルの追及は、安倍首相が嫌うところなので、一時的な措置とも観えます。議席数に応じるという事ですし。ですが、政治とは、政局への関心が高く、マニフェストの可否をめぐる中身の議論ではなく、パワーゲームにしているのは、スキャンダルばかりを突く、野党にも言える事です。立憲民主党は、ツイッターを有権者の確保に利用したといいますが、ツイッターなどは微力ですし、それを好むのは、衆愚というものでしょう。短文で、政策の中身を論じ、ストックを貯めて行くのには向かないが、動員力だけはある、というのは、如何にも感情的にデモに赴くノイジーマイノリティと相性が良いものです。

そうした民度を上回る政府は作れない、とあるように、デモの想定を上回る境地に、安倍政権はあるのだと思います。だから、デモのブームは裏を返せば、安倍首相への畏怖があるのであって、少数派は結託する事によって、対抗して来ると思います。情報戦に力を入れているあたりを見ても、野党よりも上を行っているのが、自民党のパフォーマンス力でしょう。その元祖ともいえる小泉首相の、今の自民党に与えた影響は計り知れないと思います。ですが、安倍首相への振り付けは、衆愚というものでは無く、政治家としてのプレゼンスやマナーのしつけ程度のものだと思います。小泉以降の党史を如何に総括して、克服するか、それは、これからも安倍首相にとってのコンプレックスになると思います。
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>隆様 (giants-55)
2017-11-04 22:02:54
書き込み有難う御座いました。

先日、或る著名人が指摘していたのですが、「昔は“国会の爆弾男”と呼ばれた政治家が存在し、独自のルートで集めた“疑惑”で政府を追及したけれど、今はマスメディアが取り上げた疑惑を、“後追い”で追及する政治家許り。野党の政治家達の情報収集等を含めた“行動力”が、非常に落ちているのではないか。」と。此れは、言えている気がします。

過去の記事でも何度か触れている様に、政治家の男女間に於けるスキャンダルは、個人的にどうでも良い事だと思っています。勿論、明々白々に違法行為が絡んでいる場合は別ですが、そうじゃ無ければ当事者間で解決すれば良いだけの話。そういった問題と、莫大な血税がおかしな形で流用された可能性の在る「森友学園疑惑」や「加計学園疑惑」を同じ様なスタンスで追及している事も、野党に今一つ共感が集まらない理由なのでしょうね。
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